獣王の友
読んで頂きありがとうございます。
ルーク達一行が、獣国にて過ごしている日々の中、また密かに動き出す影達がいた。
一つは、クルセリカ王国だ。国王は魔王討伐軍に沢山の兵を動員し世界にアピールした。
だが、結果は敗戦。犠牲は最小限で済んだが、魔王ルーク以前に配下のもの達によって敗戦した。
これはそこに居なかった者には「配下にも勝てない練度の低い兵士」とうつり、散々な非難をされた。
ルークが魔王で無くなった事は世界の知るところになったが、クルセリカ王は自身のプライドを傷つけられた事に酷く怒り、ある事を思いついた。勇者をぶつけようと
だが、普通に命令しても勇者は断るだろう。
では、どうしようか?それで思いついたのは勇者の故郷
を人質にとる事だった。娘すら駒として扱い
ルークとやらは抹殺してやると、あいつの周りには
エルフや聖女がいるらしいので奪ってやると、、、
このままクルセリカ王が暗躍しても成功はしなかった
だが、そこに手を貸す者がいた。そう、アトムを陥れた神、名を【ヘリオシス】太陽を司る神である。
彼は、人が自身より信仰を得ることを酷く嫌った。
ルーク教なる物が神でもない者がまた人々の信仰の対象になり広がっている事に激昂しクルセリカ王に神託を
与え、力を貸した。
そして二つ目は巨人の魔王 ティタン
彼はかつてこの世界が始まる前の神達だった。
その記憶を植え込まれ生まれた魔王
神々に対する恨みを除けば温厚な魔王だが、
創造神 ゼウシスが世界に祝福をしたことにより
爆発 魔国の最果てより行動を開始した。
二つの影は他を混じり荒ぶりルーク達に
着々と迫り出す。
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次の日安らぎの中目を覚ました。
あぁ、この布団と枕売ってくれないかな?
ワルツはまだ寝ているみたいなので起こさない様に
風呂に入る。今日は何をしようかと風呂に浸かりながら
考えているとドタバタと音がする。
「こ、困ります!獣王様!!」
あぁ、嫌な予感が、、足音が俺の部屋の前で止まり
扉が開けられまた足音が近づいてくる
その音は風呂の前で止まり
「ルーク!入るぞ!」
ドタッと風呂に獣王が現れた。少しムカついた俺は
「はぁー。王だからって調子こくな」
結構な魔力を込めて威圧を放つ
「グルル、、すまなかった。部屋で待つ」
俺が気分を損ねたのがショックだったのかピンピンだった耳は垂れ下がり扉を閉めていった。
まぁ悪気はなかったんだろうね。服を着て部屋に行くと皆が集まっていて、朝食が準備されていた。
ん?並んでいる物は日本食か?
「ルーク様おはようございます。差し出がましいですが、私も朝食を手伝わせて頂きました」
「皆おはよう。そうなの?
じゃあ楽しみだね。食べよう」
やはり朝は米と味噌汁、海苔と焼き魚だな。
おいしい、、幸せだ。
獣王も黙って食べ始めた。時々喉が鳴っているから
口に合ったんだろうか。
「ごちそうさま。エル美味しかったよ」
「ありがとうございます」
「で、獣王がまた一人でどうしたの?」
「グルルッたいへん美味な朝食であった。感謝する。
そしてルークよ、先程はすまなかった。
昨日の話を聞き取り乱してしまった」
「謝罪を受けるよ。昨日の話って?」
「グルルッ惚けるでない。我の娘を救ってくれたのは
貴様だろう。ラーナを助けてくれて誠に感謝する」
そう言って頭を深く下げた。
はぁー、フォックって個人情報守らないの?
相手が国王だから隠せないのか?
「勘違いするでないぞ?ビストッセオのオーナーは口を開かなかったぞ。だが、あのゾーウを倒せる人族など
貴様しかいるまいて」
くっ!!
獣人は鼻が効くからなぁー俺が人ってばれるかぁ
「まぁ、その、成り行きで?」
「グルルッル。成り行きでゾーウを倒すか。。うむ。
我はラーナと一つ約束をしていてな、獅子族は子に試練を与えて育てるのだが、ビストッセオで100勝をあげることが出来たなら我と戦うことを許し、国を出ることを許可しているのだ。だが、貴様はゾーウを軽くいなした
気を失っていたラーナはそれがどうも信じられないみたいでルークと戦わせろと聞かないのだ、、
我もお前では勝てないと聞かせたのがな。もし負けたらその者の番になるからっと頼まれてしまった。
すまぬがラーナと戦ってくれまいか?」
いやいや、獣人は戦闘民族かなんかか?
「めんどくさい、俺にはもう相手がいるしね」
エルが頬を赤らめ
「嬉しいです。ルーク様、ですが私はルーク様の一番になれるならば二番、三番がいても構いませんよ?」
なにを言っているんだ、、
「悔しいですが、私は二番に甘んじますかね?」
さらっとアスラが言った。は!?
「おい、雌豚さらっと何を言っている?
ルーク様はまだお前に心を許していないと言うのに
ラーナとやらが二番になるかもしれないぞ?」
エルが悪い顔をしながらそう言った。
アスラは今にも泣き出しそうに
「そ、そんな!?ルーク様?私では駄目なのですか!」
駄目とかじゃないけどね。
ハーレム野郎になりたくないんだよな。
「駄目ではないけど、一夫多妻にはあまりいい感情がないんだよね?逆を考えると嫌なんだよ」
そこで獣王リオンが
「ガルルッルークはあおいの!我ら獣人は強き種を残すためならば何人も娶るなど当たり前だぞ?
疎かにするのは駄目だがな。殺されてしまう、、」
リオンは最後には顔を青くして震えていた。
疎かにして殺されかけたのかな?
「獣人と人は違うんだよ」
「ルーク様、エルフはあまり子を授かれません
ですから、、私としては、何人かいてもらったほうが
気が楽なのです、、」
あぁ、こんな事を言わせて最低だな俺は。
「そっか、考えてみるよ!
ワルツもアスラも森のみんなも俺にとってはみんな大事に思ってるから必ず守ると誓うよ」
「ワルもパパ大事〜!」
「い、今のはプロポーズですねっ!?
謹んでお受けしますわ!!」
アスラは聖女をやっていた時はお淑やかなイメージだったけど辞めた事により反動なのか暴走するな、、
「ゴホンっ!まぁなんだ戦うのはいいよ」
「グルル そうか、感謝する。今夜宴を開こうと思うので城からつかいをだすから待っていてくれ。して、ルークよ、つかぬ事を聞くが貴様は薬に詳しいか?なんでもラーナに特別な回復薬を与えたそうではないか?」
「まぁ一応薬師だからね」
「そうか、、、獣化を解く薬については知らないか?」
「ん?獣化を解く?分からないなどうしたんだ?」
「その、あのゾーウは我の友であったんだが、、
力を求めすぎるあまり獣化が常に発動し戻れなくなってしまったのだ。このままいくと【怪獣】になってしまうのだ、」
自分から発動しているわけじゃなくて戻れなくなったのか、で、怪獣ってなに!?
「そうなんだ、怪獣ってなに?」
「獣人とは獣の特徴を備えた人で先祖は聖獣とも言われていてるのだが、あまりにも獣に寄るとだんだんと戻れなくなり遂には意識がない暴れるだけの怪物に成る
それを怪獣と呼んでいるのだ」
「なるほど、、力になれるかは分からないけど
もう一度ゾーウに会わせてくれれば詳しく分かるかもしれないかな」
看破と神薬師の叡智で分かるといいけど。
「ガルルッ!?誠か!?宴より早めに城に来てもらっても良いだろうか?お礼とは違うがこれより我ら獣国は
ルークを国友として貴様の危機には全国力をもってして
助ける事を誓おう。この国で欲しい物があれば全て用意しよう。どうか、頼む」
リオンにとってゾーウは相当な友達だったのかな?
まぁ貰える物は全部貰わないとね!
「分かったよ」
「では、昼過ぎにまた!」
リオンは急ぎ足で帰っていった。
「ルーク様は獣王が気に入っているのですか?」
エルが聞いてきた。
「まぁ、良くも悪くも真っ直ぐだからねリオンは
手を貸してあげたくなるかな?」
友達ってのも懐かしく嬉しかったしな。
「そうですか、またルーク様が傷つかなければ幸いでございます。そんなことが有れば私は獣人共を根絶やしにしてやります!」
エルは優しいな。最後のは怖いけど、、
エルフと獣人は闇が深いのだろうか?
「ありがとうね、城に行くまで少し時間があるから町でもぶらつこうか!」
「「はいっ!」」 「ぶらつく〜」
ありがとうございました。