表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/38

【百合桜】第10話『二人の気持ち』(4月7日)

島崎(しまざき) (さくら)

 少しの間、沈黙が続いていた。理解が追い付かなかった。

 まさか、『そういう好き』だと言ってもらえるなんて、思っていなかったから。

 痛い位に抱きしめてくる千歳の頬は赤く染まっていて、私の顔まで熱くなってくる。

 全身から伝わってくる体温に、胸の鼓動が高まっていくのが分かった。


 だけど、受かれるのはまだ早いわね。

 状況は何も解決していないし……想いの強さとか方向性とか、そういうのも有ると思うから。


「『そういう好き』って……例えばキスしたいとか、その、もっと凄い事もしたいって事なのよね?」


 期待も有って、こんな聞き方をしてしまう。

 想いの形が違ってたらとか、考えていたというのに。

 千歳の顔も見れなくて、つい、私からも抱きしめ返す。

 温かくて優しくて……ずっと、このままでいたかった。

 ちょっと苦しい位の彼女の抱きしめも、嬉しくて仕方がなかった。


「……うん」


 少し経って彼女がそう言った時、私は思わず、というか自制出来ずに、押し倒してしまう。


「し、しまちゃ――んんっ!」


 我慢出来ずに、唇を奪う。口づけを交わし、そして、舌も。

 がっつくようなキスをしてから、言うべき事を言ってなかった事に気付いて。


「私も好きよ。 千歳以外なんて、絶対あり得ないわ。私がこういう事をしたいのは、して欲しいのは貴女だけよ!」


 そして、私たちの関係は、大きく変わる事になった。

 親友から、恋人へと。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ