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基地襲撃 3

空が眩く光ったかと思うと龍装烈輝の姿はなく一つのパラシュートがゆっくりと降りていくのが見える。


「レイサ様護国獣かを解除、陸地に移動する余力もないようです」

「って、このままだと海に落ちるじゃないですか!?」

「護進鳴鯨に連絡して彼女の上に下ろす。機体を降下させてくれ」


呼びかけを受けて海中から浮上する護国獣。

鯨や潜水艦のような凹凸のほとんどないないつるりとしたその背に着陸し、戦闘後の体調不良で気を失っているレイサを待つ。


「もう奪われた影刃青輝は倒されたんですか?」

「当然ですが出現した影刃青輝は護祈ルツキの再生能力を所持してはいません。それゆえ対処はすぐ終わるはずと考えられていました」


「ということは」

「現在も戦闘は続いているようです。戦闘が続いているという報告だけでどうなっているかまではわかりませんが」


「大桜山は数体の護国獣が守っているんですよね、倒せていないとなると速度を生かして逃げ回っていたりするんですかね」

「なんとも。ハクマ君、話の続きの前にレイサ様が降りてきます回収を」


「了解です」


操作され護国獣の方へとゆっくりと降りてくるレイサを待機していたハクマが回収し、体調のチェックなどを行い意識のないレイサを担架に乗せてティルトローターに運び動かないように固定するとすぐに基地への帰還へ移る。


「レイサの様態は」

「呼びかけに応答はなく非常に衰弱している状態。非常に危険とは言いませんが、芳しくはない状態です。急ぎ基地へ」


残された護進鳴鯨と海上の護国防衛隊はもう一体の巨躯の討伐の応援に向かって消えていく。


「上からの命令が出ました、ハクマ君とカヅキさんはレイサ様を基地へと輸送後すぐに大桜山基地へと向かってください」

「俺たちだけ?」


「いいえ、正しくは基地に最低限の人員だけを残し動かせる人員はすべて大桜山への応援へと向かわせるようにとの指示で他にも数十名います。近場の基地すべてにその指示が出ていることでしょう」

「何か起きたんですか?」


「所属不明の巨躯……登録にない他国の護国獣の出現です。数は3うち一体はスケール1を生み出す力を持ち都市と大桜山基地を攻撃中」

「他国の?」


「推測などはあまりすべきではないですが、防衛隊内部でも噂程度に流れていたことです。今日まで続く襲撃者を支援していた者、どことは言えませんがアースライトの製造方法を盗もうとこの国へ来ていたスパイでしょう、アースライトは変換することによって物質や莫大なエネルギーを生み出すのは知っていますね」

「はい、今の世界はアースライトなしでは生きていけないエネルギー依存社会だと」


「そのアースライトの製造を行っているのはこの国だけです。前々から他国もその製造法を知りたがっていましたが、それによっての戦争、自然破壊、理の過度な破壊を恐れて製造方法も輸出量も制限し、その情報は都市の人間も防衛隊の人間もほとんど知りません。実際アースライトの作り方を知っているのは国を動かす一握りとリウガンさんだけでしょう」


「アースライトの存在を公開した時から懸念されていた、エネルギー格差が生み出した不満の爆発。あるいは、ここ数年で活発に現れる巨躯に対する被害への恨み、アースライトが制限あるいは提供されないということは巨躯に対する防衛策がないという事ですからね。攻撃性の高い国は忠告警告に従わず、すべて他者のせいにする傾向があり思考を与えられない国民はそれを信じます。襲撃者がこの国で生まれたとするなら彼らは世界で生まれたもの」

「なん……ですかね」


陸地では上陸を妨害するために待ち構えていた戦車部隊が撤収準備を行っている最中で通行止めだった道路が解放されていっていた。

他の基地から大桜山に行く増援と思われる攻撃ヘリの一団が、基地へと帰るティルトローターの遥か上を高速で飛び越えていく。


基地へと到着すると気を失っているレイサは自室に速やかに運ばれていき、ハクマとカヅキは着の身着のままレイサのサポートチームを離れ基地内で待機している輸送車のもとへと向かわされる。


「飛んでいった方が早いのに、運転でもないしただ座ってるとすることないんだよね」

「車両だと向こうに到着頃には夕方くらいか。それまでに決着がついてるんじゃないか?」


「ついてないと思っているから応援を呼んでいるんじゃないかな。僕の仕事は乗り物専用なんだけど、攻撃ヘリの方をよこしてほしいよね」

「スケール1がいるとか、白い銃で何とかなるんですかね。というか今までずっと貸し出されているんですけど、各地から人集めてて武器の数は足りているんですかね?」


「設定は必要だけどアースライトで作れるからね、あれらの銃は。さすがに討伐用の高出力な物を渡してくれるだろうけど、こう雑多に集められると兵科も減ったくれもないな。いつも購買で会う整備のおっちゃんいるし」


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