輝き 4
腹、魚のえらのような個所が大きく開いたかと思うと結晶のような発光器官が伸びてくる。
「攻撃が始まると強い光が出ます、見ていない方がいいですよ」
説明の途中で護国獣の攻撃が始まり、眩い光が地上へとむけて放たれた。
白い光が収まると地上は白い蒸気に包まれていて、焼けた地面の真ん中に停止した巨躯が居る。
半球状で下面にいくつもの足が見える昆虫か頭のない亀のような巨躯。
発見から上陸までが早く巨躯はいまだに命名されておらずスケールも未知の状態だったが、護国獣の攻撃で進行は止まり周囲の蔦も消滅した。
「巨躯、進行を停止」
ティルトローターが揺れカヅキが叫ぶ。
「目を瞑っても目が、シパシパする! ちょっと、偏光センサー。周囲に防衛隊のヘリが飛んでないと思ったらこういう事かぁ」
攻撃を受け体ごと回転し攻撃した相手を探しているようでそこに龍装烈輝の二度目の攻撃が放たれた。
「相手はこちらに気が付いていないようです、ここからだと頭がどこにあるかわからないですが」
「あの甲羅だか殻の下側なんですかね」
戦闘区域からティルトローターが離れると龍装烈輝と戦う巨躯の特徴を観察する。
「やはり殻の下に目があるようだ、上空にいるレイサは安全に戦えそうだ」
「光る目としての機能を持った発光器官がずらりと並んでいてホタテみたいで気持ち悪いですね」
空中に浮かぶ龍装烈輝の攻撃でカメラのフラッシュの様に何度も眩い光が光り、周囲の地面が赤く溶けだした。
「地面が溶けてる、すごい威力ですね」
「ええ、放たれたエネルギーを火や水のように相手にぶつけるのではなく雷のように流す攻撃です」
龍装烈輝の攻撃を受け続けて巨躯は地面を踏み鳴らし、その場を回転し攻撃をしてくる敵を探している。
巨躯の周囲の溶けた岩が動き出す。
「今度は岩の巨躯みたいだね」
アースライトの力で動き出した溶けた溶岩はうねり空へと延びていくが、龍装烈輝の巨躯への攻撃で巻き添えを受けてただの溶岩へと戻っていく。
戦闘開始から10分ほどで巨躯は倒れ光となって消えていく。
「戦闘終了ですね、あとは任せてレイサの回収へと向かいましょう」
「少し移動しないと地面が煮え立って無理そうですね」
巨躯の消滅とともにアースライトの力で巨躯となっていた無際限に広がっていた蔦が同じく光となって消えていく。
「奇麗な光ですね」
光の海となった個所から離れた道路の上にティルトローターが着陸しそこから離れた場所にある公園でハクマたちはパラシュートで降りてくるレイサを待つ。
上空の龍装烈輝も消え空には戦闘で焼けた植物から出る立ち上る蒸気とパラシュートが一つ浮かんでいるのみ。
「彼女はリモートでこちらに誘導しております、自分でコントロールできる体力が残っていない場合がありますので、ハクマさんには自力で立てないであろう彼女を怪我しないように変換機の捕獲機能を使って保護してください」
「わかりました」
老隊長の手元にあるデバイスでレイサのパラシュートは降りる場所と角度を操作されている。
ハクマは公園に降りてきたタイミングで白い銃の引き金を引くとレイサはオレンジ色の球体に包まれ公園の真ん中に落ちた。
「すぐに変換されたアースライトを中和し彼女の体調の確認を」
ハクマたちとともに同乗していたサポートチームがレイサのもとへと駆け寄り、包まれたばかりのオレンジ色の球体を消滅させ彼女に質問や検査を行う。
「あとは彼女を回収し基地へと戻るだけです。空への攻撃を持たない巨躯との戦いだったので彼女に傷はないでしょう。しばらくの体調不良ののちまたいつものように活動できると思います」
「空からの一方的な戦いでしたね」
「すぐに決着をつけようと最大火力で暴れたようですが、結果的に周囲の被害を拡大を減らせたのですから、久々の戦闘としては十分でしょう。龍装烈輝は体が大きく移動速度は遅くないものの機動性はなく攻撃を避けることは難しい。そのため戦闘になれば怪我をすることが多く、同じ飛行型や手足の長い巨躯に組み付かれることも少なくありませんから」
「確かに羽というか鰭というかみたいな造形がありましたね、あれは空を飛ぶのに必要な形なんですか?」
「それはレイサ様に直接聞いた方が詳しい話を聞けるでしょう。私たちは護祈、護国獣を本部の指示に従って運用するだけですから」
明るかったアースライトの輝きが消え巨躯の進行で広がっていた蔦が完全に消える。
後には茶色く枯れ葉てた植物が広がる大地が広がっていた。
「植物が……枯れている」
「ああ巨躯化した影響ですね、命をエネルギーへと変換し形作るその代償。変換機もなく出力を調整されることなくすべてをエネルギーに変換した結果、生命力が付き枯れてしまったのです」
「それって大丈夫なんですか? 護祈はアースライトの力を使って変身しているんですよね?」
「変換機を使って人体には影響はほとんど出ていません。少し体調不良になるだけです。帰る準備が整いました帰還しましょう」
基地へと帰還するとレイサは自室へと運ばれていく。
老隊長らは報告のため宿舎を後にしハクマは待機状態となり休んでいると乗り物の鍵を返しに来たカヅキが近寄ってくる。
「どうしたのハクマ君、なんか暗い顔してるけど」
「そんな顔してました?」
「帰ってきてから? 出発前とかはそんな顔してなかったし」
「なんでしょうかね。今までルツキさんのところで働いていたからほかの護祈のサポートチームにいると違和感を感じてしまうんですよね。ここではなんか護祈の扱いが物の様で」
「ああ、そういうこと。まぁ、間違ってはないでしょ。常にメンテナンスされ発揮できる最大の力で戦えるようにしている、ルツキちゃんも他の護祈も、巨躯を倒すことを期待されてるんだから。というか防衛隊なら僕たちも物扱いでは?」
「そうなんですけど、なんというか。護祈達が特別待遇を受けているからか」




