宣言
翌朝、正門の前で飯島と会った。
『よぉ、飯島!』
『おはよ、良太!』
『飯島、ちょっとお願いがあるんだけど。』
『良太がお願いしてくるなんて、気味が悪いな!』
『うるせぇ!』
『で、お願いって何だ。』
『部活が始まる前に、俺の心臓の事を知ってる部員全員集めてくれ。』
『良太!梅野には話したのか?』
『あぁ、話したよ。他に知ってる仲間にも
俺の心臓の事を俺の口から話す。』
『良太、お前・・・。』
『じゃ、頼んだぞ。キャプテン。』
僕は飯島の肩をポンと軽く叩いて教室に向かった。
授業が終わり、僕は部室に向かった。
既に部室には三年生全員とマネージャーの梅野がいた。
僕は集まったみんなの前に立つ。
『みんな、今から良太から話がある。俺はキャプテンだけど、
今から聞く話の内容は何も知らない。じゃ、良太。』
『みんな、わざわざ集まってくれてありがとう。
今から話す事はみんなが聞いている、俺の心臓の話だ。』
心臓という言葉で同級生はざわざわと騒ぐ。
『先日の健康診断で俺は再検査の診断を受けた。
そして再検査の結果、心臓弁膜症の可能性があるという結果だった。』
『大丈夫なのかよ、良太。』
『サッカー続けられるのか?』
部員達がざわつく。
『あくまでも心臓弁膜症の可能性があるだけで、俺の心臓は動いている。
こんな事で弱る俺じゃねぇよ。』
『本当か、良太?』
『飯島、俺と勝負するか?』
『そっか、問題ないみたいだな。』
『もちろんだよ、筑涼中の五十嵐が深刻に言ったのは
戦意喪失を狙ったんじゃないか?』
『かもな、俺らを恐れてるのかもな?』
そんな会話をしている時に、今まで黙っていた梅野が話し出す。
『でもまだ可能性があるんだから、みんなの不安を全部取る為にも、
もう一度、ちゃんと検査して。』
『そうだな。大丈夫なのかちゃんと検査してこいよ。
明日マネージャーと病院に行ってこい。』
『じゃあ頼むな、マネージャー。』
『うん、問題なかったらレギュラー組復活ね。』
『もちろん!じゃあ部活始めるか!
良太、今日まではレギュラー組は外すからな。』
『わかった。』
その言葉を聞いて、全員グラウンドに向かった。
レギュラー組での練習ではなかったが身体が軽く感じた為、
いつも以上のキレを感じた。
『何も問題ない。』僕は自分に言い聞かせた。




