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手を繋ぐという特別な行為
『良太。』
『どうした?』
『手を繋ぐのは初めてだね。』
僕は何故か顔が紅くなるのを感じた。
『何、いきなり言ってんだよ。この人波だろ、
繋がないと俺達もはぐれるだろ?』
『そぅなんだけどさぁ~。』
有紀は笑っている。
『それに最初に繋いできたのは、坂井の方からだからな。』
『うれしい?』
『うれしいって?お前何言ってんだよ~。』
『良太って、かわいいね。』
『からかうなよ~、行くぞ。』
『ちょっと待って。せっかくだから、おみくじ引こうよ。』
『おみくじかぁ、じゃ、行こうか。』
『うん。』
有紀はずっと手を繋いでいる。
『ここまで来れば、大丈夫だね。』
梅野はホッと息をつく。
『でも、またあの人波に飲み込まれるのかぁ!』
『仕方ないよ、元旦だから。』
『まぁね、一息着いたから、もう大丈夫。梅野、おみくじ引かないか?』
『うん、やっぱりそれは欠かせないでしょ!』
『じゃあ、またあの人波に突入するぞ。』
そう言うと飯島は梅野の手をとり、笑顔で人波に入っていった。




