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間が悪い男の悲劇

バレンタインのおかげかわからないのだが、


部活動は思いの外、早めに終わった。


『ごめん、有紀。』


『いいよ、いいよ。じゃあ、良太の家にいこ。』


2人は一緒に学校から出て行った。


『でも、ほんと良太、大丈夫かな?』


『ほんと、このタイミングでって、はかったように良太は

何か起こすよね、奈津子に心配ばかりかけるし!』


有紀の言葉に奈津子は思わず吹き出す。


『私はいいんだけどね!』


そんなたわいもない話をしているうちに彼女達は


僕の家の前についたらしい。(後日談で聞いた。)


『じゃあ、インターフォン、奈津子押して。』


有紀がそう言うと、奈津子はインターフォンを押す。


しばらくすると、インターフォン越しに返事があった。


『はい、宮内です。』


『梅野です、良太君は大丈夫ですか?』


『あっ、奈津子ちゃん。いつも良太が迷惑かけてるみたいで。

ちょっと待ってて。』


玄関のドアがガチャと開いた。


『さっ、どうぞどうぞ。』


『いえ、私達はここで。』


『外は寒いでしょ、そう遠慮しないで。』


奈津子と有紀は言われるがままに、リビングに通された。


『さっ、どうぞ。』


ソファーに座ると、温かいココアが出てきた。


『どうぞ、お構いなく。』


『今、寝てるみたいだから、あとで寝顔でも見ていったら?』


『いえいえ。』


『良太の寝顔なんて、滅多に見れないわよ。』


僕の母親は笑いながら、奈津子と有紀に言った。


『あっ、ところでお名前は?』


『初めまして、同級生の坂井有紀です。

良太君と奈津子ちゃんとは友達で。』


『良太がいつもお世話になって、これからも宜しくね!』


『はい、こちらこそ宜しくお願いします。』


『ところで今日は良太に明日の連絡でも伝えにきたの?』


『いえ、今日はバレンタインだったから。』


『あら、良太に奈津子ちゃん達からチョコ貰えるなんて幸せね。

でも肝心な時に熱出すなんて、あの子、本当に間が悪いと言うか・・・。

あの間の悪さは誰に似たのかしら?』


そう言うとため息をつく。


奈津子と有紀は思わず笑い出す。


『それで良太君にこのチョコ渡して欲しいですけどいいですか?』


『良太、喜ぶわよ。ありがとうね。でも直接渡したほうが

もっと喜ぶかもね。そう言えば、あの子、奈津子達以外に

一つチョコ貰ってたみたいよ。郵送でね。』


『郵送で?』


『えぇ、良太の机の上に置いたから。あのチョコもお友達から?』


『う~ん、わかんないです。』


『そう?』


『えぇ、じゃあ折角なので寝顔でも見てきます。』


『どうぞ、でも風邪うつらないように気をつけてね。』


『はい。』


そう返事をすると、奈津子と有紀は二階に上がった。


『本当に女という生き物は本当に怖いものだ!』と


後々親父が言っていた事を思い出す。

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