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冬の日の再会

『いつもの場所』


そこは希ちゃんと一緒に雪だるまを作った公園。


希ちゃんは帰ってきている。そして、あの公園にいる。


小学生の頃、ちょっと遠くに感じたあの公園は今では近くに感じる。


雪だるまを一緒に作ってからたった4年しか経っていない。


『もうすぐ!』


『あと少し!』


そう自分に言い聞かせながら僕は公園に向かった。


あとはあの角を曲がれば公園が見えてくる。


僕の目の前に年末押し迫った寒い冬空の公園が見えてきた。


公園には人影は見えない。


僕は公園の中に入り、辺りを見回した。


砂場の奥に人影が見えた。僕はその人影のほうへ走る。


『あっ!』


『久しぶり、良太君!』


間違いなく、希ちゃんだった。


梅野から見せてもらった写真と比べて、


今は髪型はポニーテールで、小学生の頃は元気な女の子という


イメージだったけど、今は凄く綺麗な女の子になっていた。


でもあの笑顔は変わらない。


『良太君、久しぶり!』


希ちゃんはもう一度僕に言った。


『希ちゃん・・・』


逢ったら色んな話を沢山したい。


でも最初は名前を呼ぶのが精一杯だった。


再び逢えた喜びの方が強かったから。


『良太君?』


希ちゃんは不思議そうな顔をして僕を見ている。


僕は我を取り戻す。


『希ちゃん、いつ帰ってきたの?』


『ついさっきだよ、でもすぐに手紙読んでくれたんだね。』


『うん、中を見るまでは全然想像つかなかったよ。

封筒に名前書いていなかったから。今年最後のドッキリだよ。』


『あはは、ごめんごめん。でも良太君をびっくりさせたかったんだ。』


『帰ってくるなら、駅まで迎えにいったのに~』


『本当に?でもこんな再会のほうがドラマみたいで

いいかなぁって思ったんだよ~。』


『そうなの?でもなんか不思議な感じ。』


『どうして?』


『だってまた希ちゃんと逢えるなんて・・・』


『逢うのは小学生の頃以来だもんね。

実は今年の夏はこっちに来てたのよ。』


知ってるよ、希ちゃん。あの夏祭りの夜。


人込みの中、希ちゃんを見つけて追いかけたんだよ。


もちろん言えなかった・・・


『そうなんだ!夏に来る時も教えてくれていたら逢ってたのに~。』


『ごめんね、あの時はおばあちゃんと少しでも

長く過ごしたかったから・・・』


『ううん、もういいよ。だって、今逢えたんだから。』


『ありがとう。』


『感謝される程の事は言ってないし。』


『ううん、見つけてくれてありがとう。』


『見つけて?』


『うん、良太君宛に書いた手紙、新幹線の中で書いたんだ。

そしてあの手紙を読んでここに来てくれた事。』


『うん、いつもの場所だからね。』


『うん、良太君ならきっと私を見つけてくれると思っていたから。』


僕はこの言葉にドキッとした。


希ちゃんを僕なら見つけられる。


希ちゃんだったら、すぐに見つけられるよ。

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