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歓声のあとに ―忘れられた旗印―  作者: 草花みおん
第一章 少女と少年

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ルミナの日常 ― 一日の終わり

夕暮れの丘を下り、小さな石造りの家に戻ったルミナは、扉を閉めてほっと息をついた。

町の賑わいが遠ざかり、家には静寂だけが広がる。


かまどに火を入れ、野菜とパンで簡単な食事を整える。

スープの湯気が立ち上り、窓の外に瞬く町の灯と重なり合う。

ひと口ごとに温かさが体を満たし、疲れがゆっくりほどけていった。


食後、桶に水を汲み、布で体を拭う。

瑞々しい肌に残る水滴が月光を受け、小さな星のように煌めいた。

滴は鎖骨を伝って胸元へ流れ落ち、壁に映る影を淡く揺らした。

夜風が吹き込むと草いきれと野花の香りが混ざり、少女の輪郭にほんのりとした艶を添える。


やがてルミナは磨かれた金属板の前に腰を下ろし、髪を解いた。

栗色の束がさらさらと崩れ、肩から背へと流れ落ちる。

それは夜の静寂に落ちる小さな滝。

月明かりを受け、絹布のように柔らかに光を返しながら波打った。


木櫛をゆっくり通すと、髪は流れる糸となり、さらさらと小さな音を立てて夜に溶け込む。

風がそっと吹き込み、髪の先が舞い、月下に咲く野花の花弁のように香りを散らした。


「母さんも、こんなふうに……」

唯一の遺品である木櫛を撫でながら、ルミナは小さく呟いた。

月光に包まれた横顔は、町で見せる快活さとは違い、儚げで繊細な少女のものだった。


櫛を枕元に置き、寝台に横たわる。

布団に流れた髪が月光を受け、淡い光を返した。

野花の香りがそっと漂い、夜の静けさがすべてを包み込む。


そのままルミナは静かに目を閉じ、安らかな寝息とともに、一日の幕を閉じた。

うまくまとめきれてないです。

読みにくくてすみません。

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