表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/90

微妙な二人

『良太君、お元気ですか?私は元気です。

奈津子ちゃんから聞いていると思うけど、

お別れ言わずに転校してごめん。

どうしてもサヨナラを言えなかった。

私も手紙書くから良太君がよかったらまた手紙書いてね。』



『希ちゃん、手紙ありがとう。梅野から話は聞いたよ。

希ちゃんと一緒に帰れなくなった事が一番淋しいです。

友達はもう出来た?また福岡に帰ってきてほしいです。』



『手紙ありがとう、良太君からの手紙が届くと

宿題する前に読んじゃいます。奈津子ちゃんから聞いたよ。

奈津子ちゃんと別のクラスになったんだね!

奈津子ちゃんと離れて淋しい?私もこっちで友達も出来ました!

そういえばもうすぐGWだね!福岡に行きたいな!』



『良太~!』


梅野奈津子は僕が下駄箱のとこにいると声をかけてきた。


下駄箱のところには、飯島学がこちらをチラ見している。


以前、梅野と僕は噂にはなったけど、


やはり『人の噂も七十五日』と言うだけあってすぐに消えてしまった。


学を横目に梅野は、


『良太、途中まで帰ろう!希ちゃんからも手紙来てるし!』


それを聞いた学は、『梅野、希ちゃんって誰だよ!』と言う。


『学~、聞いてたの?盗み聞きしてた?』


梅野は何故か学に冷たい。


『そんなんじゃないよ!聞こえたんだよ。梅野は声が大きいし!』


『何よ!学、何か文句あるの?希ちゃんは私と良太の友達なんだから!

引っ越しちゃったんだけど・・・』


梅野はそう言うと俯き、先に下駄箱の場所から出ていった。


僕もその後を追うように下校し、いつもの公園に、二人で行った。


いつもの公園のブランコ。この公園は僕と梅野しかいない。


『最近、良太も希ちゃんと手紙のやり取りしてるんだってね!

希ちゃんからの手紙に書いてあったよ。』


『うん、手紙書いてるよ。』


『何か、希ちゃん。私に送る手紙にも嬉しそうな感じで書いてたから。』


梅野はそう言うと、眩しい七月の空を見ていた。


僕も黙って空を見ていた。


梅野は空を見ながら言う。


『希ちゃん、向こうでもすぐに友達出来たみたいだね!』


『希ちゃんだもん、すぐに出来ると思っていたよ。』


『今はこうやって手紙のやり取りしてるけど、いつか私達の事、忘れちゃうのかな?』


『そんな事はないよ、希ちゃんは梅野とは一番の友達だろ?』


『一番なんてすぐに変わるわよ。良太の一番はずっと希ちゃんでしょ?』


僕が黙っていると、梅野はこいでいるブランコから


『よっ!』と飛び降り、


『良太、良太も私も希ちゃんと手紙のやり取りしてるから、

私から希ちゃんの話はする事ないね、じゃあね、良太。』


そう言うと梅野は、『バイバイ』と言って走って帰っていった。


そしてまたこの場所で梅野と話すのは、まだ先の事になる。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ