第9話 ここはどこ?
投稿が遅れて申し訳ありません。
間を置かず次の話も投稿するのでお気を付けください。
side:駿
光に包まれた感覚からすぐに地面の感触が足の裏から伝わってくるのを感じ、転生?し、"オロ"と呼ばれる星に降り立ったのだとわかった。
いつの間にか閉じていた目をゆっくりとあけ、
「うわぁ」
と思わず口から興奮や感動ではなく、落胆にも似た声がこぼれた。
目の前に広がる光景を確認すると、洋風の城の中と思うような空間にもかかわらず、明かりのたぐいは燭台にろうそくがともっているのみという、事前に聞いていた文明とはなんだったのかといいたいくらいの旧時代のような雰囲気が漂っていた。
明かりが十分ではないからか、薄暗いというよりは暗いと評したほうが合うような場所だったのだから、思わず口から洩れても仕方ないのかもしれない。
さっと辺りを見回すが、自分以外に人影はなく、どうやら翔ともはぐれてしまったようだ。
「あー、いやなるほど。 何にひっかかってたのかわからなかったけど、あのアナウンスが告げてたのはこういうことか」
送られてくる前に告げられていた言葉を思い出し、一人納得する。
同じ種族であれば武器を選ぶ際の説明で、『共に使用できる武器が同一の為、リストの提供を行う』というようなことは言わないし、与えるスキルも種族に依存するものだけであるなら共通のスキルとして告げられてもいいはずなのにそれもなかったことを踏まえると、どうやら翔とは別の種族に転生させられたらしい。
まだこの部屋から出てもいないので、100%そうだとは言えないが、同じタイミングで転移して、近くにいない。 アナウンスの違う種族ですと匂わせるような説明からも可能性は高いと思う。
「うーむ知り合いが一人もいない、周りに誰もいないっていうのは存外寂しいもんだな……。 まぁ、別れちゃったのは俺の確認ミスでもあるし、さっさと翔に合わなきゃだなぁ」
これからの動き方を考えながら、とりあえず部屋を見てまわる。
暗闇にも慣れてきたのか、種族的特性で夜目が利きやすいのかはわからないが、部屋の全体を見渡せるくらいには目が慣れてきた。
部屋の広さ的にはおそらく20畳ほどの広さで、本棚と、机にベッド、あと謎の機会が置いてあるだけの部屋だった。
おそらく客間にあたる部屋なのではないかなと予想を立てるが、窓がなく、唯一の出口は扉のみ。
しかも扉に近づいて耳を当ててみるも、外からは足音はおろか人の気配すら感じられない。
この部屋にずっといたところで何かが変わるわけではないので、外に出ようかと思ったが、現在の自分の格好がわからないのと、持ち物が何もないことに気づき、強盗のようで気は引けたがこの部屋にあるもので何か使えるがないものかを物色することにした。
部屋から見つかったのは、机の引き出しに隠してあった金色の硬貨が100枚ほどとどこかのカギ。
ベットの下には衣装ケースのようなものがあり、中をのぞくと燕尾服のようなものがあった。ほかにドレスもあったが着ないから放置。
それと引っ張り出した衣装ケースが置いてあった場所に不自然な凹みがあったのでそのあたりを入選に探してみると、何か細いものを入れて引っ張れば持ち上がりそうな場所を見つけた。
最初、部屋になにか棒のようなものはないか探したが見つからず、どうするかと悩み腕を組んだ時に視界に入った腕輪を見てひらめいた。
「アナウンス通りであれば武器を想像できるワードであれば登録されている形状に代わるんだっけか? ふむ,、じゃまぁひねりもなく"ショートソード"!」
すると右腕につけていた腕輪が一瞬のうちに剣に代わった。
漫画の主人公とかなら急に変化した腕輪の武器もきれいにつかむことができるのだろうが、あいにく俺は突然の変化と、姿が変わる光景に意識を持っていかれており、変化し終わった剣をつかむなんてことはできず、
ごすっ。
何にもつかまれることのない剣は哀れ、そのまま自由落下し、床へと落ちる。
「……おおう。 そっか変化させたら掴まなきゃそりゃ落ちるか。
しかしこの剣の厚さじゃ入り口に刺さるくらいか」
剣の厚さが思った以上にあったため、このままでは使えないなと思ったので、腕輪のもう一つの機能である形状変化を試してみることにした。
「えっと、ショートソードの定義内であれば変化が可能なんだよな?
なんかあったかな? あー細剣があるか、ならそっちをイメージしてと……」
剣を持ちつつ新しいイメージを流すと、先ほどとは違い一瞬で変わらず3秒ほどかけて形が変わった。
形が変わると、
<形状変化が完了しました。 変化登録用の名称の設定をしてください>
というアナウンスが頭の中に流れてきた。
いきなりのことで、驚いてしまったが、確かにアナウンスのほうでも形状変化に名称を付けることで形を登録して一瞬で変化できるようになるみたいなことを言っていたのを思い出した。
「あー、えっとじゃあ"細剣"で」
と、とりあえず作った形でもあったので、深く考えることもなくまんまの名前を付ける。
<登録が完了しました。 今後ほかの形状変化の際、同一の名称を付けた場合、今回登録した形は上書きされ再度設定しなおす必要がありますので、ご注意ください>
なるほど、つけた名前の一覧か何かを記録もしくは記憶しておかないと誤って必要な形状を消してしまう可能性もあるのか。
まぁ、そこまで複雑に形を覚えさせるのかっていう問題もあるけど、とりあえず頭の片隅にでも入れておけばいいか。
それよりもまずはこの隠し扉?を開けてしまおう!
凹みに細剣の先端を合わせ、てこの原理で持ち上げる。
剣の強度とかが心配だったが、刃こぼれや曲がることもなく持ち上げてくれた。
持ち上げた先に現れたのは、地下への階段だった。
地下空間が広がっており、倉庫のような扱いかもしれないと思い、慎重に階段を下りてみることにした。
降りた先にあったのは道のみであり、先がどこに続いているかがわからなかったので、散策はとりあえずせず会談を再び上り元の部屋へと戻った。
「さーて、ここにきて第2の選択肢が出てきたか。
つってもまだここがどこなのかわからない上に情報が足りなすぎるんだよな。
一応本棚にあった本から推測するに『暗黒大陸』らしいんだけど確証がないんだよな………」
さてどうしたものかと考えながら部屋をもう一度見まわす。
視界に本棚とその手前ぐらいに置かれている謎の機械が入り、そういえば機械の確認をしていなかったと思い出す。
機械に近づき、電源を探すも電源らしきものがなく、ついでにコンセントみたいに電源などを供給するための端子なども見当たらなかった。
「えーなんだこれ、骨とう品? ただの置物かなんかなのか?
うーんほかになんか手掛かりになりそうなマークとかあればいいんだけど……。
お?なんだこれ文字か? えっと何々、『手形』? 意味わからん」
とりあえず他に何かヒントになりそうなものがないかくまなく探すも、先ほどの『手形』という記載意義に記載らしきものやマークなどもなかった。
なので、『手形』という意味を考えることにした。
「うーん手形ねぇ……。 まぁ言葉通りだったら誰かの手の型をとったものを装着なり近づけるなりなんだろうけど、そんなものここにはなかったしなぁ……。
あとなんだろう、手形を取るとか? いやいや、粘土みたいな物もないのにどうやってとるんだよ」
しばらく考えても、手形をとるという発想からは現状この機会を動かすのは無理だと感じ、発想の視点を変えてみることにした。
「手形をとるんじゃなくて、手形から何か情報を得て起動させるとかか? 指紋認証じゃなくて手形認証とか?
だとすると起動できるひとが限られるけど、まぁここが研究所とか研究施設的な位置づけであればわからなくもないか。
あー、そっか信託の石板みたいな感じで、特定の波長か魔素か何かを持つ者だけが起動できるっていうのもあるか。
ん?魔素で起動? いや、まさかな……」
思いついた思考方法を試すべく機械へと手をかざしたところでふと考える。
(あれ? 魔素ってどうやって流すんだ? ていうか魔法を使うからには魔素の要素をしっかりと把握しておかないとやばいうえに、ラノベとかでよく出てくるサーチ系って魔力とかそういったもので判別してるんだよな? 今の現状が制御できてない状態だと仮定すると魔素とかって駄々洩れってことだよな? そうなると、もし部屋から出て人に見つかって追いかけられるとかそういう状況になったらかなりまずいな。 何か本でそのあたりのことを書いてあるのないかな……)
こちらに転生してくる前にアナウンスで告げられていた、ほか種族よりも多い魔素を保有するという事実があるので、魔素の流れをコントロールして、外部に出る魔素かもしくは感知される魔素をどうにか抑え込むなどができないとまずいのではということに気づく。
もともと、|盗賊≪シーフ≫よりの武器を選んだため、相手に感知される情報は少ないほうが良い。
機械をの起動をいったんやめ、本棚に魔素関連の本がないかを確認する。
しかし、魔法を使う際の手順書的なものは見つかったが、残念ながら魔素に関する本は見当たらなかった。
ただ、魔法を使う手順の中に、『魔素を練って、必要な魔素量を注ぐことで発動するのが魔法である』という説明が冒頭にあり、ようは気とかそういった概念に近いものなだということに気づけたので、誘置く試してみることにした。
やり方は、自身に流れる血管が指先などの末端に流れるのを意識する。
すると、体の中に今までなかった感覚に気づき、それをより強く指先へ集中させるよう意識する。
次第に指先が淡い光をともし始め、それが魔力なのだということを理解する。
「なるほど、この流れを身体で回すことを意識して、外に流れる量を抑えればいけそうか?
でも体内の魔素量を確認されたら一発でばれるか……。
まぁそこは何かしら方法を探っていくしかないな。
それよりもせっかく魔素ってもんがわかったんだから、あの機械に魔素を流したら起動するか試してみよう」
機械の『手形』と書いてある場所に掌を当て、田野平から魔力が流れていくようイメージする。
すると機械が淡い光を帯び始め、ブゥンという音ともに起動し、透過パネルのようなものが浮き上がった。
「お、これが正解なのか。 えっと何々? ライブラリとツール?」
そこに表示されたのは『ライブラリ』という文字と『コード』という文字だった。
試しにライブラリという文字に指を合わせると、ピコンという音とともに画面が切り替わり、新たに『ジャンル』という文字が現れ、歴史や魔法といった項目が20ほど表示され、その項目の横におそらくジャンルの件数である数値が書かれていた。
「全部で130ほどか、少ないな。
というよりこれ検索してどうするんだ?
本が転移されてくる?
情報が表示されるとかかな?
場所を示せばそこにありますよ的なことになるか」
どのような結果になるにせよとりあえず足してみなければわからないので、とりあえず今一番欲しい情報であろう世界を選択する。
すると、おそらく本のタイトルか情報の項目であろうリストが表示され、それぞれの横にチェックボックスが表示あり、触るとレ点がついた。
そして、リストの一番下には『実行』の文字があり、首をかしげる。
この場合であれば確定とかではないのだろうかと首をかしげるも、今考えたところでわからないので、すべてのチェックボックスにレ点を付け、実行を押した。
すると、頭の中に何かが流れてくる感覚があり、しばらくするとその流れも止まった。
画面に目を移すと、『完了』の文字が現れており、今起きたことを理解する。
「なんつー便利な……。
これが日本にあればなぁ、テストや勉強なんていらないのに」
先ほどレ点を入れた情報が直接頭の中に刻まれたことを理解して、元の世界にも同じようなものがあればとため息を一つこぼす。
それとともに、先ほど本棚から本を抜き取って読んだこと自体が無駄な行動であったことに気づきため息が合わせてこぼれる。
「んーするとこの130冊ほどの情報から必要なだものだけ全部詰め込むのがいいのか。
んじゃ次は何にするかな?
そーいや最初に表示されていた『ツール』ってなんだ?
これがあっちの機会と同じ感じなら、音量だったり言語だったりの編集なんだろうけど、直接頭に流れる機械に対しての設定ってなんだ?
さわってみりゃいいか」
情報が手に入ったことにより、幾分か余裕が出たこともあり、好奇心を満たすために再度機械を操作する。
機械の最初の画面に戻り、『ツール』のボタンを押した




