【百合桜】第15話『最初で最後の』(4月7日)
難しいです(´・ω・`)
【島崎 桜】
千歳を『守りたい人』だと、『守る相手』だと思っていたのに。
中学の時だって、言い寄ってくる先輩に怯えていたというのに。
あの先輩と違ってゲスでは無いけれど、あの先輩よりもずっと強い気配を放つ相手に、本気の殺気を放つ父相手に、それでも私を守ろうとしてくれた。
私はとっくに諦めて、抵抗出来ないものだと思っていた威圧に、震えながらも抗う千歳の姿に、私は――。
【桜川 千歳】
その殺気に、動けなくなった身体だけど。目に見えない刃を、首筋に突き付けられているみたいだけど。
それでも、無理やりに口を動かす。殺される訳がない、そう自分に言い聞かせて。
しまちゃんは、この重圧をいつも浴びていたんだ。その苛立ちをも、力に変えて。
「どうして、どうして、『守る』か『守られる』の二択なんですか。 どうして、『守りあう』が無いんですか!」
声が震える。あり得ない未来予想が、私を縛り付ける。
「おじさんは、確かに強いかも知れない。頭だって良いかも知れない。でも、おじさんだって身体は一つだし、一人の人間じゃないですか!」
だけど、ここでは引けないから。
「私は、しまちゃんが好きです。誰にも渡さない。だって私たちは」
――そこまで言った時、しまちゃんが私の左手を握って、こう言った。
「ありがとう、千歳」
驚いて振り向いた時、しまちゃんは潤んだ瞳で、素敵な微笑みをしていた。
そしておじさんの方を向くと、ハッキリとこう告げた。
「最初で最後の我が儘よ。生きる道も、進学先も、交友関係も、皆言う通りにしてきたわ。だけど、これだけは私の意思を貫かせて貰う。だって――」
瞬間、しまちゃんの手に力が込もって、私は声を揃えた。
「「私たちは、二人で生きるって決めたから」」
ピッタリと揃ったその言葉が、なんだか誇らしかった。




