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世界が滅びる3日前

作者: 大和 皐

短編なので、気を楽にしてお楽しみください。

「この世界にいる皆さん、聞いてくれ!」


突然、頭の中に声が響いた。多分この世界にいる人は一同に驚いたでしょう。この声の発生源にいるモノ達を除いては―――


「皆さんの期待に応えることはできなかった…あと3日で世界は滅ぶ…すまない」


多分、これを聞いて冷静でいられる人はそういないでしょう。

さて、皆さんは世界が滅ぶと告げられたら何をしますか?

「大切な人のそばにいる」「好きなことをする」「何もすることもなく死ぬ」「犯罪を犯す」

答えは、人それぞれなのですから――


この状況では、人はこれらの事をするでしょう。現に、これを聞いて、皆は絶望し、騒ぎになっていたのですから。


さて、この声の正体とは一体誰か。俺は知ってるんですよ。この世界の大抵の人も知ってるんです。


1か月前、ある密偵から情報を掴んだ国は、国家騎士の精鋭、冒険者ギルドの英雄クラス、魔導師ギルドの大賢者クラス、これら総勢50名を率いて魔王の討伐あるいは、和解を求め暗黒領へと率いた人物。


そう、勇者である。勇者の認知度は高いのです。原因はおそらく、これにあったのでしょう。


勇者とは、世界が良い方向や悪い方向のどちらかに動く時、神様が気まぐれで選び、能力を与られた人のことをいいます。その人選は国の騎士、盗賊、冒険者、魔導師、あるいは盗賊、農民といった具合に適当なのである。

天才が選ばれることもあれば、ポンコツの場合もあります。


今回の勇者は冒険者から出ました。それもそこそこ、実力のある者でした。神様は何を血迷ったか、この勇者はポンコツだったのです。

ポンコツだからって悪いヤツではないんですよ。仲間思いであり、仲間の緊張をほぐすためにジョークを言って笑わせる事もあったんですから…何を考えてるか分からない事もありましたが……


このような性格だったせいでしょう。

結局のところ、魔王討伐は和解というカタチで終わったんです。死者出なかった事も幸いでしょう。世界全体に危険は去ったと、念話で世界の人達に回線を繋げたのです。これが、俺の仕事です。その時、勇者は俺に言ったのです。


「私が連絡した方が皆さんも安心すると思います―――知名度高いですし」


最後のは余計なお世話だと流しつつ、それには賛成しました。これも原因のひとつなんでしょうね。そして、勇者と世界の人達を念話で繋げる直前――


「やっぱり、ジョークとか言って皆をなごました方がいいですよね」


えっ……ちょっと待てと、しかし、回線は繋がってしまった。


「この世界にいる皆さん、聞いてくれ!」


始まってしまった…頼む変な事は言わないでくれよ…そう願うしかなかった。


「皆さんの期待に応えることはできなかった…あと3日で世界は滅ぶ…すまない」


ちょっと、それ笑えませんよ。皆本気にしちゃうから―――振り向くと、この場にいた総勢50名+魔王御一行は口を開けて固まっていた。


さて、この世界はどうなったのだろうか………

さて、世界はどうなってしまったのでしょう?

皆さんの想像力が問われます。


感想などに、↑を書いていただけると幸いです。

ありがとうございました。

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