【百合桜】第07話『ごめんなさい』(4月7日)
【桜川 千歳】
しまちゃん
@ちとせ
ごめんなさい。しばらく、Twitterも出来なくなると思う。
そのリプライを最後に、しまちゃんのツイートは止まってしまった。
何度かリプライもしてみたけど、応答なし。
電話もしてみたけれど、電源が入っていないみたいだった。
「どうしてよ、しまちゃん……」
あの日、控室に戻るときの、どこか浮かない表情が思い浮かぶ。
準優勝は快挙だと思うんだけど、なんでそんな顔をするのか分からなかった。
ただ一つ分かるのは、何か良くない事がしまちゃんの身に起きているということ。
何か出来る事が有ればと思っても、何が出来るのか分からなかったし、下手に動いて良いものかも分からなかった。
「会いたいよ、しまちゃん」
ただ忙しくて、絡めなかった日々よりも、強くそう思う。
Twitterもダメ、電話もダメ。親友なんだからと家まで行ってみたりもしたけれど、誰も出てくる事はなかった。
そんな日々が数週間続いたある日、家のチャイムが鳴った。
誰かと思ってインターホンを見てみると。
「ッ!?」
そこに有ったのは……汗だくで息を切らせた、しまちゃんの姿だった。