消沈
読んで頂きありがとうございました。
城へ戻りやはりまた、長い廊下を歩く
すれ違うメイドや兵士、騎士は頭を下げたり
敬礼をしたりする
皇帝陛下の後ろを歩く俺に
驚愕や嫉妬の視線が集まる。
まぁそうだよね、平民の男がこの国のトップと
一緒に歩いているなんてさ
俺もこんな事になるなんて思ってなかったよ。
しばらく歩くと、皇帝の間より厳重な警備が
してある扉についた。
「皆、ご苦労 かわりないか?」
「はっ!!皇帝陛下、異常ありません!」
「うむ。少し【パラム】と話す扉を開けよ」
女の騎士が前にでてきて
「陛下!その者も部屋に入るのですか!?」
「こやつは、薬師でな、、、パラムを診てもらうのだ」
「この者は、安全なのでしょうか?
誓約魔法をかけさせていただいてもよろしいですか?」
誓約魔法?
なにそれ!?
「うむ。あまりそう言う事はしたくはないのだが、
お前は良くしてくれている、良いかなルークよ?」
「えーっと、誓約魔法とは何でしょうか?」
すると、女騎士が
「そんなのも知らないとは、平民が!!
誓いをたてるのだ!
パラム様に危害を加えないと誓え!
もし加えようとしたら死ぬように
魔法をかけさせてもらう!!」
なるほど!!
でも、もし危害を加えようものなら
皇帝が先に殺りそうだけどね。
「いいですよ」
「ふんっ。【【誓約の神 オルコス】様
規律を守れぬ哀れな者に神の誓約をオルコシアス!】
おぉ!詠唱かっこいい!!
俺は光に包まれた。
光が収まると俺の首には白き線が一周してた。
「その線が黒く染まる時、お前の首は切断される
おかしな事はするなよ。ごほん。
陛下!お待たせして申し訳ありません。
パラム様にはお声をかけましたのでどうぞ
お入り下さい。それと、【リーシャ】様も
中におられますので」
「構わぬ。そうか、リーもおったか!
行くぞ、ルークよ」
ん?だれかな?娘?
中へ入ると、とても大きな部屋だった。
豪華に装飾され、ベットはキングサイズは
あるだろうか?
そこには2人の女の人がいた。
皇帝が
「パラムよ、体調はどうだ?」
「あぁ、陛下! 今日は少し、ましですわ
忙しいのに申し訳ありません」
「いいのだ。お前との時間は、何より大事だ」
「陛下ったら、、」
んー?なにを見せつけられているのだろうか?
昔、リア充爆発という言葉があったっけ?、、
「ごほんっ!お父様?そのお方は?」
やはり、娘さんだったみたいだ
金髪青眼でとても綺麗な人だが暗い雰囲気を
まとっている。
なぜか、何処かでみたことあるような気がした。
「ん?あぁ、こやつは薬師だ。パラムを診てもらうためにきてもらったのだ」
「そうなのですね。聖女様でも治せなかったのですよ?
もぅこれ以上、お母様に無理させないで下さい」
泣きそうな顔でそう言った。
「リー! 陛下が私のためにしてくれているのです
だから、いいのですよ。
薬師の方、今日はお願いしますわ?」
奥さんは、弱っていて髪も肌もぼろぼろだ。
でも、雰囲気はとても大らかで優しい。
「こんにちは?看破してもよろしいですか?」
3人に確認をとる
「頼む、、」「はい」「....。」
娘さんは黙っているが、いいか。
看破!!
パラムティア-ヴァン-ストレングス
【年齢】 38歳
【種族】 人族
【性別】 女
【Revel】 70
【職業】 風魔法師
【スキル】 細剣術.8 感知.max
【魔法適性】 風魔法.8
【称号】 風の暴君 暴れ姫
【健康状態】 呪病
称号がこの人に、似つかわしくないんだけど?
やんちゃしてたのかな??
しかも、強いな!
それでっと、呪病か、うん、分かんないな。
詳細!!
【呪病】
呪いの魔王の呪術によって生じたもの
長い期間苦痛と苦しみを与え
段々と身体を動かすことができなくなる。
この呪病は呪いと病の二つを同時に消滅しないと
決して消えない。
どちらか片方のみの消滅は症状を悪化させる。
解呪.完治させるには、呪い魔王討伐が最適
呪いは魂にまで届いており
エリクサーでも、この呪いは解けない。
うわー最悪じゃん、、
てか、段々と看破の説明が進化している気がする?
どうしようかな?
おい、ヴォイド。
(ん?どうしたのルーク?、、僕が必要なんだね!?)
んーまあね、魂に届いている呪いは斬れるか?
(もちろんさ!僕は原初の聖剣だからね!!
その呪術をかけたやつにも僕の刃は届くよ!
やっちゃう!?やっちゃう!?)
はぁーテンション高いんだよね。こいつ。
でも、まぁなんとかなると。。。
皇帝が
「どうだ?ルーク?、、パラムを治せるか?」
「そうですね、、治せるは、治せますよ?」
治すわけじゃないのか?
でも、斬りますとは言えないわな。
「 ッ!!そ、それは、誠か!!」
勢いよく胸ぐらを掴まれた。
すると、娘さんが泣きながら、悔しそうに。
「嘘をつくのは、やめなさい!!
今まで沢山診てもらい、だめだったのです!!」
奥様は黙って聞いている。
「多分、僕しか治せないと思います。
何処かで呪いの魔王と会ったのですか?」
「やはり看破は、何でもわかるのだな。。
10年ほど前にな、我とパラムで交戦した事があった。
奴に手傷を負わせ、撤退させたが、最後にパラム
を呪いおった。
それから解呪しようと色んな場所を巡ったが、
だめであった。そして、呪いだけでなく病にもかかっている事が分かり、薬を求めたが効くものがなかった。
エリクサーさえ見つかれば治ったやもしれん」
エリクサーでもだめだっていうね。。
「そうなんですね。僕が治します!
ただ条件があります」
「なんでも聞こう!パラムが治るなら
元気になるならば!この国さえくれてる!!」
いや、だめでしょ!!それは、、
奥さんが
「陛下。それはなりません。私などよりも
帝国民を幸せにすること。それが一番にございます」
「いや、そんな事ではなくて、パラム様が治った事に
僕は関与していない。
それと、2人きりにさせて下さい。
パラム様は僕がした事を誰にも言わない。
この条件をのんでいただければ、必ず治すと誓います」
「うぬ。お前には、誓約があるから大丈夫だとは思うが
何故2人になる必要がある?」
「僕は秘密主義者なので、出来れば誰にも
知られたくないのですよ」
「パラムよ、どうする?」
「私は、治るのであれば治して欲しいです。
皆に迷惑をこれ以上かけたくありません、、」
「お母様。。」
「分かった。ルークよ"頼むぞ"」
治らなかったら殺すって聞こえた気がするけど??
皇帝と娘さんは出て行った。
「パラム様、今からする事は治すためなので
心配なさらずに」
「ふふっ。どのみち最後のチャンスと思っていますわ
もう私は数日の命でしょう。お好きなように」
そう言って目を瞑った。
諦めか、覚悟か。
ぱぱっとやっちゃうかー。
ヴォイド!どうすればいい?
(ルークの魔力全部頂戴!!それで僕を振り抜けば
呪いの魔王もろとも斬ってみせるよ!!)
またあの気持ち悪さに耐えなきゃいけないのか。
ふぅ、深呼吸をして、全魔力をヴォイドに込める。
「いきます!」
顔も知らない呪い魔王さん、ごめんね?
「(辿りて消えろ エスパシオ ポシーバ」)
見えない刃がパラム様を通過する。
パラム様を看破すると呪病は消えていた。
エリクサーで体力を回復させようとした時
「なにをしておるのだ!!」
皇帝が我慢出来ずに入ってきたようだ。
ただ格好がまずかったのか
俺は他者からみると、剣を振り切った形をしている
刀身は無くとも、何かおかしな事をしていると
思われたんだろう。莫大な魔力も使ったし。
俺は城壁を突き破った。殴られたんだろう。
咄嗟にエリクサーを使わなければ、死んでいただろう。
あのくそ皇帝め、話を聞かないのは血筋じゃないか、
せっかく治してやったのに。
(なんだい、あの男は、解決してあげたのに
いきなり殺そうとしてくるなんて!!
やっちゃう!?ルーク!!)
やらないよ。面倒臭い
皇帝の気持ちも分かるけどさ
あの一撃は俺じゃなかったら本当に死んでいた。
なんか、がっかりしちゃったなー。
このまま少し世界樹の素材集めしようかな。
あの大樹がどうなったか気になるし。
薬師ギルドによって、サーシャさんとアルス達に伝言を頼み、その足で、毒魔の森に向かった。
ありがとうございました。