【百合桜】第04話『SNSを始めました』(4月7日)
【桜川 千歳】
「SNSとか言うの、やってみない?」
彼女がそう言った時、私は一瞬、その意味が分からなかった。
「え? え? ちょっと待って、何でメールじゃなくて、SNSなの?」
「メールだと、ついつい長文になっちゃいそうだからよ。まだ打つの遅いから、合間合間に短文で語れるSNSの方が良いと思うの」
「短文メールをちょこちょこくれても良いよ?」
「嫌よ。一人言を見られるのと、適当なメールを送るのとじゃ、違うから」
「っ!」
しまちゃんは真面目だし、責任感も強いから。
部活に勉強にと忙しいのに、ちゃんと私の事も考えてくれてる。
そう、自分に言い聞かせる。
だって、『嫌よ』と言った時の拗ねたような表情が、とても可愛くてドキドキして、勘違いしてしまいそうになるから。
違う。彼女のそれは。あくまでも、『親友』に向ける感情なんだから。
「それで、千歳のオススメは有るかしら? クラスメイトや部の先輩に聞いてみたりもしたのだけど、TwitterとかLINEとか、Facebookとか色々有って、どれが良いのか分からなくて」
「だったら、Twitterが良いと思う。私はFacebookはやってないし、LINEは課金要素が有るからね」
『それでさ、』と思わず身を乗り出して続ける。
「それでさ、私ももう一個アカウント作るから、鍵アカ――非公開アカウントで相互フォローしない? ほら、リアル特定とか怖いしさ!」
リアル特定とか怖い。それは本当のことでは有るけれど、それだけじゃ無かった。
しまちゃんの呟きを、一人占めしたいという、独占欲。
私が一番、彼女を知っているという優越感。
そういった、彼女には知られてはいけない感情も、そこには有った。
「――そうね。それじゃ、アカウントの取り方教えてくれる?」
「もちろん! 私の新アカも今作るから、鍵アカ設定とかもやっとくね!」
「えぇ、お願いね」
『しまちゃん』と『ちとせ』、普段の呼び名を名前に設定。
そのままローマ字にしたIDは使用済みだったので、少し捻ったものをユーザー名に設定した。
「これからもよろしくね、しまちゃん!」
「勿論よ、千歳」
しまちゃんが、SNSを始めました!
ふと気になって調べてみたら、一般人でもTwitter広告は出せるっぽいですね。
Twitterの広告は全て、広告代理店が出してるものかと……。
僕は知りませんでした(この話を書いた後に知りました)。
まぁ、普通は使わないと思うので、千歳も知らなかったという事で。
LINEは僕の持ってる端末が既に非対応なので、やってませんが。スタンプとか色々と課金要素が有りますから。
というか、よく知らないので、LINEは現時点では描写しづらいという……。
TwitterはVitaとかでも制限は有りますが出来ますし、スマホでもアプリが現役なので以下略。
尚、実在のIDと一致したらまずいですし、その為に取得するのもなんなので。
次話以降では『@しまちゃん』『@ちとせ』という感じで行きます。
ひらがなは現時点ではIDに使えないですからね。