バレンタイン前哨戦
約束をしていた土曜日がやってきた。
待ち合わせの場所に奈津子が待っていると、
慌てて有紀が走ってきた。
『ごめんごめん、遅れちゃった!』
有紀は手を合わせて謝っている。
『私もさっき着いたところだからね。』
『ほんとに?じゃあ行こう!』
『うん。』
奈津子と有紀は毎日買物客が多い、街の中心地へ向かった。
『それにしてもバレンタインが近いから多いね~。』
『うんうん。人に酔いそう。』
ショップも大型百貨店も多くの女性客で溢れている。
特にデパ地下の有名菓子店はバレンタインのチョコが
飛ぶように売れている。
『有紀、バレンタインのチョコ買うの?』
『うん、そうだよ。モテない二人の男子の為にね。』
『良太と飯島?』
『うん、奈津子の義理チョコだけじゃ、可哀相過ぎるじゃない?』
『そんな事ないでしょ~。あの2人には贅沢なくらいだよ。』
『それに自分へのご褒美もしてあげたいの。』
『自分の分も買うの?』
『もちろん!こんなに美味しそうなチョコを目の前にして、
あげるだけじゃつまんない。』
『確かにそうだね~。私も買おうかな?自分の分に。』
有紀と奈津子は顔を見合って笑う。
2人は一通り、自分の分と家族の分、
そしてモテない男子の分を買い終わるとファミレスに入る。
『とりあえずこれで買物は終了だね!』
『うん。』
『奈津子は何個買った?』
『全部で8個かな?』
『私は4つ。どんなのにしたの?』
2人はテーブルにチョコを広げる。
『この一番大きいのが有紀のなの?』
『そうよ、自分へのご褒美。奈津子のはどれ?』
『私のはこれ。』
『じゃあ、良太と飯島のは?』
『あの2人のはこれ。サッカー部のみんなと同じだよ。』
『奈津子、自分のご褒美分より多いじゃない?』
『部員数が多いから小さいのを数多くあげないなきゃね。』
『そんなぁ、こういう時には良太達よりいっぱいご褒美しなきゃ!』
『そっかぁ、でももう買っちゃったしね。』
『もぅ、奈津子ってば。』
お互いチョコを見せ合い楽しい時間が過ぎていく。




