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デウスラ3

読んで頂きありがとうございます。


ゼウシスに俺がこの神の国デウスラにいられる時間は残り30分だと言われた。それで俺の神格は完全に崩壊しそこから魂と肉体が消滅するみたいだ。じゃあ、エリクサーとソウルサーでなんとかならないかと聞いたらそれは無理らしい。


この神の世界に人は耐えられずその存在を保つ事が出来ない

精霊界のそれとは比べ物にならない程の空虚感に苛まれ何も出来ず何も感じずただただ消えていくらしい。


まぁ今その事を考えたって仕方のない事だよな。


「じゃあ、行こっか!」


俺、ゼウシス、ポセイドスは天空に聳え立つ白銀の宮殿の扉を開けた。


    【 残り 27分 】



中へ入ると、異質な空間が広がっていた。


一面に広がる本棚が上下左右にあらゆる場所に置いてあり


自分が立っている場所が下なのか上なのか、左なのかはたまた右なのか分からなくなるぐらい平衡感覚が無くなる。


「ふんっしっかりせぬか小僧!」


ポセイドスが俺の肩を叩くと、心が落ち着き平衡感覚が戻った。 助けてくれたのか?


「あ、ありがとう」  


「ふんっ、時間がないのだろう、こんな所で足を止めている場合ではない」


「そうだね。でもなんだったんだろう?」


上下左右だからって俺があんな感じになるのか?

本棚にある本に意識を向けようとすると吐きそうになる。



『これらは、余の叡智の結晶である。

視界に入れただけでも下等なる者は正気ではいられない。


それで?何をしにきた?余の邪魔だてをするのならば

容赦はしないぞ?』


奥から声が聞こえて、その方向を見ると豪華な装飾をされた高座に誰かが座っていた。こいつは、、ロギと言ったあの忘神よりも異質で圧倒的な存在を感じる、、、


「小僧!呑まれるな」


おっと、、また助けられてしまった。

なんか足を引っ張っているばっかだな、、、


 【 残り 23分 】



「オーディスと言ったな。私も争いに来たわけではない。

この世界から出て行って欲しいのだ。この宮殿は世界を蝕む

知りたい知識は私が教えよう」


ゼウシスが交渉に入る。


これで上手くいけば良いんだけどな、、、


『くはははぁ!知識とは己が自ら識る物であり他者に乞う物でなし!心配するでない、後数刻もすれば余は消えよう。

それで?ロギとニーズヘッグスは逝ったのか?』



数刻なんて待っても大丈夫なのだろうか?

俺には時間が無いと言うのに、、、



「今すぐ出て行くが良い、哀れな忘神よ。それとも貴様も仲間のように逝きたいのか?」


ポセイドスが煽る。



『仲間とは言ったが余らには利害関係しかないのだ。

彼奴らは所詮時間を稼ぎに過ぎない』



「今すぐ出て行ってくれないのなら排除するしかあるまい」


ゼウシスとポセイドスか臨戦体制に入る。



『まぁよかろう。遊んでやるとしよう。余の戦士達を倒すことが出来たのならば【エイン ヘルヤル】』


一瞬で辺りの空間が変化しだだっ広い広場になった。

そしてその地面から魔法陣が浮き上がり何百の兵士が姿を現した。


時間がないって言っているのに!厄介な!


その兵士一人一人がかなりの実力をもっている、、、



『さぁ、余の兵達よ、余の敵を討つが良い』


その号令と共に戦士達が武器を構えてこちらに突撃してきた


「下らぬ。雑魚が束になろうが雑魚に代わりはない【神器を我が手にトリアイナ】」

その三叉槍の先端から激流が現れ戦士達を押し流す。



だが、倒れ傷付いた戦士達はしばらくすると立ち上がり突撃をやめない。



ゼウシスも参戦し、戦士達を薙ぎ倒して行くが、これではらちがあかない。時間ばかり過ぎて行く。


 【 残り 18分 】



焦ってもしょうがない、エリクサーで精神を落ち着かせて策を考える。オーディスは余裕顔でワインを飲んでいる。

そして、俺の事は眼中にないのか気にしている雰囲気はない

一度だけならば、俺の攻撃も当たるかもしれない。


ただ、俺にはもう神の力を扱う事はできないので倒す様な攻撃は出来ない。俺に今あるのは、雷、薬、ヴォイドだけか、、


(見つけた、、ぞ?ルークよ、、)


ん?この声、バシウスか!?



(うむ、、まさかこんな所にいると、、思わなんだ、、

皆、、心配しているぞ、、、)


分かってるよ。だけどアイツをどうにかしないと帰ろうにも帰れないんだ



(うむ、、、この世界の、、神ではない、、な)


バシウスじゃどうにかならない?


(制限を解除し、、全ての力を使えば、、と思うが、、足りないであろう、、)



そうか、、、


そこで誰からがこの境界に足を踏み入れた。



「苦戦しているね?ゼウシスもポセイドスも」


そう言ったのは、眼鏡をかけた日弱そうな青年だった。


そして

「「「私達も応戦します」」」


と武装した神達が言った。その中にはルシエラ様もいた。



青年の方は強者!とは全然思えないが、何故か恐怖を感じる

あの人にかかれば俺は一瞬で死ぬだろうと本能が言った。


他の神々も結構な力を感じる。


「メデュルか、そう思うのならば手伝ってくれると助かるのだが、、、」


「そうであるぞ!お主も最高神であろうが!義務を果たせ」



ゼウシスとポセイドスが彼に言った。


最高神なのか、、ってメデュル?



「はいはい、、ルーク君もぎりぎりだね?ところで神毒まで作れる様になったんだね?」


「え?、、あ、はい」


やっぱり薬神 メデュルか、、いきなり過ぎて敬語になってしまった。


メデュルは何かフラスコの様な物を戦士達に投げ込みながら話を続ける。その落ちた場所は黒い煙が立ち昇り戦士達は蒸発した、、、えっ怖!


「さすが僕の見込んだ子だよ。ただあれを使ってもまだ届かない気がするんだよね〜」


「どうも? 神毒を当てても死なない?」



「ん〜多少は効くと思うんだけどね?異なる次元の異なる理の主神を倒せるかと言われると首を傾げてしまうよ」



まじか、、万事休すか?、、なにかないのか!?



「他に手は?」


「あの神の一部が手に入れば僕が専用の毒を作れるよ」


ニヤリと悪い顔をしながら俺を見てくる、、、

「僕は見るからに戦闘向きじゃないからね?ゼウシスもポセイドスも手一杯みたいだから・・・」


はいはい、、俺がやれば良いんですね?


「やってみます、、、」


「ルーク君無事で何よりです。ふふふ」

「君がルークなんだね!僕は君に会いたかったよ!」


ルシエラ様とこの人はもしかして、、、雷の女神トーナ様?



「貴方は?」


「僕は雷の女神 トーナだよ!」



やっぱり、ただ想像していたより小さく可愛らしく

身の丈に合っていない巨大なハンマーを背負っている、、



「あー!!今ちっさいって思ったでしょ!?僕が本来の姿に戻ったら ボンッ!キュッ! ボンッ!なんだからね!?」


その言い方がおかしく笑ってしまった。


「笑ったなー!!」 「はいはい、トーナ?今は話している時間はないですよ?ルーク君には時間がないのだから」


あっそうだった、、時間がないんだった、、


   【残り 10分 】



「そうだったね!ルーク!僕のチカラを貸してあげる!あんな奴ぶっ飛ばしてきて!」


「私の愛のチカラもきっと貴方を助けてくれるでしょう」


二人から力が流れてくる、、、



よしっ!バシウス ヴォイド いこうか?


(うむ、、、トドメは薬神に任せ、、我らは彼奴の、、一部を奪う事に、、専念しよう、、、)


(準備ばっちりだよ!ルーク!)


先ずはあの高座から降ろしてやる!

バシウス!


(了解した。我を受け入れ、、よ)


バシウスが俺の中に入ってくる。



 「(精霊合体)」


体が魔素そのものと言うのか、空間そのものと言うのかマズマとは違ったものへと変化をした。なんか変な感じだな。そして、それらを徐々に広げて行く。広がった場所なら瞬でどこでも移動出来ると分かる。


よし、オーディスがいる場所まで広がった。

高みの見物を決めているオーディスの背後に周り高座ごと

ヴォイドで袈裟斬りした。


オーディスは俺を目で捉えて

『 ? 下らぬわ』

と言い、地面へとゆっくりと移動した。

うん、傷ひとつつかなかったわ。

分かっているけどむかつくな!


でも、腕一本は貰ってみせるぜ。


トーナ様に貰った雷、ヌーの雷、バシウスの雷そして俺の雷

全部纏めてヴォイドに込める。

四色の雷が混ざり刀身を虹色へ変化させた。


(んー!ビリビリするよー)


ごめんな、耐えてくれ!


『余の座を壊すとは、、下等なる分際で腹立たしい』


「そりゃあ良かったわ。あんたがどんなけ上等かなんか知らないけどさ、窮鼠猫を噛むって言葉知ってるか?

【雷剣 ヴォイドラアド アルカンシエル!】」



ヴォイドをオーディスへと振るう。


が、、


『こんなものか?』


腕一本でヴォイドを受け止めているだと、、?


これでもだめなのか?

今の全力なのに、、、



心が折れそうになる。


 【残り 5分 )



ありがとうございました。

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