君に出会った日
僕の声は君に届いてますか?
『谷本希さんを探しています、誰か知りませんか・・・』
『僕はずっと君を探しています。』
『希ちゃん、元気でしたか?』
2005年1月
『久しぶりだね、希ちゃん。』
『看護師さんになるんだよね?』
『俺はどうかな?似合ってる?制帽被ってみる?』
『そう今日は報告しなきゃいけない事があるんだ。
今度結婚するんだ。』
『子供の時の約束守れなくてごめん。』
『結婚する相手を紹介するよ。
希ちゃんもよく知っているでしょ?
『あの梅野だよ、梅野奈津子だよ。』
『今日は一緒に挨拶に来たんだ。』
『あまり変わってないだろ?』
一方的に俺はしゃべり続け、希ちゃんのお墓に制帽を被せる。
『これからは希ちゃんの分まで色んな人を助けるから・・・』
そう言い終わると、そっとお墓から制帽をとり、
お墓に敬礼をし、背を向ける。
小学生生活も3年の月日が経つと、既にもう真新しい感覚もなく、
毎日同じ道、同じ風景の中で同じ仲間と共同生活を行う。
だからといって退屈とは一度も思わなかった、
むしろ自宅のほうが、日曜日が退屈に思えた。
父は若くしてそこそこ大成したせいか、
日曜日も仕事に励んでいる、典型的な猛烈サラリーマン。
人生を足早に駆け抜けるタイプでその点では似ているのかも?
母親は働く事、動く事が大好きでいつも行動的。
だから日曜日でもパートに行く事が多く、
家では僕はお姉ちゃんと二人きり。
朝起きたら、既に両親は仕事に行く毎日。
だから学校は好き!
いつもと同じ風景だけど、たくさんの仲間が待っているから!
その小学3年生に初恋をした。
多分、これが僕の初恋。
初めてほんとに異性を好きになった。
一緒にいつもいたい、遊んでいたいと思える異性。
だからこれが僕なりの初恋。
桜の花もパッと咲いてパッと散った4月、
小学3年生になってクラス替えがあり、
まだ教室の中が新しい仲間と一緒に
ガヤガヤと騒がしく話していた時に
僕の隣の席に健康的に日焼けした
セミロングの女の子が座ってきた。




