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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

dark shadow

dark shadow 番外編:闇の宝玉

作者: 酢酸カーミスケ溶液
掲載日:2020/01/02

明けましておめでとうございます。

正月特別番外編です。

ヘルティア王国の宿屋の食堂。

ここではいつも海賊やら旅の商人やらで賑わっている。

そして、とある5人の客も話をしていた。

「なぁ、カリム。」

「なんだい?」

「カリムってなんで魔王軍に入ってたの?」

カリムは額に手の平を当てて声を出した。

「あー、それは話すと長くなるんだよなぁ。」

「そうか。」

アストラルは諦めたような口調で知りたそうにしていた。

「教えて!」

アスカが強い口調で言い放つ!

カリムはそれに驚いて身を反らす。

「いやなんでそんなに怒ってんだよ。」

「魔王軍を裏切ったんでしょ?だったらいつか私達を裏切って魔王の味方したりし・・・。」

「俺が魔王の味方をしようとしても一度裏切った時点で処刑されるだろうな。」

カリムは真剣な眼差しでアスカを見た。

アスカは小声で謝った。

「でも魔王軍になぜ入っていたのかは気になるよね?」

「カルアまで、分かったよ。話すよ。あれは俺が子供の時・・・。」


「魔王軍が攻めてきたぞ!」

外で男性の声が聞こえてきた。

「お母さん!魔王軍が来たって!早く隠れないと!」

「そうね。」

家の窓を全て閉め、カリムはタンスの中に身を潜めた。

そしてしばらく口を突き破って飛び出しそうな声を懸命に押し殺してジッとしていた。

「ハハハハハ、この家には子供がいるのか?いるなら出てこい!来ないならこっちから引きずりだしてやる!」

そう魔物の声がした後すぐにカリムの耳に壺をたたき割る音が聞こえてきた。

それから間もなく魔物はタンスを開けた!

「いるじゃないか!一生奴隷として可愛がってやる!」

「やめて!」

母の声が聞こえてくる。

「ならいいだろう。貴様の命を捧げるならこの子を返してやる。だが死にたくないというならこの子は奴隷として永遠に働いてもらう!」

「お母さん。それって死んじゃうってこと?そんなの嫌だよ。僕が奴隷になる!」

「だめよ!奴隷がどのくらい苦しいか知ってるの?食事が与えられずに重い物を運ばされたり鞭で叩かれたりするのよ!そんなこと私がさせるわけないでしょ!」

魔物はニヤリと笑った。

「決定だな。貴様には死んでもらう!」

魔物は斧を投げつけた。

「お母さん!なんてことするんだ!コノヤロー!」

カリムは魔物に殴りかかる。

しかし、幼いカリムは簡単に魔物に押さえつけられてしまった。

「小僧のくせに魔王軍に歯向かうとは生意気な!奴隷にしてやる!」

カリムは体を鷲掴みにされ、魔物に連れ去られていく。

そのときをカリムの父は見逃さない。

カリムの父はその村では弓の名手で何度も狩りで活躍している人だった。

父は矢を放つ!

魔物の脚に矢が突き刺さる!

その周りにいた魔物が父の方に向かってくる。

「そうかそうか、そんなに命を捨てたいか!」

「違う。カリムは子供なんだ。」

「いいじゃないですか。子供が大事なんですからねぇ?」

バルティウスが現れ、そう言い放った。

父は拳を構えた。

「おっと、暴力はやめておいた方がいいと思いますよ?」

バルティウスは魔法を唱えた。

バルティウスの手の上に小さな心臓が出現した。

「この心臓はあの子供の命と連動している。少しでも動けばこの心臓を握り潰してやる。」

父の体はそう聞いた途端に動かなくなった。

「どうした?かかってこないのか?ならばこちらからいかせてもらうぞ!殺れ、バッドゴイル。」

バルティウスがそう言い放つとすぐにバッドゴイルは殴りかかる。

「フ、フハハハハハ」

「何が・・・おかし・・い!」

バルティウスは笑っている。

「子供のためにそこまで痛みを味わうのかよ!バカなやつだ!」

「子を思うのは・・当然のことだ!」

「そんなに思っているならいつでも見守れるようにしてやる。」

バルティウスの手から深紅に燃え盛る炎が飛び出す!

「カリム、・・・許して・・くれ、おまえを・・・守ることは・・・でき・・。」

「本当はあの子供の目の前でこれをやりたかったなぁ。まあいいや。後で知らせてやろう。」


カリムは脚を矢で射られたバッドゴイルに掴まれて知らぬ世界に連れて行かれた。

空は紅く、枯れ木や動物の骨がそこらじゅうに散らばっている恐ろしい世界。

黒い太陽が昇っていて、その中に何かの影が見えるような気がする。

それからまもなくカリムを掴んでいたバッドゴイルは力尽きてカリムは村にたどり着いた。

村の大人達は子供が迷いこんだことに驚いていた。

「こんな子供が魔界に連れてこられるなんて。」

カリムは見ず知らずの人々を怖がっている。

しかし、村の人々はカリムを受け入れ、世話をした。

それから5年。

魔王軍が村に攻め入ってきた。

13歳のカリムは空を埋め尽くす程の数のバッドゴイルを見上げた。

「魔王軍が来たぞ!」

その声に村の人々は一斉に建物に隠れた。

カリムは兵士の部屋に逃げ込んだ。

「ん?なんだこれ?えっと、分離弓?柄の部分を合体させて弓として使え、外すと二本の剣になる。え?強いじゃん!」

カリムは分離弓を手に取った。

そして、駆け足で外に出た!

「あいつどっかで···あ!奴隷にする予定だった餓鬼だ!今度こそ取っ捕まえてやる!」

バッドゴイルはカリムの方に向かってきた。

カリムは弓を引いて矢を放った。

バッドゴイルはその場に倒れた。

「こいつやりやがった!絶対に捕らえてやる!」

他のバッドゴイルは怒り狂った。

「この村の人々は俺が来た時に暖かく迎え入れてくれたんだ。俺はこの村を守り抜く!」

カリムは走りだした。

「弓一つで突っ込んでくるとは、飛んで火に入る夏の虫ケラだな。」

カリムは柄の部分を取り外した。

二本の剣でバッドゴイルを切り裂く!

「そんな馬鹿な!」

唖然とするバッドゴイルをカリムは容赦なく斬る!

「ま、魔王様に報告だ!」

「させるか!」

カリムは逃げるバッドゴイルに矢を放つ。

そして弓を取り外し、大気を裂く。

大気は刃となり、バッドゴイルを斬る!

「なんてやつだ。これ程の数のバッドゴイルを一人で。」

そのとき、ヘルヴァトスと名乗る者が現れた。

「なかなかやるな。その実力なら幹部になる可能性もあるだろう。魔王軍に入るかね?」

「ふざけるな!なんでお母さんを殺した奴らに味方しなきゃいけないんだ!」

「ならば強制だ!」

ヘルヴァトスは指で円を描き、邪悪な気を放った。

「うわあッ!」

カリムの視界を闇が覆う。

そしてそのあとに爆発する音と魔物が笑う声と村の人々の叫び声がわずかに聞こえ、それも薄れていき、意識は闇の中でさまよった。


「カリム、ごめんね。」

アスカは謝った。

「操られていたとはいえ、魔王軍であった以上人に迷惑をかけているのは当然だろうな。」

カルアが眉間にしわを寄せた。

「どうした?」

「どうやって裏切ったんだろうな。と思ってさ。」

「それは闇の中をさまよっているときに両親の声がしてさ。カリム、闇に負けるな!魔界で魔物と戦ったときを思い出せ!あのときおまえのことを見ていたぞ!たった一人で魔物に立ち向かう姿を見て嬉しかった。だから正気に戻って勇者と共に戦うのだ!その言葉で必死に闇に抗って魔王軍を抜け出してきたんだ。それで魔王軍を抜け出しす途中で闇の宝玉を手に入れたんだ。」

アストラルは光の宝玉を見て何か不思議な力があると推測した。

「カリム、両親のためにも絶対に魔王を倒そう!」

「ああ、よろしく。相棒!」

「立場逆でしょ。」

アスカの鋭いツッコミが入る。

「俺も兄の死因を探らないとな。協力してくれるよね?」

カイラはそう言った。

「きっと魔王軍に殺されたんだろうな。でも生きてるんじゃない?」

カイラは黙り込んだ。

「なんだよ、元気だせって、そこまで思える兄弟なかなかいないぞ。ってかみすけが言ってたな。」

5人は笑った。

読んでいただきありがとうございます。

本編もよろしくお願いします。

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