手紙
ロッカー室から出るとそこに有紀が立っていた。
『お疲れ様、奈津子。』
『有紀、待っててくれたんだ。』
『うん、良太に渡す物預かってるしね。』
『そうなんだぁ、あれ?希ちゃんは?』
『試合を見終わって、すぐに帰ったよ。』
『えっ、そうなの?これから希ちゃんと有紀を誘って、
飯島と良太と私とで残念会しようと思ってたんだけどなぁ。』
『そうだったの?』
『うん、希ちゃんは今帰ったばかり?』
『う~ん、ちょっと前に帰っちゃったからねぇ。』
『そっかぁ。』
『奈津子、残念だったね。』
『うん、こればかりはね。全力出したんだから責められないよ。』
『うん、そうだね。』
ロッカー室から次々と部員が出てくる。
『おぅ、坂井。』
『飯島、惜しかったね。』
『あぁ、でも一人まだ悔しがってる奴いるけどな。』
『良太?』
『うん、まぁ何とか励ましたいけどな。』
『うん。』
『どうしたの、有紀?』
『ううん、何でもないよ。飯島、早く良太呼んできてよ。』
『あぁ、わかった。』
数分後・・・
『良太、お疲れ様!』
『坂井・・・。負けたよ。』
『いい試合だったよ。』
『ありがとう。あれ、希ちゃんと一緒じゃないのか?』
『希ちゃん、何が用事があったみたいで先に帰ったよ。』
『そっかぁ。』
『それとこれ、希ちゃんから預かったから。』
『何、これ?』
『明日の待ち合わせ場所と時間が書いてあるみたいだよ。』
『そっかぁ、ありがとう。』
『残念会でもする?飯島はどう?』
『俺はどっちでもいいけど。良太は?』
『俺はいいや、今日はゆっくり休みたいし。』
『そっかぁ、じゃあ、また改めてってとこで。
希ちゃんも帰ったし、有紀もそれでいい?』
『うん、いいよ。』
『何だか、有紀までいつもの元気ないじゃない?』
『そんな事ないって!』
『じゃあ、帰ろうぜ。』
『そうだね。』
そう言うと四人はそれぞれ家路についた。
僕は家に帰ると、有紀が希ちゃんから預かった手紙を見た。
『良太君へ。明日は約束通り、二人きりでデートしようね。場所は・・・。』
待ち合わせ場所と時間が手紙には書いてあった。




