表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
69/90

勝てない気持ち、勝ってほしい気持ち

キックオフの笛と同時に歓声が沸き上がる。


いつも以上に気合いも入り、動きもいい。


ただ、僕等以上に筑涼中のメンバーの出足が早く、


プレッシャーはどんどんかけてくる。


比較的、中盤でのプレッシャーは余りなく、ボールは持たせてもらっている。


前半最初のチャンスがやってきた。


筑涼中は攻撃に重点を、置きすぎた結果、前線に人数をかけすぎていた。


そこに一本のパスが僕に送られてきた。


カウンターをかけていく。


飯島が真ん中で囮になっている為、両サイドも目線は中央にくぎづけ。


僕は左サイドにパスを出す。完全にノーマーク。


飯島が中央でボールに合わせると見せ掛け、右サイドへスルー。


右サイドから駆け込んできたMFの竹中が左足を振り抜いた。


ボールはポストをかすめラインを割った。


『ドンマイドンマイ!』


僕は軽く肩を叩いて、中盤に戻る。


『危なかったぜ、両サイドにサイド攻撃に気をつけるように伝えてくれ。』


『あぁ、わかった。』五十嵐はメンバーを呼び指示を送る。



『あぁ~!惜しかったね~』


『うんうん、もう少しってとこだったんだけどね。』


『ほんと、そうだよ~。』有紀は希ちゃんを見つめていた。


『どうしたの?私の顔に何か付いてる?』


『ううん、何も付いてないよ。』


『そう、ご飯粒でも付けてるかと思っちゃった!』


『違うよ、希ちゃん、ちょっと聞いていい?』


『うん、何?』


『この前のファミレスの件なんだけど、あれって本気?』


『ファミレスの件って、負けたら良太君とデートって事?』


『うん。』


『うん、本気だよ。』その顔はグラウンドを見ている。


『そっかぁ~。』


『どうしたの?』


『うん、正直に話すと奈津子の気持ちを考えちゃうの。』


『奈津子ちゃんの気持ちは知っているよ。』


『えっ!』


『知ってるからこそ・・・。』


『知ってるから・・・?』


『うん、実はね・・・。』


希ちゃんは有紀を見て話し出した。


『そうだったんだ・・・。』


『うん、そうだよ。』


有紀はこれ以上言葉は出なかった。頑ななまでの希ちゃんの気持ち。


奈津子が希ちゃんには勝てないと言った事を思い出していた。


『だから、勝ってほしい。』


希ちゃんはずっとグラウンドを見つめていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ