キスのあと味
次の日、僕が部活に行くと
いつものように、梅野がそこにいた。
部活が始まる前に、やっぱりマネージャーでいたいと
先輩に伝えてきたようで先輩はその梅野の言う事に
『マネージャーを首にしたつもりは無い。』と話し、
今までと同じように元気に声を出している。
飯島が僕に近づいてくると、
『梅野復帰した理由知ってるか?』と聞いてきた。
『さぁ?でも梅野は理由が無い限り、
簡単辞めやしない。そんなに弱くないし。』
『そこの二人!良太と飯島!お喋りしてる暇があるなら走れ!』
梅野がメガホンを持って、僕らにはっぱをかける。
『飯島、お前の心配は、あいつは理解してないな。』
飯島は頭をかいている。
梅野は昨日の事をどう思っているんだろうか?
放課後、僕は梅野が出てくるのを待っていた。
『よっ!』
『おっつ!』いつもの梅野のままだ。
『待っててくれたの?』
『たまたまだよ!』
『ふ~ん。』
梅野には待っていた事はお見通しのようで、
僕と梅野は並んで学校を出た。
『何か、良太とこうやって学校から帰るのって
久しぶりの感じがする。』
『この前も帰ったじゃん。』
『この前と今日とでは大違い!』
『そんなもんなのかな?』
『そんなもんです!』
その梅野の顔は笑っていた。
『あのさ、昨日の事だけど・・・』
僕がそう言うと同時に『昨日はありがとう。』
そう言うと梅野は頭をさげた。
『あぁ、それはもう言いよ、ところで昨日のキ・・・』
僕が全てを言い終わる前に、『何?昨日のって?』
梅野はまるっきりとぼけている。
『キスした事だけど・・・』
『キス?誰がキスしたの?』
完全に梅野は惚けている。
『まっ、いいや!』
『ふ~ん?またキスしたいのかと思った!』
梅野はそう言うと、まっすぐ正面を見ている。
キスの話はここで終わり、梅野と別れるまで色んな話をした。




