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隠し事はばれるもの

部活動が終わり、部室で着替え終わるとドアの前に有紀が立っていた。


『よぉ、坂井。何か用か?』


『良太を待ってたんだよ。』


『俺?どうした?』


『体調はどうなの?』


『体調?全然問題ないけど。』


『だったらいいけど。じゃあね。』


『じゃあねってそれだけ?』


有紀には僕の言葉は聞こえていなかったようで


走って部室棟から出て行った。


家に帰ると夕飯の準備が既にしてあった。


においからすると間違いなくカレーだ。


いつもは福神漬けがあるのだが、今日はやけにラッキョが多い。


『あれ、福神漬けは?』


『心臓にはラッキョがいいんだって!』


『そうなの?でもラッキョを食べて、

すぐに効果出るとは限らないじゃん。』


『でもね・・・。』


『それにまだ心臓弁膜症と決まった訳じゃないし。』


『そうなんだけどね。』


母心かぁ・・・。今夜は素直に聞いて僕は


ラッキョをいつもより多く食べた。



次の日も部活は相変わらず後輩の指導中心で、


僕はフラストレーションが溜まっていた。


今日はちゃんと梅野は来て、レギュラー組にハッパをかけていた。


その梅野が練習中に僕の傍にやってきたから声をかけた。


『よぉ、梅野、体調はどうだ?』


『良太、帰りに時間ある?』


『えっ、いきなり何だよ。』


『帰りに話があるから。』


『あっ、あぁ、わかったよ。』


僕が返事をすると、梅野は黙って背を向けて


レギュラー組の練習へ戻っていった。


今日の梅野はいつもとは何か違うような気がした。


部活動が終わり、僕は梅野と約束した正門に向かう。


『よぉ、話って何だ?』


『帰りながら、話そっ。』


『あぁ。』


僕と梅野は正門を出た。


二人の間に沈黙が包み込む。やっぱりいつもの梅野とは違う。


『何かあったのか?』声をかけても梅野は黙っている。


『おい、聞いてるのか?』


『聞こえてるよ。』


『どうしたんだよ、いつもの梅野じゃねぇみたいだぜ。』


『いつもの私を知ってるって言うの?』


『何だよ、何かあったのか?』


梅野は僕の言葉を聞き流し、帰り道にある公園のベンチに座る。


僕はその隣に座り、梅野を見つめる。


『話って何だよ。』


『良太、私に何か隠し事してない?』


『隠し事?何を?』


僕の返事に梅野はため息をつく。


『ねぇ、良太。もう長い付き合いなんだから私に何でも話して欲しいよ。

力になれないかも知れないけれど。でも少しでも良太を支えられるなら。』


『いったい何の話だ?』


『良太!私、知ってるんだよ!』


『だから何なんだよ!』


『心臓、悪いんでしょ?』


『梅野、お前、誰から聞いたんだ?』


『お願い、良太。私には話して欲しい。

良太の事、もっと知りたいから。』


梅野は泣いていた。


『心臓の事、誰に聞いたんだ?梅野!』


『筑涼中の五十嵐君から聞いた。』


『五十嵐から?、何で五十嵐が知ってるんだ?』


『三日前、良太休んで、良太のお母さんと再検査の結果を

聞いた後でファミレスに行ったでしょ?

たまたま五十嵐君が隣の席に座っていたって。

その時に話している言葉を聞いて、うちの学校に部活中に来たんだよ。』


『五十嵐、そこに居たのかよ。』


『そして、飯島に良太は心臓病だ。心臓弁膜症と言う病気で

自然には治らないって。心配して五十嵐君が教えてくれた。そして…。』

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