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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

木のうえで立って見るは、一りの了

「やっ、君、わたしの子どもになってみないかい?ちなみに父親と母親、どっちがいい?」

その一言で、わたしの人生は動き始めた。

一人の、奇天烈な女が、わたしに子供になれと言った。
目的も、動機も、行く末も、何も分からない。何を考えているかも分からないし、その行動の全てに文句を言いたくもなるような、奇怪な女だった。

けれど、わたしはその申し出を受けた。受けてしまった。
女の手に握られた一冊の手記、それを手にわたしに語りかけてきた女の顔に、わたしは既視感を覚えたのだった。

「わたしも、今の君と同じ、一人ぼっちさ。もう長いこと、一人で旅をしている。君には想像もできないくらい、長い時間をね。わたしも、今の君のような感情を抱いている。そう、いい加減死んでしまいたいってね。」

大切な記憶だった父との生活。もう戻ってこない悲しみ、それ以上のものをこの女は抱いている。そんな気がしたのだ。

そして、わたしはこの女と旅を始める。
行く当てのない、一人ぼっち同士の、親子を知り、親子になるための、旅を。
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