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闘技世界  作者: オレオ
4/9

強化

 こんにちは。オレオです。

 書けましたよ4話目。この前友達に「進むスピード遅くね?」って言われました。うるせぇ結構疲れんだよコレ。でも、見てくれてる方々がいるし、なんだかんだ楽しいんでヨシ!

闘技世界4話目、どうぞ楽しんで!

キィィエエエエエエエ!!!!」


 俺は星崎優斗。現役総合格闘家だ。ちなみにピンチなうだ。


「どうしよう…走って逃げる…?いやでもあいつの走力は人間の数倍はある……どうしようどうしよう…!!」


「そんなにやばいのか…んで、どうするよ。」


「それを今考えてるんでしょ!?あんたもなんか考えなさいよ!!」


 なんか考えろったって、戦う以外ねぇだろ。引くのが無理なら攻めるしかない。俺は戦闘態勢をとる。


「まさかあんた戦う気!?リトルゴブリンに勝ったからって調子に乗らないの!あんなのとは強さの桁が違うのよ!!」


「うるせぇなぁ…逃げても無駄なんだろ!?なら当たって砕けろ!一か八かでな!」


 俺はフットワークを最大に活かして最速で間合いを詰める。間合いに入る前に叩かれると思ったが、何もしてこない。すんなりと懐に潜り込む。

 

 ゴブリンの眼前に迫る。この距離ならいくら怪物でも俺の左ジャブには反応できないだろう。


 ジャブとは


 構えたとき、前手に来る拳で相手を殴ること。ストレートやフックほど腰を使わず、力を込めない、スピード重視の技。ボクシングや空手などのパンチが認められている格闘技では基本中の基本技。

 前述の通り腰を使わず、力みすぎない。手は若干、拳の握りを緩ませる。そうすることにより、パンチのスピードに脱力が加わり高速のパンチが打てる。


 これが、格闘技の基本中の基本。ジャブ。


 この距離なら!


 俺は思い切り前足を踏み込み、ジャブを放つ。が、次の瞬間、俺の考えが慢心だったことを知る。


 俺のジャブが取られたのだ。最速のはずの技が。

 額に一筋の汗がつたう。どこか冷たい、汗が。


 次の瞬間、俺は宙を舞った。

 放った左手を掴まれ、上に放り投げられた。


 受け身…!


 俺は受身を取り、ゴブリンとの距離を開ける。まずいな。これじゃ太刀打ちできねぇ。


 ゴブリンはこちらを向きながら不敵な笑みを浮かべている。


 すると、


 バン!


 目の前からゴブリンが一瞬だけ消えた。と思ったら、すぐに目の前に現れた。


 速い…なんてもんじゃねぇ…!


 ゴブリンの前蹴りが今まで体感した事の無いスピードで繰り出される。俺は数メートル吹っ飛ばされた。ガードはできた。ガードの上からでこれだ。


「グッ…ウォえ…」


 胃から迫り上がる血と吐瀉物を1度吐き出す。衝撃で目に見える景色がぐにゃぐにゃだ。立ち上がるのに精一杯だった。

 

 まずいな。


 太刀打ちできない所ではないようだ。俺のそばにアクアが駆け寄ってくる。


「『ライフ』!」


 魔法だろうか。アクアが何かを唱える。すると、体が淡く光り傷が癒えてくる。回復魔法か。


「やっぱりやめよう!逃げる策を考えるのよ!」


 それが一番得策なのだろうが、何故か俺はこいつに背を向けたくなかった。ここで背を向けると今まで戦ってきた奴らに合わせる顔がない。そう思ったのだ。二度と合わせられないかもしれないというのに。


 どうにかして考えろ。こいつに勝つ策を。勝機を。

 なんだろう、この感覚。懐かしいな。まだ俺が最強じゃなかった頃と似ている。どうやったら勝てるのか、何をすれば相手に効くのか、ここをこうすれば、あれをああすれば。

 我武者羅に、勤勉に、大雑把に、くそ真面目に頑張ってきた頃を思い出す。次第に楽しくなってくる。ピンチであればピンチであるほど燃える。そんな性格じゃないのに。

 そこで俺はふと、回復魔法を思い出す。回復魔法があるなら…バフ系の魔法もあるんじゃないか?


「アクア!バフ系の魔法ってあるか!?」


「一応使えるけど…まさかあんたにかけろって言うの!?」


「それしか手がねぇだろ。一か八かに賭けるしかない。」


「あんたは戦闘職じゃないの。だから体に魔法耐性がない。だから、回復系の魔法ならまだしも、体の機関を無理矢理操作するバフ系の魔法は、体が魔法の力に耐えきれずに爆発しちゃうかもしれないのよ!?」


「構わねぇな。こうでもしなきゃどちみち俺もお前も死ぬんだ。」


 俺は覚悟を決める。俺の真剣な表情が伝わったのか、アクアは折れてくれた。


「…わかったわ。そこまで言うなら、やるわ。」


「ありがとよ。」


 アクアは俺に右手を向ける。


「『パンプ・アップ』!」


 体が炎のように燃えているのがわかる。血液が血管の中をありえないスピードで駆け巡っている様子が思い浮かぶ。


 俺はゴブリンを睨み直す。まだ口の中に鉄の味が少し残るが、気ににならなかった。それより、この力を試したかったのだ。

 ゴブリンは俺の変化を察したのか、前傾姿勢に身構える。


 俺は歩を進め続ける。そして、間合い。


 踏み込めば、さっき当たらなかったジャブが当たる。そこからストレートにも繋げれる。ジャブを外した時には思いもしなかった、「ジャブのあとの展開」。そんなことを考えれるようになったのもバフ魔法のおかげなのだろうか。


 ニッと1つ、俺は笑みを浮かべる。その余裕さが気に食わなかったのか、ゴブリンは激怒したかのように豪腕を振るう。


 すると、途端にゴブリンの攻撃がゆっくりに見える。まるでスローモーション再生のように。

 きた。この感覚。試合の時にいつもなる現象。脳内麻薬が分泌され、β-エンドルフィンが、アドレナリンが、様々な物質が合わさることで起こる超常現象。バフ魔法をかけたおかげで脳内麻薬の分泌量が尋常じゃないのだろう。

 だが、これはあくまでも「ゆっくりに見える」という錯覚なのだ。だから、こちらもそれなりのスピードを出さなければ、見えたところで避けきれない。

 だが、バフ魔法がかかった状態の今なら話は別だ。


 横薙ぎに振るわれた豪腕をスウェイバックで避ける。


 「ここだ!」

 

 タイミングを合わせカウンターのボディーブローを喰らわせる。

 ゴブリンは声にならない声で悶絶し、次第に体が前に傾いていく。これでフィニッシュだ。

 俺は前に突き出したゴブリンの顔を右膝で脳天まで撃ち抜いた。

 ゴブリンは軽く宙に跳ね、ドサッとその場に倒れ込んだ。次の瞬間、ゴブリンはまた、光の粒子となり、俺の体を覆った。


「嘘……倒しちゃった………」


 その場にへたりこんだまま目をまん丸と見開いて俺を見つめるアクアに俺は、

 ニッとはにかんで見せた。

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