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神様からのいらない贈物  作者: ケンケン
戦いの終わりと闘いの始まり
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第98話

 「これでおわりだ」


 マウントのポジションをとった真が優樹に対して言葉を投げかける。

 真は間違いなく決まったのを確信したのであろう。その表情からは自身がありありと浮かべている。


 だが、マウントをとられたはずの優樹の表情は違っていた。

 マウントをとられれば大抵の人間はそこから逆転などできるはずはほぼほぼ無い。だからこそ絶望までとはいかないが表情はすぐれないものになるはずだ。

 しかし、優樹はマウントをとられたのにもかかわらず薄っすらと笑いを浮かべたのである。


 真は優樹の表情に引っ掛かりを感じたものの自分の優位には変わりないと思い攻勢にすぐさま転じることにした。


 マウントの上をとっている真は優樹の顔面目がけて拳を打ち込む。

 優樹の方も顔はしっかりとガードをしているようで決定打となる様な打撃を受けないようにしている。


 何度も拳を叩き込む真だがそのすべてをしっかりとガードされてしまっている。だがその状態でも拳を繰り出していけばダメージは蓄積されていく。

 それをわかっている真はガードなどお構いなしに何度も何度も拳を叩き込む。


 時折、優樹の腹や脇腹などにも拳を放っていき意識を顔面の方からそらせようとも試みるが、優樹は頑なに顔面のガードからは外そうとしない。


 埒があかないと感じた真は攻撃の主点を顔面からお腹の方に変えることを決断する。


 だがその決断が真にとって良くない方向にいってしまうことになるとはこの時点では思わなかったであろう。


 攻撃の割合を今までは顔面八、お腹二の割合でおこなっていたのを全く逆の感じにシフトしたのである。

 それにより優樹の顔面に対するガードの割合も減ることになる。


 攻撃の視点を変えてすぐの事である。


 真が優樹の脇腹に対して繰り出したフック気味の拳を優樹は突然掴みだした。掴まれた真はすぐに振りほどこうと掴まれた腕に力を込める。


 その瞬間であった……


 真が力を込めた瞬間、振りほどこうとした腕の反対側も掴まれる。そして、引き抜こうとした力の方向に対して反対側の腕もその方向に向かって引っ張られてしまう。

 それと同時に優樹は腰も斜めに浮かせる。浮かせ腰は力の方向に対して同じくである。


 真も優樹がやろうとしてることを瞬時に理解する。

 マウントのポジションから脱出しようとしてるのであろう。そう考えた真は足に力を込め引っ繰り返されないように抵抗する。


 だがそれが優樹の思うつぼであった。


 抵抗を試みようと真が行動を起こすと優樹は驚きの行動に出る。

 

 真が力を込めている方向とは逆に急激に力の方向をもっていったのだ。

 通常ならば力の方向に対し力を込め相手の力も利用して繋げていくのが普通なのだが優樹は違った。


 今までとは全く違う力の威力にに真は驚きを隠せていなかったが、それよりも重心が急に戻されたことに対して驚きの方が大きかった。


 だが、その驚きも驚愕に変わる。


 真の重心が元に戻った瞬間に優樹はすぐさま真の首に両腕を巻き付けてくる。そして真の重心を真の前側に持ってくる。

 同時に優樹は両足を跳ね上げ腰を浮かせる。


 すると真にとって不可解な事が起こる。


 真と優樹はそのまま一回転してしまったのだ。


 そして立場が今までと逆になってしまう。


 周りの観客からは大歓声が巻き起こるが真自身は何が起こったのかわからなかった。

 首が掴まれたと思ったら逆にマウントをとられてしまったのだ。


 マウントのポジションをとっている優樹が薄っすらと笑いを浮かべる。


 「そろそろ攻守交代してもいいんじゃねーか。それにしてもいい表情じゃねーか。まあ疑問に思うのはもっともだがこればっかりは教えられねーな」


 真は何かを言いたそうにしているが優樹が言葉を続ける。


 「無駄話は好きそうじゃなさそうだし喋るのはここまでにするか……」


 言い終わると同時に優樹は拳を繰り出し。先ほどまでやられていたことをそっくりそのままやり返してきた。

お読みいただきありがとうございます

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