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基地襲撃 2

レイサの護国獣は飛ぶのではなく浮くに近いため空中からの投下が必要になる。

もとより他の護国獣より大きく変身すると周囲に被害が出るためどのみち地上からの彼女の出撃はない。


「闇陣雲閣、見えました」


彼女は小さく震えながら戦いが始まるまで静かに瞑想をしている。

海上の天候は荒れ模様で強い風を受け機体が小刻みに揺れていた。

戦闘区域へと向かってまっすぐ飛んでいたティルトローターが巨躯の進む進行方向の先回りをするため大きく進路を変えていく。


「……レイサ様」

「わ、わ、わ、わかっています。いつでも、出撃できます」


海上では海洋型と思われる護国獣が海中から攻撃を行っているのが、暗い水面が光り瞬く様子で見える。

海上にも高速船が複数隻と遥か後方に高速艇指揮護衛艦が二隻確認できる、無人の高速船は巨躯を取り囲むように海上を駆けまわり攻撃を行っている。


「戦闘中の部隊に報告、戦闘を引き継ぐ。直ちに戦域を離れ龍装烈輝の攻撃の巻き添えを受けないようにと」

「かしこまりました」


闇陣雲閣と呼ばれる巨躯は黒くまったく光を反射しない海上に空いた深い穴ではないかと錯覚するよう。

小さなハチの巣を逆さにしたような穴だらけの体、下面に数本柱のようなものが生えていて動きに合わせてゆらゆらと揺れている。

攻撃はその穴からスケール1を上空へと向かって射出し追撃してくる海洋型の護国獣へと落とす。

空高く打ち上げられたスケール1は螺旋状の槍のような形状をしており、末端に着いた3枚の羽で方向転換し高速で回転しながら落下する。


「到着しました」


進行方向の先に回り込んだティルトローターが巨躯に背を向けて飛び始める。

水を飲み呼吸を整えるとレイサは立ち上がりパラシュートがしっかりついているかを確認したのち開け放たれたドアの前に立つ。


「行ってきます」


レイサが飛び降り彼女を見送ることなくティルトローターは速やかに安全区域へと飛び去る。

同じように海上でも展開していた護国獣と高速艇らが撤収していく。


「護進鳴鯨ら戦闘部隊撤収開始」

「レイサ様の変身を確認」


上空で眩いオレンジ色の光が輝くと広く薄いエイのような巨大な影が空に浮かび上がる。

龍装烈輝は闇陣雲閣へと向かって移動を開始しその間に攻撃の準備を進めていた。


「雲が多いせいで高度を上げられないようですね」


護国獣の下面にある腹、魚のえらのような個所が大きく開き結晶のような発光器官が下方へと向かって伸びていくと龍装烈輝の攻撃が始まり、眩い光が海上にいる巨躯へとむけて放たれる。


数秒間の白い光が空間を埋め尽くし白い光が収まると、海上は空へと向かってキノコ雲のように立ち上る白い蒸気の柱から巨躯が姿を現す。

ダメージを受け漆黒の塊は白色や灰色のまだら模様を波打つように浮かべる。


「闇陣雲閣なおも健在、……ただし大きなダメージを受けている様子」

「すぐにもう一撃を、撃たせなさい」

「隊長本部から全護祈監督者へと連絡が、例の変換機を盗んだ襲撃者の件です」


龍装烈輝が次の攻撃を行う前に闇陣雲閣の上面を向けた穴からスケール1を複数射出。

螺旋状の小さな巨躯らは高速で回転を行い空に浮かぶ巨体である龍装烈輝へと障壁を突き抜けて衝突する。


「カヅキさん、せめてあの撃ち出されるスケール1だけでも対処してあげられないんですか」

「無理言わないで、護国獣の攻撃の衝撃波で落ちる。私らが近寄ったら護国獣が攻撃できなくなる」


激しい火花を伴って護国獣の体に衝突し爆発、攻撃を受けて龍装烈輝が大きく身をよじった。

高速で動き回ることもできず闇陣雲閣から撃ち出されるスケール1をもろに受ける龍装烈輝。

攻撃を受けてゆっくりを高度を落とし始める龍装烈輝の第二射。


「レイサ様の集中力が無くなって降下中、持ち直さなければ海上に落ちます」

「こればかりはあの子に頑張ってもらうしかない」


二つ目の雲が立ち上り白い柱の中から闇陣雲閣が現れる。


「巨躯なおも健在」


形こそ保っているがしかし闇陣雲閣は半身を海中に沈め黒かった体が灰色がかり速度もかなり落ちていた。

攻撃の頻度も落ち撃ち出されるスケール1も狙いが定まらず勢いも足らず護国獣に当たる前に海上に落ちていく。


「もう一撃、撃たせられるか」

「呼びかけに反応なし、龍装烈輝なおも降下中」


だんだんと海面に近づく龍装烈輝の巨体は、ふいに落下が止まったかと思うと大きな口を開け咆哮を放つ。


「上昇を開始しました」

「だいぶ無茶をさせたな、またしばらくは彼女は動かせないな」


とどめの一撃。

高度の落ちた龍装烈輝の発光器官が触手のように伸び闇陣雲閣の穴の部分に伸びていく。

そこで三度目の眩い光が放たれ光が弱まっていくとそこに巨躯の姿はなく、すぐに巨躯のアースライトの反応がないか龍装烈輝が咆哮を上げて探す。


「海中にアースライトの反応あり、ですが反応小さくなっていきます」

「倒したか、……護進鳴鯨を呼び戻して海中で最終確認を」


龍装烈輝とティルトローターはその場に待機し海中に沈んだ闇陣雲閣の討伐報告を待つ。

報告を待つ間ハクマが訪ねる。


「さっき、ルツキさんの変換機のことで何か……」

「ん、ああ。盗まれた変換機を使って護国獣影刃青輝が出現した。場所は大桜山基地付近、前に反応があった位置からこちらへと戻ってきたらしい。捜索に何人もの護祈や大勢の防衛隊の人間を向かわせていたが。予想通りアースライトの採掘場である大桜山付近に現れた。巨躯出現で慌ただしくなっているこの瞬間を狙ったんだろう、とはいえ歴戦の8名の護祈が防衛設備の整った基地と都市で待機している」


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