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未来で神様は猫を被った。  作者: 色採鳥 奇麗
翔楼の章

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5/14

本当の想い

 ーー*ヒマワリ*ーー


「教えてよ、本当のことを」


 そう翔楼に問いかける。

 瞬間、雲の切れ間から星明かりが覗き、窓から寝室をほのかに照らした。

 明るい静寂の中にしばらく身を預け、しばらくすると翔楼はようやく重たい口を動かした。


「言うわけないだろ…」


「チッ…ダメだったかニャ…」


 ほんの少しずつ話題を誘導して、真実を喋らせる魂胆も、どうやら翔楼には見破られていたようだ。

 

「どうしてそこまでして口を噤むのニャ…。告げ口なんて卑劣なことはしないからさ。ほら、言ってごらんニャさいよ」


「嘘つけ。■■(彼女)に言う気満々だろ」


「本当だって~。吾輩は見た目通りの高潔な神様。約束は守る主義だニャよ。あっ、今は猫だった…」


 フフンと胸を張った吾輩に対して、翔楼は訝しげな視線を向ける。

 それから小さく息を吐いて、翔楼はまた枕に頭を埋めた。


「僕の秘密は、絶対に墓まで持っていくって決めているんだ。■■(彼女)が天国で元気にしてるなら、尚更だ」


「なんで?翔楼が何を抱えているか知らないけど、『彼女』ならきっと、どんな真実でも受け入れてくれるよ」


「…………」


 だんまりと口を閉ざした翔楼は、少しして再び口を開いた。


「そう…なんだろうな…。■■(彼女)なら、きっと僕の抱えている問題にも親身に寄り添ってくれる」

 

「問題…」 


 さりげない言葉に、吾輩の耳がピクンと震えた。

 

「だからこそ言わなかったんだ。だから僕は、■■(彼女)の重荷になる前に、別れを告げて消えたんだ」


 その言葉に、心の中にあった(つか)えが、本の少しだけ取れた気がした。


「いや~よかった~。てっきり吾輩は、翔楼が浮気してたんじゃないかって疑ってたんだよ~」


「おい。まさか僕のことを、そんな不誠実な男だと思ってたのか?今だって彼女一筋なんだぞ」


 プレイボーイだと思われたのが不服だったらしい。翔楼は上体を起こして、目尻をシュッと尖らせた。


「そんな顔されても仕方ないじゃニャいか。悪いのは何も言わなかった翔楼なんだから、誤解されても文句は言えんのニャ」


「確かに…」


「あっ…もうこんな時間ニャ」


 壁の時計が目に止まり、日付が変わっていたことに気づいた吾輩は、翔楼の横で再び丸くなった。翔楼もベッドに身を預けた。

 

「今日はもう遅いのニャ。この辺にしないと明日に響くよ。おやすみ~」


 翔楼を気遣い、談話を切り上げて眠りに就く。すると、ふいに翔楼に呼び止められた。


「なぁ、ヒマ」


 睡魔が迫っていた吾輩は、薄目を開けて翔楼に顔を向ける。


「なぁに?」


「最後にこれだけ、■■(彼女)に伝えてくれないか」


「いいよ。なんでも来いニャ」


 しばらく考えを咀嚼した後、翔楼は言った。


■■(彼女)を傷つけた僕が言うのもなんだけど、『今もこの先も、君だけを愛してる』って、そう伝えてくれ」


 その言葉に、吾輩の小さな心臓がドクンと脈を打ち、さっきまであった眠気も一瞬で吹き飛ばされた。


「わ…わかった。必ず伝えるニャ」


 翔楼は安堵したのか、そのまま静かに眠りに落ちていった。

 本来なら寝てる時間。さっきまで無理して付き合ってくれていたのかもしれない。


「おやすみ。翔楼」


 そう言って吾輩も、釣られるように寝息を立てた。

 しかし、翔楼の爆弾発言のせいで、この胸の躍動が簡単には収まらず、なかなか寝付けなくなってしまった。


 …おのれぃ、翔楼め…

 …まぁいいや。


 事の真相について、少なからず進展があった。これは猫生でようやく耳にした貴重な情報。翔楼は誰にも言えないような、何かしらの事情を抱えている。それは最初から、なんとなく察していたけれど、翔楼はそれを『問題』と言っていた。

 それがどういうものなのかは、今はまだまったく見当もつかない。


 …この一歩はすっごく大きいぞ!


 ともあれ、この数日間。翔楼との日々は、吾輩にとって充実した日々だった。

 テレビを見たり、昼寝をしたり、ぐーたらとした悠々自適な猫ライフ。もうちょっと前足が大きければ、ゲームだってできただろうに。それが吾輩には惜しくてたまらない。

 まぁ、これ以上の贅沢は言わない。

 

 翔楼の真相調査も怠らなかった。普段の日常や、さりげない会話の中から、些細な情報も取り溢さない。

 内心では、翔楼の心情を探る度に、彼は『彼女』のことを嫌いになったんじゃないかと不安に(おちい)っていた。

 同時に、もし他の女に(うつつ)を抜かしているようであれば、その整った顔立ちに無数の引っ掻き傷を入れる腹づもりでいた。

 だけど翔楼の背後に女の影はなかった。

 それどころか、今でも『彼女』のことを想い続けていた。それは部屋やリビングなどをよく見れば、すぐに分かったこと。思い出の写真が幾つも飾ってあったからだ。

 その大半が、翔楼と『彼女』が映った写真。翔楼はそれに時折目を止め、思い出に浸るように微笑むのだ。


 …それにしても翔楼、一体何を隠しているんだろう?

 …まっ、吾輩も人のこと言えないか…。


 吾輩にも、翔楼に言っていない秘密がある。

 本当は吾輩…神様でもなんでもない。死後の世界で『彼女』が元気にしてる、なんて話も嘘。全てがでっちあげ…ってわけでもないけど、ほとんどの言葉が、その場凌ぎの出鱈目だ。


 だって吾輩は…


 私は…

 

 彼が愛してるって言ってくれた、その女の子なんだから…



 ー

 

 

 自分が死んだと知った時は、心が張り裂けそうなくらいショックだった。

 大学生活が忙しく、買いだめしていた漫画は一切手を付けてられてない。

 好きなアニメは未完だし、ゲームだって来月発売する新作を、ずっと楽しみにしてたんだ。

 やりたい事も山程残ってた。将来だってまだ決まっていない。決めるには早すぎるくらい、未来()があると思っていた。

 でも今は、すべてが手の届かない場所にある。

 その事実に絶望した私は、町中で散々泣き散らした。

 夢半ばで命尽きるなんて、人生は本当に何が起こるか分からない。

 だけど途方に暮れていた私にも、声をかけてくれる優しい人がいた。

 小学生の女の子だ。


「猫ちゃん、カワイイね。よしよ~し、お菓子食べるかい?」


 どういう理由(わけ)が、助けたはずの猫になっていた私。

 女の子は私を心配したわけじゃない。ただ鳴いている一匹の猫に、庇護欲を駆り立てられたに過ぎなかった。

 周囲の人たちには、私の言葉が普通の猫の鳴き声にしか聞こえないらしい。女の子はただ一方的に独りごちてた。

 時間が経つと少女も去り、また一人になった。

 私は心細さからまた泣いてしまった。

 そんな時、私の耳元でふいに誰かが囁いた。


「聞コエマスカ?」


 聞き覚えのある、女の人らしき澄み切った声。私はキョロキョロと周辺を見渡した。

  

「…誰?」


 しかし、それらしき人物は何処にもいない。

 けれどその声は何度も囁いてくる。


「良カッタ。聞コエテイルミタイデスネ」


「ねぇ!さっきから誰なの!?」


 影も形もない奇妙な声に、流石の私も怖くなった。

 それも当然。声は耳元で囁かれていたのではなく、頭の中に直接響いていたのだ。


「驚カナイデ下サイ。チャント説明シマス。マズ私ハ、先日川デ助ケテ頂イタ、黒猫デゴザイマス」


 そう言われ、私は死の瞬間の記憶を手繰(たぐ)り寄せた。

 そういえば、確かにあの時も誰かが頭の中に語りかけていたような…

 あれって、助けた猫だったの?


「コノ度ハ、私ノ様ナ存在ヲ助ケテ頂キ、誠二有難ウゴザイマス」


「あっと…いえいえ。当然のことをしたまでで…」


 あまりにも礼儀正しい物言いに、私も面食らってしまった。渦巻いていた恐怖心も、シュンと静まり返ってしまうほどに。

 そして私の中では、あらゆる疑問が嵐のように飛び交っていて、答えをくれるかもしれない謎の声に、もっとも必要な質問を投げた。


「あ…あの!今の私がどうなってるか、説明してくれる?そして貴方は何者なの?」


「ワカリマシタ。デハ私ノ自己紹介カラシマショウ。ソッチノ方ガ早ク済ムデショウカラ」


 声は改めて、私に語りかけてきた。


「私ハ揺蕩(タユタ)ウ者。以上デス」


「………え?それだけ!?早く済むにも程があるでしょうよ!」


 あまりにも短い自己紹介に、思わず声を荒げた。それに対して、声は困ったように呻く。


「ト…言ワレマシテモ。私自身、自分が何者ナノカ、ヨク覚エテイナイノデス。トイウノモ私、コウ見エテ結構ナ長生キ…ナラヌ、長存在デシテ、古イ記憶ガ所々失ワレテシマッテイテ…」


「高齢者特有の認知症!」


「マァ、ソンナ所デスネ!」


 茶目っ気のある声が頭に響く。雰囲気的には結構若く感じられる。

 

「じゃあ名前は?」


「……」


「まさか名前も思い出せないの?」


「恥ズカシナガラ…。デスノデ私ノ事ハ、『無名(ナナシ)』トデオ呼ビ下サイ」

 

無名(ナナシ)さん…」


 結局のところ、未知な存在の彼女…。

 彼女でいいのだろうか、と内心で思いつつ、話が進まなくなるので、もうひとつの疑念を問い質す。


「じゃあもうひとつの質問。この状況は何?私はどうして猫になってるの?」


「ソレハ、貴方ヲ助ケル手段ガ、コノ方法シカナカッタカラデス」


 それから無名さんは、私の現状を丁寧に説明してくれた。

 彼女が助けられた後、私の肉体は死んでしまい、慌てて私の魂を掴んで自身の肉体に(かくま)ったと言う。そして無名(ナナシ)さんの体…つまりは黒猫の体を、今は二人で相乗りしている、という状態だそうだ。

 

「どうしてそこまでして助けてくれたの?それにこの体、私の方に主導権がある。この体は無名さんのなんでしょ?」


 無名さんの善意に困惑しながらも、私の問いに彼女は穏やかに返した。


「ソレハ、恩人デアル貴方様ノタメデス。私ノ輪廻ハ永劫不滅。例エ今世デ死ンダトシテモ、記憶ヲ来世二引キ継イデ転生デキルノデス。マァ、ソノ際二、古イ記憶ハ少シズツ失ワレテシマイマスガ…」


 自嘲気味(じちょうぎみ)に言った後、無名さんは真摯な調子で続けた。


「デスガ貴方達生物ハ、死後命海(メイカイ)(イザナ)ワレタ後、魂ハ完全二漂泊サレテシマウ。経験モ記憶モ、消エテ無クナッテシマウノデス」


「めいかい?」


「簡単二説明シマスト、死シタ生命ノ魂ヲ、次ノ世界ヘト導ク輪廻ノ理デス」


 …仏教における輪廻転生みたいなものかな?


「デスノデ、私ノ事ハオ気ニナサラズ。本来ナラ私ガ、アノ時二死ヌハズダッタノデス。ソレヲ貴方ガ救イ、生カシテクレタ。コレハ私ナリノ恩返シナノデス」


「でも…」


「ソレ二貴方ハ、コノ世界二大キナ未練ガアルノデショウ?」


 遠慮気味の私の言葉を遮って、無名さんは核心を突いてきた。

 そうだ。私には会いに行かないといけない人がいる。

 会って、真実を問い質さないといけないんだ。

 だけど内心、他人ならぬ、他猫の体を好き勝手に使うというのは正直後ろめたい。

 なにしろ、これは無名さんの猫生(じんせい)を奪ってしまうのと同義なのだから。


「遠慮スル必要ナンテアリマセンヨ。サッキモ言イマシタガ、私ノ命ニハ次ガアルノデス。ソレ二…」


 嬉々とした声が、爛々と魂に響く。

 

「誰カト話ヲスルノハ、私二トッテ八百年ブリノ事。私ハ嬉シイノデス。ダカラ、タッタ数十年程度ノコノ猫生(人生)。恩人ノ為二尽クスノモ、私ハ悪クナイト思ッテイマス」


 ひとつの体を相乗りしているせいか、無名さんの気持ちが直に伝わってくる。

 彼女は本気で思っていた。自分の全てを、私に預けても構わない、と。


「本当にいいの?」


 無名さんの話は、私にとって願ったり叶ったりの、とてつもなく甘い誘惑だ。言わば、これは命の仮延長(かりえんちょう)。もしかしたら私は、自分の目的を果たせるかもしれないのだから。

 

「あっ。だけど私の言葉、誰にも伝わらないし…」


「ソウデスネ。貴方ノ言葉ハ死者ノ言葉。本来ナラバ、貴方ノ言葉ハ生者二届クコトハナイ」


 思っていた通りの言葉に、私はシュンと肩を落とした。


「デスガ問題ハアリマセン。神気ノ回復二多少ノ時間ハ掛カリマスガ、対象二私ノ祝福ヲ与エレバ、貴方ノ言葉ヲ届ケル事ガ可能トナルデショウ」


「ホントに!」


 耳よりな話に希望が見えてきた。

 

「じゃあ、私が目的を果たすのを手伝ってくれる?」


「モチロンデス」


 そんな訳で、無名さんと私の奇妙なタッグが結成された。

 それからというもの、私は翔楼に会えそうな場所を探し、気ままな放浪を開始。道中、想像を絶するような生涯を、無名さんは私に語り聞かせてくれた。

 世界は私のいる世界だけじゃなくて、異なる次元に幾つもの世界が、無限に存在しているらしい。

 そんな世界で、無名さんは生と死の輪廻をずっと繰り返している。

 時には虫に…時には獣に…そして時には、その世界の人類に。

 さらにはファンタジーの頂点。ドラゴンとして産まれ落ち、世界を支配していたという。

 本来ならば私も命界を渡って、新たな世界であらたな命に生まれ落ちるはずだった。私の知らない次の私に、まだ見ぬ冒険譚が待っていると思うと、正直ワクワクが止まらない。

 そんなハチャメチャな人生を送る無名さんは、本当に何者なのだろうか。

 『揺蕩う者』とは言っていたけど、これは生と死、そして数多の世界を行き来しているから、単純にそう自称しているだけなのだそう。

 そもそも無名さん曰く、彼女は生命体と言うより、命と自我を獲得した、ある種の『(ことわり)』に近い存在…というのが彼女の見解なんだとか。

 うん…よくわからん。

 そこに心があるんなら生命体で良いんじゃない?と、私は思う。

 

 そんな無名さんにも弱点があった。 

 私の唯一の話し相手は、神気の回復とやらで長期的に眠ることが多い。しかも相当な寝坊助さんだ。

 私が目的地に到着した時にも、グッスリと眠りこけていた。

 肉体の睡眠と魂の休眠は何かしら違うようで、呼び掛けても応答は無かった。

 

 …まぁ、私の為に色々やってくれてるみたいだし、仕方ないか。

 …私を助けるのにも、結構な力を消耗したって言ってたし。


 一人ぼっちでいるよりはずっと良い。

 頼れる味方が、私の中にもう一人いると思うと、自然と勇気を出せた。

 そして私が足を運んだ目的地。それは葬式場。

 私のお葬式だ。


 猫である私は式場には入れないので、出入りが多いいエントランスを一望できる地点で、私は身を隠しながら陣取った。


「お父さん、お母さん」


 目尻を真っ赤にした両親が、式場に入っていくのが見えた。

 特に母は会話もままならないくらいに泣き崩れていて、それを見た私は、とても胸が痛かった。


 …突然いなくなってゴメンね…


 目の前で悲しむ家族と親戚。そして友人たちを遠目に見つめ、ようやく自分の死を実感した。

 その中でも、金髪に染めた髪の女の子が、母に負けないくらいの大粒の涙を流していた。


「ミミちゃん…」


 大学でできた私の親友。見た目に反して、彼女は凄く大人しい性格で、公衆の面前で声を上げるような真似はしない。そんな彼女が必死に嗚咽を押し殺して泣いている。

 私の為に泣いてくれる人たちを見て、私はまた胸が痛くなった。

 それからも、残酷に時間は進んでいく。

 葬式も終わり、私の亡骸の火葬が始まる。

 ところが、いくら待てども、例の彼が現れることはなかった。


「翔楼…あんニャろ~」


 悲しみよりもふつふつと怒りが込み上げてきた。

 瞬間、火葬場の煙突から私の怒りを体現するかのように、煙がモクモクと立ち昇った。


「見つけたら覚悟しとけよー!めったんのっ!めったんめったんにしてやるからなー!」



 ー



「翔楼…吾輩は怒っている!」


「どうしたんだ?急に…」


 声を荒げた私に対して、翔楼はキョトンと首を傾げた。

 私が怒りを顕にした理由。それは翔楼との生活が、数日どころか数時間という終盤に差し掛かった朝方。私は睡眠から目覚めた瞬間、雷に打たれたように思い出した。

 

「そういえば!翔楼って『彼女』のお葬式に来なかったよね!どうして来なかったんだよ!よし分かった!死刑!」


「急な判決!というか、お前もあの場所に居たんだな…」


 流石の理不尽に翔楼は瞳を丸めた後、冷静に弁明を始めた。


「一応な、僕も葬式場の目前まで、足を運んでいたんだ」


「なぬっ!」

 

 翔楼は物思いに目を伏せて、リビングの椅子に腰掛けた。

 嘘を言っている…という顔ではない。だけど私の記憶では、翔楼は葬式に現れなかった。

 矛盾する言葉と記憶。

 怪訝な思いを抱えたまま、私はテーブルの上へと飛び上がり、翔楼の言葉に耳を傾けた。

 

「でも、道中で一悶着あって、引き返してしまったんだ。ていうか、何で今更思い出したんだ?」


 翔楼はご機嫌でも取るかのように、私の毛並みを撫で始めた。

 しかし、その程度では私の怒りが収まるはずもなく、翔楼の腕を小さな前足でホールドして、残った後ろ足で本能のままに猫キックを浴びせた。


「オラッ!オラオラッ!吾輩は翔楼が来ると思ってずっと待ってたのニャ。この薄情者!吾輩の言葉が分かる翔楼が来てくれていたら、路頭に迷う事も無かったのに!うおおぉぉぉおおおお!」


「そりゃ悪かったな…」


 翔楼は呆れたように苦笑する。そしてサンドバッグの運命から脱却を試みようと、ホールドされた腕を囮に、もう片方の手で私の毛並みを優しく撫で回した。

 猫は反射神経は良いけど、守備範囲が凄く狭い。なにしろ前足を背中に回せない。全方位から攻められると弱いのだ。

 あれよあれよと全身を撫で回され、気づけば翔楼の手中に堕ちていた私。完全に籠絡された私は、不様にも喉をゴロゴロと鳴らしていた。


「………」


 ひょっとして、私ってチョロいのか…?

 なんて思っていると、なにやらリビングが、いつもより綺麗になっていることに気づいた。


「あれ?部屋の掃除でもしたの?」


「言っただろ、長らく家を空けるって」


 そういえば、最初に言ってたなぁ。

 翔楼は所用で、しばらく家に帰れないって…。

 だから私を友人に預ける算段をつけていたんだ。 


「そうだった。何処か行くの?旅行?」


「う~ん………まぁ、そんなところだ」


「いいなぁ。吾輩も行きたい!」


 私は目を輝かせて直談判した。


「悪いな。もう予約は、僕一人で埋まっているんだ」


「ちぇー」


 翔楼に断られ、私は口を尖らせた。


「そうだな。じゃあ、もし帰ってこれたら、僕と旅行にでも行くか?」


 思いもよらぬ提案に、私の期待値は爆増。犬のように尻尾を振って「行きたい!」と声を上げた。しかし、翔楼の言葉が胸に引っかかり、私は怪訝に眉を顰めた。


「ん?帰ってこれたら…ってなに?帰ってこられないかもしれないの?」


「ああ。僕がこれから行く旅は、きっと険しいものになるんだ。もしかしたら帰ってこれないかもしれない」


「サバイバルでもするのかニャ!」


「そうだよ。それくらい、命懸けの危険な旅になるんだ」


 おったまげ~と、思わず口をあんぐりさせる私。

 一体翔楼はどんな冒険に出るのやらと、好奇心に胸が騒ついた。


「じゃあ、帰ってきたら、吾輩と一緒に旅行しようね!翔楼と一緒なら、吾輩は何処へでもついて行くよ!」


 私がそう言うと、翔楼の頬が薄っすらと緩んだ。

 二人で世界を旅するのも、案外悪くないかもしれない。私はすでに死んだ身だけど、それでも思い出が欲しいなんて思うのは欲張りだろうか。

 無名さん、申し訳ないけど、もうちょっとだけ付き合ってね。


「ああ…そうだな。頼りにさせてもらうよ。神様」

 

 だけどこの時、何故だか翔の表情が、私の瞳には儚げに映って見えたんだ。


「でもその前に!真実を知らなきゃいけないから、吾輩が先に翔楼を見つけだしちゃうかもしれないよ!」


 すると私の言葉に、翔楼は「えっ?」と驚いた。


「なんだ。まだ諦めるつもりはなかったのか?」


「当たり前だよ!なんのために翔楼に会いにきたと思ってるんだ!それまでせいぜい、震えて眠ることだね!」


「そっか…。じゃあせいぜい頑張って、僕を見つけ出してくれよ」


 翔楼は私から逃げ切れると自身があるのか、フッと笑って見せたのだった。

 



 そうしてまた時間が過ぎ、とうとう別れの瞬間が刻一刻と迫ってきた。

 タイムリミットはあと数十分。翔楼によれば、新たな飼い主がもうすぐで到着するらしい。

 名残惜しいけれど、これが今生(こんじょう)の別れになるというわけでもない。

 帰ってきたら旅行に行くという約束もしてくれたし、私はそれを楽しみに、新たな飼い主のもとで悠々自適に暮らすのだ。

 新しい飼い主と言えば、その人は翔楼の友人だと言う。生前の私は、基本翔楼と一緒に過ごしていた。

 つまり翔楼の友だちは、私の友だちでもある。

 一体誰が私を迎えに来るのだろうと、期待に胸を膨らませていたところ、突然、家のインターホンが鳴り響いた。


「来たかな」

 

 噂をすれば何とやら。

 翔楼は重たい腰を上げ、室内のモニターを覗き込んだ。私も翔楼の肩に飛び乗り、一緒に玄関に佇む来客をモニター越しに拝んだ。


 …あれ?この人…茶待君だよね?


 背景が遮られるくらい、アップで映し出された巨大な顔。片桐(かたぎり)茶待(さじ)という大学の友人の姿に、私は瞳を大きく見張らせた。

 翔楼からも予め友人が来ると聞いていたので、特段おかしな話でもない。でも翔楼は、大学のみんなとは連絡を絶っていたはず。その大学の友人が来訪した事に、私は驚きを隠せなかった。


 …あれ?でも考えてみると小中高って、翔楼って私以外の友達…ほとんどいなかったような…

 …いや~、失敬、失敬。


 ともあれ、私が死んでから連絡を取り合ったのか、死ぬ前から連絡を取り合っていたかは、今はとりあえず置いておこう。

 それより、まずはこの再会を喜びたい。


「なぁ茶待、なんでカメラに顔面を押し付けてるんだ?凄く気持ち悪いぞ」

 

 翔楼は怪訝な表情で、モニターの向こうにいる来客に言った。

 深淵を覗く時、深淵もまたこちらを覗いている。その言葉が似つかわしいくらい、来客もまた顔をカメラに近づけて、中央に焦点が寄った瞳で覗き込んでいる。

 うん。キモい。

 そして、何故か来客は申し訳なさそうに、くぐもった声をマイクを通して送ってきた。


『悪い翔楼。まずはお前に謝っておく…』


 翔楼はキョトンと首を傾げ、とりあえず玄関へと向かった。

 そしてガチャリと扉を開けて、来客を家の中に招く…はずだったのだが…。扉を開けた瞬間、翔楼の動きがピタリと止まり、熱でも失ったかのように表情が一瞬で強張った。


「…ミミ?」


 そこに居たのは茶待という名の男友だちではなく、髪を金髪に染めた、やや幼さの残る女の子だった。

 

「久しぶり、翔楼君」


 三三屋(みみや)(かえで)

 茶待君の幼馴染みであり、私の親友でもある彼女は、少し気まずそうに視線を逸らして言った。

 思わぬゲストの登場に私は感極まった。だけど、対する翔楼は顔にぎこちない笑みを張りつけた。


 「ひ、久しぶり…」


 ……


 ………


 …………気まずい!


 重苦しい空気が流れる中、彼女の背後では、茶待君がペコペコと頭を下げているのが見えた。

 

 …何やってんだろう、この人…。


 それにしても、翔楼とミミちゃんって、もっと気さくに話せる間柄だったと思うけど、もしかして、私のいない間に何か会ったのかな?


「ニャ(まさか)…ニャウニャ(やっぱり浮気か)!」


「違うって!」


 突然声を荒げた翔楼を、来客二人は怪訝そうに見つめる。

 

「あっ、いや…なんでもない。上がってくれ」


 やらかしたといった様子の翔楼。やっぱり私の声は、翔楼にしか聞こえていないらしい。二人の様子を見て、翔楼もそれを察したのだろう。

 二人は、リビングへと通された。

 懐かしき友人達の会合。テーブルを囲み、賑やかな団欒が始まる…と思いきや、息苦しい空気が私たちの身体にのしかかった。

 そんな中、茶待君が最初に沈黙を破った。


「なぁ、翔楼。トイレ借りてもいいか?」


「ああ、こっちだ、ついてきてくれ」


 そう言って茶待君を案内するために翔楼も席を立った。そうして、リビングから姿を消した二人。

 こりゃ空気に耐え切れずに、逃げたな。

 まぁ、こっちはこっちで、女の子同士の親睦を深めるとしましょうよ。


「ニャニャ~(ミミちゃ~ん)…ニャウニャ~(久しぶりだね~)」

 

 ミミちゃんのお膝元に駆け寄り、可愛らしく愛想を振りまく。すると、彼女の堅苦しかった表情が、ほんの少しだけ和らいだ。

 流石は猫になった私のキューティクルチャーム。可愛いって…罪だね。

 それにしても翔楼、トイレの案内だけで時間がかかりすぎじゃなかろうか。もしかしたら翔楼と茶待君は、裏で打ち合わせをしてるのかもしれない。


「ニョ~ン(う~ん)。ニャミュラ(やっぱりそうだ)」

 

 その証拠に、私の聴覚の鋭くなった耳に、二人の声が聞こえてくる。

 最初の翔楼の表情から見るに、翔楼とってミミちゃんの登場は予想外の展開だったんだ。その事について茶待君を問い詰めているようだった。

 ところどころ聞き取れないので、ここは全神経を研ぎ澄ませて、二人の会話を傍受するしかない。

 

 …全集中…猫の呼吸!


「ふふ、可愛い」


 …ちよっ、ミミちゃん。今大事なところだから、

 …耳は触らないでもろて。

 

 改めて、人の何倍もの聴力を得ている私は、姿の見えない二人の悪巧みに聞き耳を立てた。


「で?結局バレたのか?」


「いや…。あくまで偶然、翔楼から連絡が来たって(てい)で誤魔化してる」


 焦燥感漂う翔楼の声に、茶待君は落ち着いた声音で答える。

 最初から聞いてなかったので分からないけど、もしかしたら翔楼の抱えている『問題』の事かもしれない。

 

「よかった…。それにしたって、なんでミミまで連れてきたんだよ。危うく心臓が止まりかけたぞ」


「洒落にならねーこというんじゃねーよ。楓がここに来ることになったのは、お前からのメールを偶然アイツが見つけちまったせいなんだよ」


「成る程、茶待の落ち度か…」


「いや、翔楼のメールのタイミングがだなぁ…。いや、よそう。ここで不毛な責任の押し付け合いしたって拉致があかねぇ」


「そうだな…」


「なぁ」


「どうした?」


「楓にはお前の抱えてる問題のこと、教えてやってもいいんじゃねぇか?」


「ダメだ」


「即答かよ」


「この間の事もあるし、ミミは優しいから、今以上に悲しむかもしれないだろ。だから、ミミには言わないでくれ」


「分かったよ」


 やっぱりだ。思っていた通り、話の内容的にも、茶待君は翔楼の抱えている『問題』を知っている。

 …茶待君よー、お前さん真っ黒じゃないか。

 私が落ち込んでいた時、ミミちゃんと一緒に励ましてくれたのに、あれは嘘だったのかい?

 あたしゃショックだよ。


 しばらくして翔楼はリビングに戻ってきた。時間差で茶待君も姿を現す。

 とりあえず、スパイ活動をしていた茶待君への制裁として、すれ違いざまに足首に噛みついておいた。


「痛っ!なんで!?」


 尻込みする茶待君をよそに、翔楼が私を抱き上げて宥めた。


「こら~、ダメだろヒマ」


「ニャッニョーン(挨拶をしただけニャ)」


 茶待君は屈み込んで、噛まれた箇所をさすった。甘噛みして手加減はしたので、傷にはなっていない。だけど彼は、そそくさ私から距離を取って、一番遠い席に腰を下ろした。

 私はそれを見て、しまった!と、自らの行いを反省した。

 茶待君は、私の新しい飼い主となる人。ファーストコンタクトは肝心だ。このままだと、今後に悠々自適な生活に響きかねない。

 私は翔楼の腕を振りほどいて、ヒョイっとテーブルの上に飛び乗った。そして、人懐っこい猫を装って、人畜無害な事をアピールする。


「ニャウゥー(ザッ、キューティクル)!」


「猫って本当に気まぐれだなぁ」


 そう言って警戒心を緩めた茶待君に、ミミちゃんも「そうだね」と槌を打つ。

 ただ翔楼だけは、なんとも言えないような神妙な面持ちで、私をジッと見下ろしていた。

 …なんだい?翔楼。言いたいことがあるのなら言いなよ。

 …この状況で、言えるもんならね。

 なんて調子に乗っていると、なんの前触れもなく、私の中で眠っていたペルソナが、ふいに目を覚ました。


「オヤ?知ラヌ顔ガ増エテイマスネ」


「ニャ(あっ)、ニャオラ(やっと起きたな)ニャッフーン(この寝坊助さん)!」


 眠り姫のお目覚めに、思わず声が弾む私。そんな私の姿を、来客二人は微笑ましそうに見つめていた。だけど翔楼だけは、訝しげな視線を向けた。


「どうしたヒマ?」

 

 再会した時からそうだったのだが、翔楼には私の声が届くというのに、無名さんの声は聞こえなみたいだ。

 ひとつの身体()を共有しているから、単に私にしか聞こえない、という事もあり得なくはない。

 このことも、あとで無名(ナナシ)さんに聞いておこう。


 「ニャフ(ちょっと)、ニャウゥー(ゴッ友が起きたみたいだから)、|ニャラニャラ(話してくる)!」


 そう言ってみんなを残し、私はリビングを後にした。私の声を翔楼に聞かれないようにするためだ。

 だけど、みんなのことも気になるので、翔楼たちの様子を窺いながら、リビングの前に陣取ることにした。


「もう、待ちくたびれたよ、無名(ナナシ)さん!もう目を覚まさないんじゃないかってヒヤヒヤしたよ!」


 私と翔楼が再会した直後、「少シ眠リマス」と言って、つい先刻まで眠りこけていたナナシさん。

 当時は、私に体を譲って、永遠の眠りについたんじゃないかと、本気で肝を冷やした。


「ドウヤラ、肉体ノ感覚ガ無イト、体内時計モ失ワレテシマウヨウデスネ。申シ訳アリマセン…」


 と、平謝りする無名さん。


「少シダケ神力モ回復シマシタシ、恩人様トノ共鳴(リンク)ヲ強化シテオキマショウ」


「ん?いま何かしたの?」


「コレト言ッテ何モ…。タダ肉体ノ他二、恩人様ノ感ジル感覚モ、僅カナガラ共有サセテ頂キマシタ。コレマデガ聴覚ト視覚ダケ共有シテイタトコロニ、触覚ト味覚ヲ追加シマシタ」


 なんか地味だなぁと、思ったけど、無名さんが気にするかもしれないので口には出さなかった。

 さておき、今の現状と今後の方針について、無名さんと軽い打ち合わせをした。

 名前を偽り、神様を装って、これまで翔楼の家で世話になっていたこと。

 翔楼との生活はおしまいだということ。そして今日からは、茶待君のところでお世話になるということ。

 翔楼から茶待君へのメールを偶然目撃したミミちゃんが、急遽一緒にやって来たということ。

 思いつく限りのことはすべて話した。

 

「ワカラナイノデスガ、名前ヲ偽ル必要ガアッタノデスカ?」


「姿を消してまで、私から秘密を隠し通そうとする人だよ?本当の名前を名乗ったりなんかしたら、教えてもらえるものも、教えてもらえなくなっちゃうよ。そもそも信じてもらえるかも微妙なところなのに…」


「ソウイウモノデスカ?」


「そう言うものだよ」 


「ソレニシテモ、オ通夜(ツウヤ)ミタイニ暗イ雰囲気デスネ。本当二彼ラハゴ友人ナノデスカ?」


 リビングの様子を窺っていると、陰鬱そうに無名さんが言った。

 翔楼、茶待君、そしてミミちゃん。久方ぶりに対面したというのに、私が席を外してからというもの、一段と重苦しい空気を展開している。

 茶待君が必死になって場の空気を取り持とうとしているけど、どれも空振りしているようだ。

 昔は仲良くお喋りしていたのに、今の光景を見ると悲しくなる。

 特に翔楼とミミちゃん。二人が再会を果たした時から、二人からは気まずさを通り越した、並々ならぬ因縁を感じとった。

 時間は人を変えるって言うけど、なんでもないいから早く、前見たいな仲良しに戻ってほしい。


「ところで無名さんさん。翔楼には私の声が聞こえるみたいなんだけど、これって一体どういうことなの?」


「スミマセン。ソモソモ前例ガ少ナイノデ、私ニモ何ガ何ヤラ…」


 どうやら、翔楼の言葉を解する力は、悠久の時を生きる無名さんにもわからないようだった。


「ソレヨリモ恩人様。報告シタイコトガ…」


 改まった様子の無名さんに、私は「どうしたの?」と返した。

 すると無名さんは、自身満々に告げた。

 

「ドウヤラ私ノ神気ガ思イノ(ホカ)、回復シテイルヨウデシテ。コレナラ想定ヨリモ早ク、祝福ヲ与エルコトガ可能カモシレマセン」


 他者に祝福を与えるという、無名さんの力。私を体に留めるのにも、その神気をつかっているという。

 元々は、生命()を次のステージへとアップデートさせることが、本来の能力の使い方らしい。

 弱き生命を強い存在へ。強い生命は、さらに強い存在へと…。

 しかし、あらゆる神秘に制限を課すこの世界では、その力にも限度がある。

 それは人の観測できる次元を、ほんの少しだけ拡張できる程度。つまり、高次元へのアクセスを可能にして、死者や無名さんの声を、聞こえるようにすることだ。

 当初はこの祝福の力を、翔楼に与えるつもりでいたけど、何故か翔楼は、私の言葉を理解することができていた。そのため、祝福を与える必要が無くなっている。

 だけど、真相に辿り着く事が出来なかった今、私にはさらなる仲間が必要だ。

 というか、それで真実にたどり着ける。


「神気ノ回復マデ、アト数日デス」

 

「うん。誰に祝福を使うかは、もう決まっているよ」


 私はその人物を、鋭い眼光で睨んだ。


「片桐茶待君。彼に祝福を与えて、全ての真実を聞き出そう!」


 

 ("…")

 J(米)L  

  i i

 


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