異世界召喚は禁止。強行した結果が…
いつもありがとうございます。
あるとき、突然異世界からお招きを受けた。
そう、最近話題の異世界召喚だ。
テンプレートのように、召喚師から王城の一室に召喚。
国の王族・貴族から"勇者"と呼ばれ魔王討伐をお願いされ、召喚直後・しかも何も持たされずに問答無用で討伐に向かわされた。
実は、王族等には何も言っていないが、召喚直後、王城に出現する前の刹那の時間に、『管理者』と名乗る光球体から、いくつかの能力をもらった。
相手が持つ能力の全てを複写し、自分の能力に統合するもの。【重複は、加算】
相手を倒せば、能力の全てを取得できる。【複写と合わせると2倍になる】
始めから取得している各能力を、修練なしで使える能力。【能力使用無制限】
全言語取得。【人だけではなく、動物、魔物、植物…星とかも含む】
最後に、目的を達成したあとに1回だけ、魔力を1万倍にする能力【魔力瞬間超増幅】
光球体は、これらの能力については、常に隠蔽が働いていて、能力が他の人にばれない。
と話し、光球体なのに、なんだかニヤニヤしている感じがしていた。
「お姉ちゃんが、ここまでサービスしたのだから、しっかりやりなさいよ。」
***
召喚から、約1年が経ち、魔王が住む魔王城までやってきた。
それまでに取得した能力は膨大なものになり、能力の熟練度もかなりのものになった俺は、魔王が誰だかわかったので、お願いをした。
魔王は、そのお願いを快く受けてくれた。
「お兄ちゃんのお願いだから…」
***
盛大な記念式典が行われることになり、討伐の感謝を込めて、前の世界に戻ることはできないが、何か1つだけ、望みを叶えてくれることになった。
そこで、俺は、こう言った。
「召喚されたときに、残してきた姉妹を召喚してほしい。」
召喚師たちは、必要な魔力が集められないと言っていたが、俺の魔力を提供することで、話がついた。
そして、俺の希望で王城の近くの荒地にて召喚が実行されることになった。
召喚儀式が始まり、召喚の状況をこっそり確認しながら、【魔力瞬間超増幅】能力を使用して、とてつもない魔力量にして、召喚儀式に強制介入して超巨大な物を召喚した。
もちろん、召喚したのは、俺が住んでいた街…島そのもの。
他からの資源供給を受けなくても居住に問題なく、島全体を核攻撃にも耐えうる不可視シールドで防護していることから、シェルター島と呼ばれている。
その島、そのものを…
突然、召喚儀式のコントロールを取られ、呆然としている召喚師。
召喚物が出現するにつれ、あまりの巨大さに腰を抜かした王、王族など
辺りが騒然となっているうちに、取引相手の魔王が島から降りてきた。
取引したのは、島の住民への召喚前の説明だった。
光球体が突然出現し、召喚師に接近。
そこにいた全員に聞けるような形で、
『異世界召喚は禁止と何度も言ったのに、それに従わないから、あなたたちを直接監視、指導する方々をお呼びしました。みなさん、召喚当時の勇者なみの能力をお持ちですので、接する際は、注意してね。』
まぁ、勇者も魔王も私の身内だから、なにかあったら国そのものを潰すから…を、匂わせる感覚を王だけに分かるように与えて、光球体はその光を消しつつ、俺の召喚時と同じように、俺の横に、妹姉がその時そのままの服装で出現した。
"管理者(姉)"、"勇者(俺)"、"魔王(妹)"、"島のみんな(召喚時の勇者級)"、さて、楽しい日々が始まりそうだ。
短編でした。
(当初の予定の短編は、設定が膨らみすぎたため、再設定中)
できましたら、評価の方もよろしくお願いします。
***
これも"共通世界設定"を使ったものです。
『管理者』という部分が、その設定の一部。
世界そのものを管理・監視する者たちを指します。
管理者の下にいるのが、神々や魔王など。
今回は、神々は出ませんでしたが、"身内"の妹がいたりして…
なお、召喚元の世界は、島ごとに特色がある上に、地球のような地域をまとめた国家機関は存在せず、島ごとに独立した形です。
島の住民は、基本的に寛容な人たちです。