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幻夏

『太一、このグループはやめてとけよ。』


飯島が太一に向かって言い、


僕も『梅野のだけにはするなよ』と言ったが、


『すまん、良太、飯島。勘忍してやぁ~』と


悪びれた様子もなく笑顔で爆竹の導火線に


火をつけて投げ入れた。


また絶妙なタイミングで、絶妙な場所に爆竹が飛んでいく。


僕と飯島は暗闇から、梅野の目の前に出た。


だけど僕達が梅野の前に立つより早く、


足元で爆竹の音が鳴り響く。


その音に驚いた梅野は転んでしまった。


そして僕達の前には転んで、浴衣が少しはだけ、


白い太腿がチラリと見えた状態で梅野がしゃがみ込んでいた。


その顔は半泣き状態だった。


最初は驚いて呆然としていたが、すぐに我にかえり立ち上がると、


浴衣を直して僕達に思いきりビンタした。


梅野達に猛烈に平謝りし、僕達はやっとの思いで許しを得た。


『もうホントにびっくりしたんだからね!』


梅野はまだご立腹のようだ。


『すまんすまん!』太一は手を合わせて謝っている。


『それに良太!飯島!』


梅野のその言葉に僕達は授業中に先生に指された感じと


同じように思わず素直に『はい!』とこたえてしまった。


もしかしたら先生に指された時よりもはっきり答えたのかも?


『見てないよね?』


『えっ!』飯島は固まる。


『えっ、何?パンツ?』


僕がそう言うと、さっき叩かれた方とは逆の頬をビンタされた。


『見えてないし、見てないよ。』


僕は叩かれた頬を摩りながら言うと、


飯島は何度も縦に首を振っていた。


『だったらいいんだけどね!』


梅野はそういうと、浴衣の袖を気にしながら


美味しそうにイカ焼きを食べている。


結局、夏祭りは梅野達と合流して一緒に花火をする事になった。


夜店は多くの人が行き来をしており、


夜店でタコ焼きを買うのも一苦労だった。


『梅野、浴衣姿似合ってるよ。』


飯島が早速褒めている。


『ほんとぉ?でも嬉しいよ!良太はどう?』


梅野は僕に聞いてきた。


『もちろん、可愛いよ。』


『お世辞でも嬉しいよ、良太、飯島。』


梅野は少し顔を紅くしている。


『ねぇ、私は~?』梅野の友達も聞いてくる。


『とても色っぽいよ。』


飯島の言葉に梅野の友達はとても嬉しそうな顔をしている。


飯島が意外と女子に人気がある理由が、


何となくわかった気がした。


僕達は6人で近くの公園で花火をする事にした。


夜店の人込みの中を歩いている時に遠く、


僕達とは反対の流れに僕は見つけた。


『まさか、希ちゃん?』


僕は自分の眼を疑った。


浴衣は着ていなかったけどブルーのキャミソールを


着た希ちゃんに見えた。

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