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GOVERNMENT EMPIRE  作者: Lirenoa
第四章 取捨の章
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MOVE 18:死と欲望と家族と……part6

 しんみりとした空気が漂っている。少しほこり臭い。一歩ずつ前へ。快調に進めない。

 隆には分かる。恐ろしい何かがひそひそと近づいている。それは、気配で分かる……いや、そう言うわけではない。視界に妙な風景が浮かんでいるのだ。


 埃の塊らしきものが宙を浮いている。


 不思議なジオラマに指を触れてみると、電撃が走った。静電気というレベルではない痛みが隆の指を襲った。

 「いてっ!」

 隆は思わず叫んでしまった。

 不意に、そこが氷河期になった気がした。寒い風がぴゅうぴゅうと吹いている。禍々(まがまが)しい気配が隆のすぐそこまで迫っている。震えそうになる身体を奮わせて、2丁の銃を抜き仁王立ちする。

 いきなり本気モードで隆は眼前を睨み付ける。すると、凍り付いた扉が開けられて、何かが出てきた。電気を帯びた何かは人間の形をしている。すぐに隆の鋭敏なゲリラのかんが働き、隆は電気を帯びる人間を敵と見た。

 「おやおや、迷子かな? この研究所に何の用だい?」

 「その言い分だと、お前はここの研究所の奴だな?」

 「左様。それ故にどうしようというのだ?」

 「お前が玲を……」

 気がついた時、隆は全力で引き金を絞っていた。両方の銃から飛び出す強烈な攻撃は手足を中心に、どんどん撃ち込まれていく。火薬の臭いが充満し、空薬莢からやっきょうがティンパニーを奏でる。ラズナはもう地上に立つことはできなくなっている……はずだった。

 「笑わせるな。この程度か」

 銃弾は宙に浮いたまま停止していた。見えない磁石に吸い付かれているように、ピタリと動かない。

 「どういうことだ……。こんな事、現実にあっていいのか?」

 「ハハハ! 強者よ、惑え、そして絶望せよ!」

 狂ったように笑いだしたかと思うと、刹那せつな、周囲に青白い光が放出され、一瞬で隆を飲み込んだ。隆は吹き飛びエレベーターの手前まで吹き飛ばされた。だがその時、隆には衝撃の痛みと別の痛みがあった。激痛で動けなくなる。

 「畜生……」

 これ以外の言葉が出ない。隆の周りには無数の銃弾が転がっていた。

 「なかなかやるな。まさか、銃弾を投げて避雷針にするとはさすがだ。威力は軽減できても、高出力の電撃にはかなわなかったようだな」

 ラズナは静かに隆との距離を詰める。

 「さて、おさらばしようか?」

 言って、ラズナは周囲に漂う埃を一カ所に集める。

 「これこそまさに再利用!!」

 言って隆に向けて発射しようとしたその時だった。彼方から銃声が響いた。ラズナの電磁バリアーが悲鳴をあげる。勢いよく飛んできた銃弾はめり込んでいくが、ラズナに当たる寸前で銃弾は止められた。

 ラズナは目を光らせながら振り返る。腹が立っているだろう、死んだような目からも電気が出ているような気がする。

 「スナイパーか。こんな屋内に?」

 ラズナは向き直り、戦えない隆に背中を見せつけた。隆に放つはずだった埃の塊を寝転がってスコープを覗き込む美来に向ける。

 もう一発の銃弾を埃の塊に向けて銃弾を発射する。弾丸は埃に吸い込まれて消えた。

 「バカが、そんなちんけな弾丸でこの塊を崩せると思ったか?」

 そして、ラズナは埃の塊を放出する。その時、美来の後ろから男が飛び出した。浩平だ。手に何かを持っている。力いっぱい手に持った何かを塊に向かって投げる。塊は浩平の持っていた何かと激突した瞬間、研究施設は大きく揺れた。

 「爆弾だと?」

 「へへヘ、どんなもんよ!!」

 浩平は鼻を指でこすって、上機嫌に白い歯をラズナに見せつけた。1発ぶちかましてやったと言わんばかりの態度だ。自分しか見えていない浩平に、周りの冷たい視線が突き刺さっていることなんて気付きようもなかった。

 自慢げに顔をラズナに向けて、今度は大きく胸を張った。何がしたいのか分からない。

 「それが、生物界の頂点に君臨する者にお前の対する態度なのか?」

 以前よりラズナの声色が強くなった気がする。その声色から伝わってくるのは怒りの感情だった。ラズナは顔にしわを寄せて、手の平を天に向ける。まるで自由の女神のポーズのようになったラズナは聖火の代わりに、球状の青い火を灯し始めた。


 「お前はこの力を手にしたわたしに勝てない」


 目がさらになった浩平にラズナは鼻で笑う。

 「圧縮したこの電撃を受けてなお、立っていられるか? お前で試してやろう」

 ラズナは右手を前に構えた。その右手は浩平の体を覆うようにとらえている。右手が悲鳴をあげそうになるのをぐっとこらえるように、左手で右手首をつかんだ。

 その時、美来はラズナの左手を睨み付けた。美来に1つの考えが浮かび上がる。先ほどはよくわからない力で弾丸は受け止められ、ギリギリのところで届かなかった。しかし、現在のラズナは腕を突き出している。もしかしたら、弾丸で腕を撃ちぬけるかもしれない。慣れた手つきで、美来はライフルに銃弾をこめる。

 「さようなら、小さい命よ……」

 ラズナの手から電撃が発射されたと同時に美来がライフルを撃った。美来の撃った弾丸は青い球の横を通り過ぎて、青い球が浩平にたどり着くよりも速くラズナの腕に向かう。腕に近づくのと同時に弾速は徐々に落ちていく。ラズナの電磁バリアーがさざめき始めるのと同時に、浩平に青いボールがぶつかる。ばちんと轟音が響くと、浩平は蹴られたサッカーボールのように後ろに押し出された。浩平は悲鳴をあげる。浩平が着地するのと、美来も愕然とした表情を浮かべた。

 「舐めた真似をしてくれるな小娘。何度やっても結果は同じなんだよ」

 美来は悔しそうにラズナを睨み付け、リロードと発射を繰り返した。しかし、どこをどう撃っても同じ結果が返ってきた。

 「どうして? どうして届かないの?」

 「決まってるだろう。私がこの手で弾丸を操ってるからだ」

 ラズナは転がったライフルの銃弾を手の平に乗せて遊ばせる。得意げな顔を浮かべながら。満足に満ちたラズナの顔は次に青いボールをぶつけた浩平を黙視した。沈黙しか返ってこないことを確認すると、ライフルを握りしめる美来を睨み付ける。

 「貴様はどうやって死にたい? 感電死か、それとも電撃で上下を半分にするか?」

 ラズナは歩きながら電気で剣を作り出した。怪しい視線に美来は息をのんだ。美来は何かの到着を待っている。ラズナが首をかしげると大粒の汗が美来の頬をなぞる。

 「ラズナ!」

 と叫ぶ低い声がそこに響いてきた。ラズナが声に反応すると、先端に何かが括り付けられた棒がラズナに飛んできた。しかし、飛んできた棒はラズナの電磁バリアーに食い止められ、ラズナの手にあっさりと収められてしまった。

 馬鹿馬鹿しいと言わんばかりにラズナは余裕の表情を浮かべる。その時、美来がナイフで接近戦を仕掛けた。驚くべきことに、美来は簡単にラズナの領域に踏み込めた。棒は気を引くための道具だったようだ。ラズナの顔から余裕が消えたのもその時だった。

 接敵した美来は後ろに退いたラズナの頬を少しかすめた。その時、ラズナは美来がゴム手袋をはめていることに気付いた。

 「ゴム手袋だと」

 ラズナが驚いたのはそれだけではなかった。電気の塊に衝突したはずの浩平が平然と立っていること。元研究員の誠也が登場していたこと。タイミングよくエレベーターの扉が開いたこと。

 「サラバだ。ラズナ」

 誠也が言った。何かを言おうとしたときには手に握られている棒の先端の何かが爆発した。

 細長い空間におんおんと響き渡る爆破音と立ち上る黒い煙。焦げ臭いにおいが充満すると、美来達はエレベーターの方へ駈け出した。


 煙以外何も残らなくなったその場所に、再び電気が走った。




 外はすでに別世界となっていた。白い雪を埋め尽くすようにバラバラに解体されたロボットたちが横たわっていた。夏香はロボットを踏みつぶしながら冷たい冬の風に吹かれていた。その右脇では動かなくなった機械に腰を下ろして北の空を見上げる冬馬、左脇には周囲に目を光らせるミノリの姿があった。

 晴れ渡る空の北には黒い雲が浮かんでいる。

 「さすが接近戦を極めただけの人間ではあるな。俺の閃光弾と音響弾を食らったあとで、これだけの機械を相手に簡単に勝負を付けちまうなんて」

 「そうですか? 世間体には私より強い人間は転がるほどいると思いますよ」

 「謙虚なことを言うな。そんなことを言ったらまるでこの戦争で死ぬことを予見してるみたいだ」

 「死ぬことを宣言してるわけではありませんよ。私みたいな人間は謙虚にならなければ成長できないだけです」

 「へえ、なら俺も謙虚になるかな」

 「それは、無理でしょうね」

 と、2人が会話していると、ドーム状の研究施設から子供を連れて依里茄かが出てきた。照りつける日差しが反射して、ガラスで外装された研究施設に小さな後姿が映されていた。すると、座っている冬馬が立ち上がった。子供たちを見渡す視線は、誰かを探しているようだった。

 「誰か探しているの?」

 夏香を挟んでミノリがそう言った。

 「あ、ああ」

 とだけ言って、冬馬はそれ以上何も言わなかった。冬馬がしょげた表情を浮かべると、ミノリは探している人間が見つからなかったのだと解釈した。

 「見つかるといいね、探してる人」

 「え?」

 冬馬の驚く声を聞いても、間に挟まれている夏香はいたって普通の表情しか浮かべていなかった。

 「驚いているようですが、ミノリさんは『そう言う人』です」

 「どういうことだ」

 「それは、私からではなく本人から聞いてください」

 夏香はゆっくり依里茄の元へ向かった。夏香は依里茄の元へ行くと、笑いながら何かを話していた。取り残された冬馬とミノリは何も言わず、楽しそうに話す夏香と依里茄の姿を目に焼き付けていた。冬馬が何かを話そうとすると、ミノリが口を開いた。

 「言っておきますけど、殺斬(夏香)様が言っていることはそれほど大したことではありませんから」

 ミノリは冬馬に強くそう言った。

 「本当にそうなのか?」

 ええ、とだけミノリは言って会話は終わった。冬馬とミノリはその後も、羨ましそうに夏香と依里茄を眺めるのだった。そうして2人を眺めてそれほど時間も経たない頃に、研究施設からはもう1つの人間の集団が足をそろえてこちらに向かってきていた。遠くからで顔ぶれはよくわからないが、冬馬は歩いている人間の服装で敵でないことは判断できた。

 「仲間の元へ行かないのか?」

 「行きません。私は常に殺斬様のお供ですから」

 「そんなこと言うなよ。疑いたくないのに疑いたくなるだろう」

 「何を疑うというのですか?」

 「だって、誰かに従属であることは帝国を彷彿させるだろう。洗脳された人間みたいで嫌なんだ」

 「……失礼な人ですね」

 「……」

 冷たい冬の風がもう1回、冬馬とミノリに吹いた気がした。




 車椅子を押しているとき、修二はずっと美海穂が気になって仕方なかった。押し始めてからずっと苦しそうに咳き込んでいる。時々修二も声を掛けたが、美海穂からの返答はどれも苦しそうに答えていた。エレベーターにまで続く直線の廊下が長く感じられる。

 「もう少しだよ。帰ったらかおりに診てもらうから、頑張って」

 「……」

 美海穂は遂に返答すらもできなくなっていた。修二は悲しくなった。まるで、修二が死に神になっているようだった。この先に続く廊下はもしかしたら死の世界へつながっているかもしれない。そう考えると、車椅子を止めたくなる。しかし、現実に返ると状況は逆だった。美海穂のために先を急がなければならない。

 咳が止まると、美海穂は苦しそうに息を荒げた。

 「“あいつ”を破壊しなきゃ……」

 美海穂は車椅子の横に据え付けられている銃を抜いた。ショットガンだ。「ショットガンを使って戦っている」と昨日聞いた修二は、言っていることが現実だと分かるとさらに悲しくなった。病気に苦しんでいる子供ですら戦わねばならない時代になってしまったと思うと、胸が痛くなった。

 「どうして、戦わなきゃいけないの?」

 「決まってるじゃない。……道連れにしてやるのよ」


 “どうせあたしは死ぬんだから”

 美海穂は言った。


 「……」

 修二は返す言葉もなかった。ただ黙々と歩みを進める、1歩、また1歩と。しかし、エレベーターに近づくにつれてその足はどんどん重くなっていった。

 「なにしてるの? 早くいきなさいよ。あいつを殺しに最下層に行くんだから。」

 「それは、できないよ。君は僕と一緒に地上に行くんだ」

 「何を言ってるの? 最後のわがままくらい聞いてくれるんじゃなかったの?」

 美海穂がそう言ったとき、エレベーターがこの会で止まる音がした。到着を知らせる合図が鳴る。それと同時に……

 “あいつ”が姿を現した。

 モニターに映し出された弾丸を止める生き物だった。修二はいつの間にか、車椅子を手放していた。

 あいつは由紀と対立している時よりも激しく電撃を散らしているようにも見えた。

 「来たわね。ラズナ……。まさか、わざわざあんたから会いに来るなんて……」

 美海穂は咳き込みながらラズナを睨み付けていた。美海穂の声色からは不安を感じられなかった。つまり、美海穂は本気で戦おうとしている。

 本気で死のうとしている。

 修二は美海穂の思い通りにさせるわけにはいかなかった。ショットガンを両手に装備すると、美海穂よりも前に出た。壁になった修二に美海穂は、「じゃまよ、どきなさい」ととがったように言うが、修二に美海穂の意志を受け取る気はなかった。弾が込められたショットガンをラズナに向ける。結果が分かっていても修二は発砲した。そして、床を強く蹴った。素早く片手でリロードして、ラズナに突っ込みながら修二は発砲を繰り返す。

 ラズナは簡単に弾丸を受け止めると。つまらなそうな目で修二を眺めていた。ある程度、前線に出ると、修二はショットガンを投げ捨てて腰にぶら下げているアサルトライフルをぶっ放す。何発弾丸を撃ち込んでも、結果は変わらない。

 そして、ラズナの電撃が修二を狙う。その時、修二の後ろから発砲音が聞こえ、修二は何かの衝撃が腹部に加わり、美海穂を飛び越えてさらに後ろに飛ばされた。冷静に考えても何が起きたのかわからなかった。


 「バカは引っ込んでなさい!」

 美海穂は修二に怒鳴りつけた。修二は美海穂に戦わせまいと立ち上がろうとするが、痛みで動けない。息がつまる。

 「邪魔をしていたのはやはり貴様だったのだな?」

 「だから何よ? 貴様呼ばわりしないで、あたしを名前で呼びなさいよ」

 美海穂は顔を少し傾けて睨み付ける。

 「ラズナ研究長」

 目の周囲にできた影でラズナに威圧感を与えようとする。しかし、ラズナは知らなそうな顔を浮かべた。

 「車椅子で生物界最強のこの私に勝負を仕掛けようなんて、バカすぎて話にもならんわ」

 「言いたいだけ言いなさいよ。……どうせあんたも道連れなんだから」

 美海穂はショットガンのリロードを済ませると、ラズナに向けた。ショットガンに顔を寄せ、利き目を軸に狙いを定める。照準を合わせ、ラズナを睨み付ける。

 「言っている意味が分からんな? 私を殺すだと? どこのどいつがそんなことを可能にするというんだぁい?」

 ラズナがにたりと笑う。そして、挑発するような表情をして、銃の形にした手を美海穂に向ける。修二にはラズナのやろうとしていることが分かった。

 「美海穂ちゃん……やめるんだ」

 「あんたは黙っててよ」

 そう吐き捨てた後、美海穂の口がもごもごと動いたのが分かった。聞こえないが、美海穂は“ありがとう”と言っていた。

 間髪置いて、美海穂はラズナに向けて銃弾を発射した。飛び出した弾丸は青色の光をまとったラズナへ吸い込まれていく。その時、ラズナの方からうめき声が聞こえた。ラズナは左肩を誰かに押されたかのように体制を崩し、半歩退いて、痛そうに左肩を抑えた。その時、修二はラズナの右頬に傷があることが分かった。

 「フフフ、良いざまね。あなた、堂々と公言してたわよね。電気を操れば世界最強になれるって。でもどう? これで電気が最強だって言い切れる?」

 「この、生意気な小娘が……。最強を分かり切ったように言うな!!」

 「だったら証明してみなさいよ! あなたが最強だってことを!」

 美海穂は怒鳴ると、咳き込んだ。今まで以上に苦しそうだった。そして、口を覆う手には彼女の血がべっとりと付着していた。修二は目を疑った。その時、ラズナは自分の胸ポケットに刺さっていたペンを抜き取り、正面まで持ってきた。ペン先は美海穂を狙っている。その時、弱り切った美海穂は何かを悟った。

 振り返った美海穂の顔が修二と向き合った。美海穂は笑っていた。苦しいはずなのに美海穂は修二に微笑みかけていた。嬉しそうに笑う彼女の目には、涙が浮かんでいた。美海穂は本当に馬鹿な子だった。修二は思う。意地を張ってばかりで、どうして、素直に甘えてくれないのだろうか。どうして……


 “生きていたい”と言わないのだろうか。


 助けたい一心で修二は美海穂に手を伸ばした。届かせたい。しかし、美海穂は手の届かない位置に居る。

 ペンが放たれた。弾丸のように加速した弾丸は、直線上に居る美海穂をた。ぷつんと命が切れる音がした。ペンを刺された美海穂は、悲しそうな表情を浮かべた。そして、車椅子と一緒に倒れた。届かなかった修二の手は徐々に力を失っていく。

ラズナは笑った。

 「様みろ。最強に逆らうからこうなるんだ。あとは仲良くここで死ぬんだな。“仲間の手で起爆してもらって”な」

 ラズナは「ハハハ」と笑った。

 「ホント、都合のいい時に来たもんだ。これこそ、世界最強に対する“歓迎”の意だよな?」

 ラズナは笑いながらエレベーターに向かった。

 「後は、外に居る仲間を殺せば完璧だな。仲良く最後のときを」

 エレベーターの扉は閉まった。

 修二は悔しくてたまらなかった。右の手で拳を作り、何度も床を叩いた。痛い。でも修二には関係なかった。

 「なんで、今頃になって動くんだよ! なんで、助けられなかったんだよ!!」

 何度も何度も床を叩く。痛さに腕が悲鳴をあげても叩き続けた。

 自分を許すことなんてできなかった。またしても、目の前で命が失われた。


 そして、ラズナとの勝負は敗北に終わった……。

ご精読、ありがとうございました。

次回話に続きます。

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