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基地襲撃 5



また近くで土煙が上がりのその音の聞こえたほうを見る。

赤雲種墨の生み出したスケール1が暴れているようでその破壊音が近づいていた。


「急いで基地のバリア内に入らないと。はぁ、つらい」

「基地の方にスケール1の巨躯たち集まってないか」


「アースライトの反応が大きいからでしょ」


遠方では光弾やビームが大桜山とそこに存在する都市へと向かって移動を開始した輪天暴羅。

攻撃を受け一時的に退けることはできているものの空を飛び力任せに攻撃を行うスケール4に護国獣は押されている。


『赤雲種墨より新たな巨躯、計測されたアースライトエネルギー量からスケールは2相当。報告に上がった情報は意思を持ったビームの様でそのすべてのエネルギーを使って自爆するとのこと、注意されたし!』

『影刃青輝が方向転換、基地の方へと向かっている! 基地防衛中の戦車隊、質量弾頭用意! アースライトそのもののエネルギーが捻じ曲げられるが特殊部門のオペレーターが作った試作ミサイルは直撃した、高速目標向けの試作弾頭は放物線をえがく。注意して狙え』

『守白晶龍配置に到着、重聖射光とともに輪天暴羅の対処を』


報告と同時にハクマたちの近くに影刃青輝が向かってきた。

ただ走り回っているだけで地面を揺らし、土も道路もめくりあげ、岩や石を空へと巻き上げるそれは車両やハクマたちにとって十分な脅威。

壊れた車両の影や戦闘集の車両のバリアーの下をくぐりながらハクマたちは基地を目指して走る。


「でかい的相手に何で外すかな、ちゃんと狙いなよ」

「よそ見していると転びますよカヅキさん」


轟音とともにアースライトが変換器を使って物質化した砲弾が放たれ、被弾した影刃青輝がよろけバリアを張った戦車に躓いて転倒。

背飛ばされた戦車も地面を転がったがバリアで逆さになることを防ぎ履帯で着地するとすぐにその場を離れた。

倒れた勢いで地面が激しく揺れハクマたちは地面を転がった。


「倒した、この機会にとどめを。ルツキちゃんの力を取り返せ!」


基地の方が眩く光りアースライトのオレンジ色の光とともに緑色の空に大きな塔が生えていくと同時に基地内に黄色い回転灯の点滅とブザーのような警報が流れ始める。


『支柱完成。基地のバリアを最大化、付近の歩兵はすぐに戦車のバリアの中に隠れるように』

『影刃青輝の転倒位置を補足、重聖射光に位置修正を指示、守白晶龍の能力を重聖射光に、砲撃準備完了、砲撃カウントダウン。5、4、3、2……』


起き上がろうとする影刃青輝の背に重聖射光のチャージした太い光の柱が撃ち込まれる。

しかしビームは逸れて上空へと消えていったが、そのビームと一緒に飛んできたアースライトで作られた結晶体がまっすぐ光に近い速度で影刃青輝に直撃、送れて音の壁がハクマたちを叩き響き吹き飛ばし、最後にまた地面が大きく揺れた。


「くそっ、昨日まですごく平和な日々だったのに、ひどいな。土埃で全身まっ茶色だ、口ん中きったか。カヅキさん無事ですか」

「人の心配できるのすごいね。あー、あー? 片耳音が聞こえない。やったかこれ? 今回の戦い怪我人多いだろうし治療してもらうには時間かかるだろうな。まぁそれ以外は健康か」


音と衝撃波による強い耳鳴りと眩暈。

何かに掴まってられないと自力で立ち上がることもできずあたりを見回せば衝撃波の影響で気を失っているものが多くいる。

口の中の血と泥を吐き出しハクマは基地と大桜山そして目の前の土煙を順に見回す。


「影刃青輝は」


火山の爆発のような巨大な土煙が上がっており戦車隊はスケール1を対処するために動き出した車両以外はすべて土煙の上がる方に砲を向けている。


『護蒼豪腕、バリア破壊、輪天暴羅の攻撃直撃、バイタル危険域、すぐに撤退を!』


遠くで轟音が聞こえるものの静まり返った周囲の小さな音が大きく聞こえどこからか無線の報告が聞こえてくる。

黄色と青白く光る芋虫のような巨躯が体をうねらせ三次元的な動きで基地のバリアに衝突し大爆発を起こす。

ハクマの四方で様々なことが起き続け、ふいに肩を掴まれ我に返る。


「ハクマ君!」


先ほどまで隣にいたカヅキが軍用の電動バイクを押して戻ってきたところだった。


「変換機を取りに行く、これ無線機。基地と連絡とって」


軽く土埃を払ってバイクに乗ると今まさに光となってい消えていく影刃青輝に向かって走り出す。


舗装された道を離れ抉れた個所をよけながら走るバイク。

離れていく基地を見ながらハクマが訪ねた。


「勝手なことしていいんですか、変換機の回収は別の誰かがするから邪魔になるんじゃ」

「そっちの耳は今聞こえない。いいんだよこっちで回収しておけばこれ以上奪われることはなくなる。これ以上さ、ルツキちゃんの影刃青輝が悪さをしなければなんでも」


巨躯、護国獣の戦闘の跡はすさまじく地形そのものが変わり巨大なクレータ―となった中心に人が一人うつ伏せで倒れている。

カヅキは警戒し速度を落として近づきゆっくりと近寄った。


「あれが変換機を使っていた襲撃者なのかな。長時間変身してたみたいだし気を失ってる……?」

「あの人影は……」


何かあればそのまま轢いてしまう勢いで近寄ったものの、倒れている襲撃者は意識が完全にないようで、停車後その見覚えのある人影にハクマは駆け寄りその体を起こす。


「……ラキさん」

「うそ、しんでる? ……さっきの攻撃の余波? 熱とか毒ガスとか?」


苦悶の表情のまま固まっている襲撃者の冷たい手から変換機を取り戻す。


「苦しそうな顔してるね。取り戻したら基地に連絡しないと」

「皮膚が変質してる、手が特に石見たいながさついた」


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