爆竹の鳴り響く夜に
ロケット花火と爆竹の音が鳴り響く中、
僕らは集合場所に集まった。
『良太!遅いぞ!』
幼稚園の頃からの友達の高橋太一が仁王立ちして手招きしてる。
『わりぃ、部活長引いてな!あっ、チームメイトの
飯島も連れてきたぜ。』
『飯島も来たのか!多ければ多いほど、楽しいぜ!』
太一は大声で笑っている。
もう何人かの同級生の女子とはすれ違ったがみんな、
普段とは装い違って、浴衣姿で境内を歩いている。
太一はそんな女子に、気付きもしないのか、
夜店で大量のロケット花火と爆竹を買っていた。
『おい、太一!そんなに買ってどうするんだ?』
僕が太一に言うと、
『もちろんするに、決まってるだろ!』
『どこでするんだよ?』
『ここで!』
『ここでするのかよ!』
『もち!しかも学校の女子が来た時にな』
そう言うと太一は豪快に笑い出していた。
飯島は飯島でこの雰囲気に慣れていないせいか、
辺りをキョロキョロしている。
それとも梅野でも探しているのか?
『おい、飯島!ちょい挙動不審だぜ!』
『俺が挙動不審だって?』
『お前の他に誰がいる。』
『失礼な奴だな!見ろよ、あいつ2組の深川じゃないか?』
『誰だよ、それ。』
『あいつ浴衣着ると、可愛さ3倍増しだな!』
お祭に来るメンバーを間違えたみたいだ。
一人は爆竹使って、いたずらするつもりだし、
もう一人は浴衣の女子に夢中の挙動不審の男。
しかも太一は既に暗闇に隠れて準備万端。
太一は僕と飯島に手招きして、太一の傍に近づくと、
『おい、来たぜ!第一ターゲット!』
『おっ、あれは俺のクラスの吉岡達じゃん!』
飯島ものってきている。
『やるぜ、見ておけよ!』太一は満面の笑みを浮かべ、
『あいつ学校ではかなり、クール装ってるからな!
やっちゃえ、太一。』
飯島も太一を後押しする。
蚊取り線香で爆竹の導火線に火をつけ、
女子の足元から、離れた場所に爆竹を投げる。
女子は突然の爆竹の音に、キャーキャーと悲鳴をあげ、
履き慣れていない草履のせいか躓く女子もいた。
太一と飯島は肩を叩きあって大笑いしている。
一組が成功すると、太一はコツを覚えたのか
次々とピンポイントで、しかも最高のタイミングで爆竹を投げている。
飯島はその驚いた顔を見て、横で笑っている。
『さぁて、次はどいつだ?』太一は身構えている。
そして境内から梅野達がやってきた。
梅野は髪をポニーテールにし、ピンク色の浴衣を着ている。
いつも見る梅野とは、全然違う。
『おっ、梅野だ!』
太一がそう言うと、飯島は素早い反応で暗闇から見ている。
『梅野!めちゃ可愛い!』
飯島は梅野の浴衣姿に見とれている。
『さっきまで色んな女子を見ては、いいじゃんって
言ってたじゃないか!』と
ツッコミを入れたくなったけど、
今夜の梅野は飯島の言う通り、1番かわいかった。




