3人のクリスマスイブ
部活が終わり、僕は飯島より早く着替え終わると、
一人学校をあとにした。
僕は公園に寄り道して、昼間なら人気のあるブランコに座った。
この時間になるとブランコは貸し切り状態で、いつまでも
座っていられるような感じがする。
ブランコに座ると、昨日の梅野との会話を思い出していた。
『クリスマス予定入れて欲しいなら、梅野付き合えよ。』
『そういう事はもう少し早く言って!』
あいつはクリスマスの予定を入れて欲しかったのか?
『じゃあ、今から予定を入れるよ。梅野クリスマスは一緒に過ごそう。』
少しは気の利いた事を今なら言えたのかも知れないけど、
この頃の僕はそんなに頭も働かないから、ただただ
無駄な時間ばかり過ごしていた。
これ以上考えても、何も答えは出てこないと思った
僕はブランコから飛び降り、一人家路に着いた。
明日はいよいよクリスマスイブ。
クリスマスイブの朝、テレビのニュースはクリスマス一色で、
多くのカップルを取材している光景を数多く取り上げていた。
僕はそのニュースを横目で見ながら、いつもどおりの
食パンに目玉焼き、そしてコーヒー。
目玉焼きには醤油をかけるのが、僕の食べ方。
『良太、今日は部活ないの?』母親が僕に聞いてくる。
『今日は休みだよ。』
『あら、綺麗なイルミネーションね。』
母さんはテレビのニュースを見ている。
『そうそう、良太にクリスマスカード届いてたわ。』
『クリスマスカード?誰から?』
『はい、これ。』母さんは僕にカードを手渡す。
クリスマスカードには、トナカイが牽くソリに
乗ったサンタクロースが花火の上がる街の空を
飛んでいる絵が描かれており赤色でメリークリスマスの
文字が書かれてあった。
贈り主は希ちゃんだった。
『クリスマス、奈津子ちゃんと良太君の3人で過ごしたいな!』
そう書かれてあった。
『この願いがきっと叶いますように。』
僕はこのクリスマスカードを大切に机の引き出しの奥に入れ、
夕方まで家の中でただ不毛な時間を費やしていても仕方がない。
僕は特に目的もなく、街をぶらぶらしに出かけた。
少しでもクリスマスイブが早く過ぎる事を祈って。
そしていつの日かの3人のクリスマスイブが来る事を祈って・・・




