表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/49

菜実 1

ひまわりの咲く季節。

手に持つボウルのヒンヤリとした感覚が気持ち良い。

その中でプルリと揺れる豆腐が面白かった。

こぼさないように気をつけながら少女は通りを一気に駆け抜けた。


「お母さんお母さん!大変っ!堺さんとこの通りにね、着物着たすごい大きな歩くネズミがいたの!」

開けっ放しのドアから少女、もとい菜実はドタバタと家の中へ入る。夏の日差しと真昼の熱気とを背負って汗だくになっていた体に、縁側から入る風が心地良い。


菜実の暮らす、本田家にはクーラーがない。それ以前に、本田家のある神坂村(こうさかむら)は役場くらいにしかクーラーのある場所が存在しない。

神坂村は山深い所にある小さな村だ。元はマタギたちの仮屋が立ち並んでいた場所だったと、菜実は学校で教わった。


「菜実、化け物だか何だか知らないけどおバカなこと言ってないで、早くそのお豆腐持って来て。」

「本当のことだもん。」

母、香代に豆腐を手渡しながら菜実は少しむくれる。

「はいはい。分かったからその汗だくの服、早く着替えてらっしゃいよ。そうしたらお昼にしましょ。」

はぁい、とこもった声をあげながら、着替えの為に菜実は2階へと上がっていった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ