転勤日和な遠距離恋愛(4月4日)
日比谷花壇によれば、トリテリア(ハナニラ)。
花言葉は『耐える愛』です。
https://www.hibiyakadan.com/hanakotoba/m04.html
最初から、色々な事に耐えなければならない事は分かっていた。
私も彼も、頻繁に転勤をする仕事をしていて、二人とも自分の仕事を誇りに思い大切にしていたから。
私が日本にいるとき、彼はアメリカにいた。私がフランスにいるとき、彼はイタリアにいた。このように、国レベルの遠距離恋愛を続けていた。
私たちが一緒に暮らせるのは、バカンスにしている春の一か月くらいのもの。
私たちが出会った、長くて短い一月だけだった。
その日も、朝起きた時には、もう彼はいなかった。
部屋中に残る彼の匂いと、外と中に残る液体の残滓。
バカンスでない時は、たとえ休暇が重なっても、『ヤる為だけ』のデートとなる事が多かった。
30になるまでは避妊していたけれど、それからは生でヤるようになって……。
まだ、子供が出来ているような兆候はない。
子供が出来たら、彼と一緒に暮らす事ができるだろうか。
ただ共に過ごす為だけに、今の仕事を辞める気にはなれなかった。
浮気を疑う訳じゃないけれど、それでも起き上がってくる不安。
仕事の愚痴をSNSで言いあったりせずに、ただただ抱きしめて欲しかった。
辛くて、寂しくて、それでも耐えるしかなかった。
だって、家族になる幸せよりも、恋人として仕事も頑張る誇りを、選んだのは私なんだから。
今回は、子供が出来ただろうか。
次のバカンスは、夫婦として過ごせるだろうか。
子供の名前なんて、男女ともに何個も考えた。
それを全部使いきって、また考えないといけないくらい、子供が出来たら良いなとも思う。
だけど。
子供が出来たら出来たで、今度は仕事が出来ない事に耐えなければいけない。
ふと目に入ったトリテリアの置物を見て、確かにその通りだなぁと苦笑いするのだった。
Wikipediaとか見て、ふと浮かんだ話にしました。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%83%8A%E3%83%8B%E3%83%A9




