表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
49/151

裏切りに死を

※表現が厳しくなっております。

気分が悪くなったら直ぐにブラバお願いします。

グロは控えめです。

 マンションの探索は俺が気楽に考える程、簡単では無かったよ。

 ゾンビに不意打ちで襲われるし、途中で息苦しくなったと思ったら酸欠手前。

 よく考えれば分かる事だった。


 雪で埋まっているのと地中に埋まってるのって同じだったよ。

 外が吹雪になって俺が入ってきた穴が塞がれたんだ。

 そうなると空気が入る場所が無い。


 動けていたのは残っていた空気があったからだ。

 もうね。必死で戻って中から穴を空けたよ。

 それでも見つけた物資はしっかり確保した俺は偉いと思う。


 それから朝まで出入り口近くの部屋で過した。

 桜井市に辿り着くまで同じ様に過ごして来たんだ。

 今更こんな場所で死ぬような事はしない。


 朝方になって吹雪が止んだので外へ出ると、雲の切れ間から日光が差したんだ。

 ほんの一瞬だったけどな。

 神など信じないけど、この時だけは信じたくなったよ。

 未来に少しでも希望がありますようにってね。


 さぁ早く物資を持って行かないとな。

 アケミさんもこんなに早くお礼されるとは、思わないだろうし驚くはずだ。

 少しは表情に出してくれると良いんだけどさ。






◇◇◇






 アケミさん達の居るマンションまで戻る際中、俺は何か不自然な感じがしていた。

 と言うのも吹雪が上がった後なのに、足跡が所々残ってるんだ。

 足跡の方向は俺と同じ。これって変だよな。


 だから俺は警戒をした。

 明らかにこれはおかしい。痕跡も消せない様な素人みたいだけど。

 俺だって馬鹿じゃない。助けて貰ったとは言え、出会ってまだ数日なんだ。


 本当にあのマンションには、紹介された女性達だけしか居なかったのか?

 それに根本的な事で、気になっていた事がある。

 簡単な事だ。俺は倒れていたが、どうやってあのマンションまで運んだんだ?


 俺は大きくないとは言え、体重は約60数キロほどだ。

 それにプラスして20キロ近いリュックがある。

 とてもじゃ無いがアケミさんだけで移動出来たとは思わない。


 なのにユミと言う名前の女性は、初めて会ったみたいな顔をしていた。

 そうなるとアケミさんが嘘をついているか? 或いは共犯がいる? 

 それともアケミさんに他の女性が騙されている? 


 俺が思いつく可能性はこんなものだ。

 まぁ最悪の想定は俺が居ない間に、他の生存者に襲われている事だが。

 そのどれにも対処できるように準備が必要だ。



 そこで俺は遠回りしながら途中の建物へ身を隠し、猟銃に弾を装填して何時でも発砲できる体制を整えた。猟銃は背中に背負い、右手に金属バットを持つ。何時もの俺の戦闘スタイルだ。


 本来なら30分程度の距離を1時間かけて戻り、マンション周囲が見える場所でどうなっているか確認する。



「やはりか。余計な情報を与えてしまったかもな」


 俺は狩猟の経験があるので、何処に身を隠せばいいか感覚で分かる。

 これが出来る様になるまで時間が掛かったんだよ。

 出来ないと獲物が狩れないから必死だったんだけどな。

 

 探す場所は俺を待ち構えるなら? と言う想像で予想。

 するとマンションの周囲に、複数の人影を発見することが出来た。


 俺が道具を借りに戻った際、アケミさんに俺が見つけた場所について詳しく説明したんだよ。

 俺のやり方なんて覚えてしまえば誰でも出来る。

 だから深く考えずに伝えてしまった。


 その結果がこれだ。

 俺に話した事は全部嘘だったのかなぁ。

 朦朧(もうろう)としていたとは言え、素直に人を信じる俺が悪いのか。

 もういい加減他人を信じるのは辞めないとな。


 さてどうする?

 本当はこのまま逃げるのが良いんだろうけど、最後に1つだけ真実が知りたい。

 真実を知らないまま逃げるなんて、もうまっぴらごめんなんだよ。

 逃げる事でしか自分を救えないなんて、惨めすぎるじゃないか。


 完全に敵なら、猟師を舐めた事を後悔させてやる。


 

 やると決めたら即行動だ。

 先ずは情報収集。

 気づかれずに近づけば、こいつらの目的も知ることが出来るはずだ。


 何も分からなければ、1人捕まえて聞かせて貰えば良い。



「ちっ。おっせえなぁ。本当にあの女信じて良いのかよ?」

「リーダ-のお気に入りだからな。嘘は言わないんじゃないか?」

「捕まえるだけで良いんすか? 別に殺しちゃてもいいんでしょ」

「生死は問わないって聞いたぞ。1人だから早い者勝ちだな」



 ......そうか。

 今俺の頭のスイッチ入ったわ。

 もう手加減も油断もしない。


 俺の敵はしっかり排除しないと、桜井市では生きて行けない。

 こいつらがどんな風に生きて来たか知らないが、場数だけなら俺は負けてないと思ってる。

 相手が()るきなら、()る気で答えないとな。






◇◇◇





 

 戦うと決めても馬鹿正直に真正面からは戦わない。

 俺はそんなに強くないしな。

 1対1でも油断したら負ける。


 それはゾンビでも人間相手でも同じだ。

 だから1人1人闇討ちで人数を減らす事を優先する。

 

 先ずは単独行動しているアホからだ。

 自信があるのか知らないけど、油断しすぎていて始末は簡単だった。

 静かに後ろから近づき頭にバットを振り下ろす。


 うるさいから口にタオルを巻き、手足を縛って担ぎ上げる。

 碌に鍛えていない奴なんてこんなもんだ。


 さてどう言う事か行かせて貰おうじゃないか。



「なぁ教えてほしいんだが、俺を殺す気だっけ?」

「ううぅ。ううぅ」


 ああしまった。

 タオル巻いてたんだった。


「さぁこれで喋れるだろ?」

「痛てぇ! お前絶対に殺す!」


ドカッ!


 うるさいから顔を蹴って黙らせる。


「次叫んだらその綺麗な指を1本づつ折る。分かったか?」


 コクコク。


 それからはペラペラと素直に喋ってくれたよ。

 あのアケミって言う女はこいつらのリ-ダ-の女らしい。

 俺を助けたのは本当に気まぐれだったらしいが、良い駒が出来たと喜んでいたと聞いた。


 そんな俺が物資の場所を突き止め、方法まで教えて来た。

 それを聞いたリーダ-の男が、俺を捕まえる指示を出したんだ。

 色々全部聞いたら始末するつもりだって事もね。


 まぁ大体予想通りだ。

 でも意外だったのは、アケミ以外の女達は何も知らないって事だ。

 それを知っても何とも思わないけどな。


「はぁ。完全にクズじゃん。これで本当に遠慮はいらない。お疲れさん」


ガンッ! ガンッ! ガンッ! ガンッ!


 俺は次々待ち伏せていた男達を排除していく。

 まだ一度も猟銃は使っていない。

 使うのは敵の数を充分に減らしてからと決めている。


 あらかた始末が終わっても、騒ぎにもならない。

 こいつら本当に大丈夫か?

 仲間意識も無いんだろうけど。


 ここまで大体1時間。

 マンションの周囲に居たのは全部で12人だ。


 拳銃を数人持っていたから回収したが、中の連中も持ってそうだな。

 俺に狙撃の技術があれば、遠距離で終わらすんだけど。

 前に撃った時は散弾銃だったから、狙いが適当だったんだ。


 さてさて。

 残りはマンション内。


 俺は静かに侵入する。

 入り口にも見張りが居ない。

 もう完全に舐め切ってるよな。


 リーダ-とアケミを含む女達は最上階にいるはずだ。

 だから最上階まで気は抜けない。


バァン! バァン! バァン!


 マンション内に入れば遠慮はいらない。

 拝借した拳銃を使い、目に入った男を撃つ。

 俺は拳銃に興味は無いから、弾が切れようが関係ないんだよ。


 だから撃ち放題。

 この時点で俺の目は死んでいると思う。

 こんな事楽しくも何とも無い。


 俺だって死にたくないんだ。

 何で他人の欲望の為に殺されなければならない?

 俺が手加減したってこいつらは俺を放っておかない。


 だから......()るんだ。

 

 そんな気持ちで最上階に着いて俺は呆れたよ。

 こんなに銃声がしているのに、部屋に着いたらお楽しみの真っ最中。

 もう吐き気がしてそのまま二人とも撃ってやった。


 仲良く地獄へ落ちれば良いさ。


 他の女達? 

 無視無視。敵対しなかったから相手にもしてない。

 勝手に自分達だけで生きれば良い。


 俺はこの血まみれの手で、この世界を生きていくのだから―――

 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ