表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42/90

おみくじの結果

おみくじをひくのも、一苦労するくらいに、


多くの人で溢れかえっていた。


『やっと、俺らの順番に回ってきたなぁ。』


僕がそう言って、有紀を見ると既に有紀はおみくじが


入っている箱に手を入れ選んでいた。


『良太も早く引きなよ。』


内心、『はやっ!』と僕は思っていた。


『よし、これで決まり~。』


有紀は箱から一枚のおみくじ選んだ。


僕も続いて、箱の中に手を入れ、


一番最初に触れたおみくじを選んだ。


有紀は既におみくじを広げて見ている。


『ここで見ていたら、また後ろから押されるぜ。』


『そうだね、ちょっと境内の隅に行こう。』


僕と有紀は人込みをかきわけて、その場から離れた。




『凄い人だかりだなぁ。』


『仕方ないじゃん。お正月だもん。』


『でも、ドンドン溢れ出てくる感じだよ。』


『私達もその中の一人だよ。』


『まぁね。やっと引けるぞ、梅野から引きなよ。』


『じゃあ、これ!』


『もう選んだのかよ?』


『うん、そうだよ。』


そう言うと、梅野は飯島に取ったおみくじを見せる。


『じゃあ、俺はこれ!』


飯島はおみくじの入った箱の中を掻き混ぜて、


一枚のおみくじを選んだ。


『さぁて、何が出るかな?あっちで見ようぜ。』


飯島と梅野もまた境内の隅へ移動した。




『坂井、どうだった?』


『う~ん、微妙!』


『微妙って何だよ?』


『吉だったし、普通かなぁ?良太はどうだった?』


僕はおみくじを開く。中吉だった。


一番最初に見たのは『待ち人』の欄だった。



『来るが時間がかかる。』


『探し物、見つかり難し。』


何か、希ちゃんの事を考えると複雑だ。


『中吉だったよ、俺も微妙だな。』


『そっかぁ、二人共微妙だね~、でも良太安心して!』


『何が?』


『出産は安し、安産だって!』


その言葉に数人の家族連れが反応し僕らを見る。


『お前、何言ってんの?』


『良太~、えっちな事、考えたでしょ~』


有紀は笑いながら僕を見ている。


そして大学生くらいのカップルもこっちを見ている。


『考えてないって!』


『こいつって奴は~!』僕はそう思いながらも、


ちょっぴり想像してしまった。


坂井有紀は実際、かなりモテていた。


愛嬌もあるし、大人びたかなりの美形だったので、


中学に入った時にすぐ数名の男子から告白されていたのも知っている。




『梅野、どう?』


『飯島は?』


『俺は・・・』


飯島は恐る恐るおみくじを開いてみせる。


『おっ、大吉だ!』


『よかったじゃん!』


『学問もよし、健康もよし!』


『私も見てみよう!』


『どう?』


『小吉だったよ、内容は・・・』


飯島は梅野を見つめている。


梅野は一通り内容を見ていると飯島の視線に気付いた。


『ん?何?』


『内容はどうだった?特に恋愛は?』


『えっ!』


『俺は願いは叶うと書いてあったよ。梅野は?』


『うん、まぁまぁ。』


『そっか!』


『有紀と良太が入口で待ってるかも?行こうか?』


梅野は話を逸らすように飯島に約束していた、


待ち合わせ場所に行こうと促す。


飯島は、奈津子がおみくじを見た時に、


一瞬顔がこわばったのを見逃さなかった。


これは最近聞いた話だが奈津子のひいたおみくじは確かに小吉だった。


飯島が聞いてきた『恋愛』は『苦難あり、成就には時を要する。』と


書かれてあったらしい。


『おみくじ通りになっちゃった!』と彼女は笑いながら言ったのを


今でも覚えている。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ