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問と答 No.1

作者: 金木犀
掲載日:2026/03/14

今まで20年近く経験を積んできた仕事。同じ職種の新しい職場に転職をした。経験があると言っても、新しい職場では新人。そんなのは百も承知だ。働く場所が違えば、知識はあるとしてもやり方は全く違うからだ。ノートも新調した。1からのスタートだと、勝手に意気込んでいた。回りは皆年下。年下といえど、ここでは先輩であること、重々承知の上だ。今までの経験から、教えて貰った事は走り書きでメモにとり、帰宅してから頭を整理してノートへ清書する。何度も同じ質問をして、先輩達の手間をとらせたくない。その一心だった。時には先輩の仕事を見て覚える事もした。それを続ける事で、自分1人でもこなせる仕事が増えていく。先輩達の負担にならないように。それが仇となったようだ。同じ質問をしないで済むように、必死にメモをして覚えた仕事をこなしていると、陰では「全然質問をしてこない」「自分勝手にやっているのではないか」と言われるようになった。いつしか私に対する当たりは強くなっていた。明かな不機嫌。私はいつも謝ってばかり。いつしか1番上に立つ上司にまでキツイ事を言われるようになった。私は偉そうにするでもなく、ただただ早く仕事を覚えて役に立つ人間になりたかっただけなのに。悔しくて、悔しくて、何度も泣いた。理由のない不機嫌に、「なんで?」「どうして?」と何度も考えた。けれど答えは見つからない。そう。答えなんて、もとからどこにもないのだ。私が囚われていたのは、答えのない問。だから、私はやめた。答えのない事を考えるということを。他人の心うちなんて、分かるはずもない。それに気がついてからは、少し気持ちが楽になった。結局私は答えを見付けたのだ。

【いくら考えても答えの出ない事に、時間を使う必要はない】と。

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