ニセモノでホンモノな(4月9日)
日比谷花壇によれば、ウォールフラワー(ニオイアラセイトウ)。
花言葉は『熱愛』です。
https://www.hibiyakadan.com/hanakotoba/m04.html
僕が彼女と出会ったのは、メイドと駆け落ちした主家令息の代役としてだった。
僕は妾腹とはいえ、一応は主家の血を引いているし、容姿も似ていたから。
家同士の繋がりの為に、この縁談を無くせないのだと、そう言われては拒否する事も出来なかった。
そして、対外的には見習い執事(僕のことだ)とメイドが退職しただけという事になり。
その日から僕は、ただのオースティンから、エドガー・エリシマムと名乗る事になったのだ。
初めて彼女――マーガレット・ケイランサスに会ったとき、可愛い女の子だなというのが第一印象だった。
綺麗な金髪に碧の瞳。自分と同じ色彩の筈なのに、鏡でみる自分とは大違いな煌めきを持っていた。
胸も大きいと言える位はあり、思わず視線をやってしまい、慌てて目をそらす。
そんな僕に微笑んでくれる彼女は、ありふれた言い方だけど、まるで天使か何かのようだった。
婚約者として仲を深めていく過程で、嘘をついている事が心苦しくなってくる。
そんなある日、僕は彼女にある秘密を暴露される事になった。
奇しくも、僕たちは同じだったのだ。一目惚れして、言われた時は渋々だった代役が、運命だと思うようになり、罪悪感を感じていたところまで。
僕の本名は、ただのオースティン。
彼女の本名は、ただのアンナ。
二度と名乗れないそれは、二人とも代役だという事実は、僕らだけの秘密。
結ばれる為には、墓場まで持っていく必要のあることだった。
駆け落ちした本当のエドガーとメイドや、本当のマーガレットと庭師だった青年が、今どうしているのかは分からないけど。
僕たちを出会わせてくれた彼らの人生が、少しでも良いもので有ればいいなと思う。
そして、僕たちも幸せになるという想いとともに、そっと口付けを交わしたのだった。
書いた時点では、Wikipediaの記事は無かったので。
ウォールフラワーの花言葉・誕生花Wall Flower
http://chills-lab.com/flower/u-a-02/
を参考にしました。




