アキの友達、陸の従姉のひかる。
ある朝、アキの携帯電話の着信音が鳴る。
「んもぉ〜。誰ぇ〜朝から。」
あ、ひかる。
ほんとあいつ人の事お構いなしなんだから。
「もしもし…。」
『おっはー。アキ?。』
朝から、ハイテンション。
そうだよアキだよ。
「うにゃ。」
『私ぃ、結婚する事にしたぁ。』
は?。
な、何っ!?。
けっ、結婚?。
朝から何言ってる?眠ってる頭の中が一気に活動し始める。
「はぁ〜ぁ〜?。」
驚きのあまりについ出る大きい声に
「なっ?、何、どうしたのアキちゃん!?。」
隣の部屋で寝てる陸が飛び起き襖を開ける。
「あ、陸、おはよ。ひ、ひかるがね…。」
ブルブル震える手で陸に携帯電話を渡す。
「お、おおう、もしもし?。」
『やぁ、陸?ひかるネェだよ。』
すっげー、テンション。
「なんだよ、朝から…。」
ったくという感じ。
『陸ぅ、私、結婚するからね!。』
「っ、はぁ〜?。け、結婚〜?。」
つい出る、陸も大きい声。
『がははっ!。あんた達より先にして悪いと思うよ、思うけどこれが運命ってモンよ。』
すごーい、いつもよりハイテンション(しつこい)。
「何言ってんのか分かんねーし。」
「陸っ!、ちょっと変わって。」
「あ、ああ。」
「ひかる相手は?…はぁ?。」
…一昨日会った?…アメリカ人。
「…陸、あげる。ダ、ダメだ…私、頭が…。」
これ以上はまともな会話が出来ないと思ったアキは陸に携帯電話を押し付ける。
『がははっ。』
電話の向こうのひかるのテンションに戸惑う陸も
「え、あっ?、ちょぉ〜。」
アキに携帯電話を押し付ける。
『後から、カレ連れてそっち行くねェ〜。』
「あっ?、えっ、マジィ?。」
『じゃぁ、バイッ!!。』
ブチッ。
また勝手に切られた電話。
ほんとこいつ、人のスケジュール無視かい?。
何かあった?、と思うぐらい電話を切られた後のこの静けさ。
アキと陸は顔を見合わせしばらくの無言状態…。
閉じた携帯をそっとコタツの上に置く。
「…ねぇ?。」
「ん?。」
「あんたの従姉ほんとすごいね。」
「う、う…ん。」
「はは…。」
「なぁ、お前の…友達、すごいな。」
「あ、ああ。」
「はははは。」
「はぁー。」
「ふー。」
あのひかるが結婚ねぇ…。
しかし、いつ、前の彼と別れたんだ?。
聞きたい、知りたいっ!、二人はそう思ったが触れてはいけないと思う。
とんだ、朝からのひかるの発表に二人は呆れ果てた。