第105話
5-19 戦いの終わりと闘いの始まり(105話)
「はいっていい?」
扉の前で真に入室の許可を求めてきている。
真的にはすぐにでも聞きたいことはある。だが、今の状況ではまともに会話ができないことも目に見えている。
しかないので真は断ろうとした瞬間であった。蒼空の後ろからさらに声が聞こえてきたのである。
「ちょっと真。いれなさいよー」
声を掛けてきたのはレイヤであった。扉の向こう側なので初めから蒼空と一緒にいたのか今着いたのかは定かではないが。
レイヤまでいると余計に入れたくなくなった真はすぐさま断りを入れる。だがそれで納得してくれる二人ではなかった。
「いいからいれなさいよー」
「いれて」
どうも二人になったことにより更に中に入りたい願望が強まったようにも感じる。しかし、真は断固として入れようとしなかった。
(そう。どうやっても入れたくないわけね……それなら)
しびれを切らしたレイヤが強引に入ろうと何かをしようとした時であった。
「ダメだなお嬢さん方。真は今はあんまりいい状況と言えないから無理に入ろうとするのはお勧めしないな」
扉の向こう側にもう一つ声が増える。優志であった。
優志の言葉に心で感謝しつつも優志の行動に多少の疑いを向ける。だがそれもすぐにきゆうのものになる。
(何疑っているのよ。どうやらこの人は本当に心配しているみたいだよ)
レイヤからすぐに教えてもらい真はレイヤと優志に心の中で感謝をする。
扉の向こうでは優志に説得されたのであろう蒼空とレイヤが去っていく。
「これは貸だからな真。とりあえずゆっくり休めよ」
それだけを言い残し優志も去っていった。真は余計なことを言ってくれると思いながらも、優志の言葉に素直に従うことにした。
そして、真は数分としないうちに意識を手放すのであった。
◇
「蒼空ちゃんは真に何の用だったの?」
真の部屋の前から去っていったレイヤと蒼空が歩きながら話していた。
「レイヤには関係ない」
「なんかつれないね蒼空ちゃんは」
「レイヤこそ真に何の用?」
「蒼空ちゃんが教えてくれたら教えてあげるよ」
「…………」
蒼空がだんまりを決め込むとそれ以降二人は一切話すことなく歩いていくのであった。
そんな二人の様子を後方から見ている人物がいた。
優志である。優志は顔をにやつかせ二人を見つめている。
そしてぼそりと呟く
「真のやつもなかなか……それなら……」
誰にも聞こえ無い様な呟き。まあ周りに人がいても聞こえないぐらいの呟きであるが。
優樹は終始顔をにやつかせ二人の後を歩いていくのであった。
◇
そんなことは露も知らない真はソファーで寝息を立てて寝ているのであった。
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