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輝き 3

カヅキの到着に合わせて建物から人が出てくる。

首飾りを付けた護祈と思われる少女とサポートチーム10名ほどの人影。


「ユウスイさんみたいに小さいですね」

「私も思った。言われないと護祈どころか大人にも見えないね」


二人は車から降りて挨拶に向かう。

護祈は人見知りの様でサポートチームの影に隠れてしまい代わりに老齢の男性が前に出て挨拶を交わす。

レイサのサポートチームは年齢層が高く執事服とメイド服が仕事服の様で防衛隊の施設の中で少し異質さを感じる。


「ヨサキルツキのサポートチームかたたちですね、本日からうちのレイサのお世話をお願いします」

「よろしくお願いします」


二人は他の護祈のサポートチームのことをよく知っているため服のことは気にせず、人見知りなゴシックな服を着た護祈の方を見ていた。

そのゴシックな服装の護祈は老齢の隊長の影に隠れている護祈がサポートチームの腕に掴みながら前に出た。


「よ、よろしくお願いします」

「それでは部屋を案内しましょう」


建物に入ってすぐハクマたちに護祈ごとに変わったりする仕事着を渡される。


「こちらが仕事着になりますので、休憩室の奥の部屋が更衣室になります」

「わかりました」


ラショウの時もスーツを渡されたためハクマは素直に受け取り、カヅキは他で働くのが初めてなのか着替えを渡されたことを不思議そうな顔をしていた。

着替えて合流する執事服のハクマとメイド服姿のカヅキ。


「なんというか、よく似合ってるな」

「そりゃどうも、何で僕だけこんな目に。こういうのはルツキちゃんやユウスイが似合うのに」


「ルツキさんは護祈だから着ないと思うんだけど」

「大丈夫、あの子おだてりゃ着るから。掃除や料理が趣味だし、そういう作業着っていえばごまかせるから」


「思ったより動きやすいなこの服」

「それ用に素材や形を改良しているしね」


ハクマたちが着任した日の午後、建物内に巨躯出現の警報が鳴り響く。

警報音を聞いてレイサの顔色が悪くなる。


「巨躯の出現、この区域ですよね? 出撃命令は?」

「すみません。レイサは非常に繊細で今まで戦闘にあまり参加していません。護国獣になるには体の負担が大きく、この子はその負担に耐えられない」

「ここからルツキが居なくなって護祈も都市の警備に回されて、巨躯の防衛ライン的にこの基地結構前線寄りだと思うんだけど」


手の震えを抑えるように両手を胸の前で重ね目を瞑り深呼吸をするレイサ。

カヅキとハクマが彼女の様態に戸惑っていると彼女の背中をさすり説明を始めた。


「彼女は一度、巨躯にとりつかれ体の自由を奪われ味方に攻撃されました。そのトラウマで今も戦うことを恐れているのです」

「確かに、味方に攻撃されるのは……痛みも伴うんですもんね」

「いいえ。味方を攻撃するという辛い役目を他の護祈に強いてしまったことに、彼女は優しいから」


執事服の隊長がデバイスを操作し重々しく決定事項を読み上げた。


「レイサさま、出撃命令が出ました。人員不足でこれ以上、龍装烈輝を休ませている余裕はないとのこと」


ルツキが居なくなったことで分担していた出撃が回避できなくなり、このタイミングで出撃が命じられる。

両手を強く握り祈っていたが諦めたかのように腕を降ろすとうんと頷きサポートチームを何人か連れて着替えのため部屋を後にした。


「では皆さん出撃の準備を! カヅキさん、ティルトローターの操縦をお願いしますわね」


サポートチームは一斉に行動を開始しカヅキもハクマも出撃のため建物出る。

白い衣服に着替えて合流するレイサ。


「レイサ、出撃します」


泣き出しそうな震える声で自分を奮い立たたせている。

カヅキに操縦を任されティルトローターが基地から飛び立つと出撃した巨躯へと向かって飛んでいく。

レイサのサポートチームの数が多いこともありティルトローターは3機で、他2機は途中で別れ通行封鎖などの戦闘の裏方の仕事へと向かった。


戦闘区域に入り大きな影が見えてくる。

その巨躯を中心に流れる水のような勢いで無限増殖する植物。

広がる植物の成長範囲に飲まれた道路や建物を下からめくりあげる様子が見えた。


「これは……すごいですね、また今までと違うタイプだ」

「人が護国獣になるように、周囲の植物をアースライトの力で巨躯にしているらしい。それとですね、本部が慌ただしい様子。巨躯発生のメカニズム解明のために討伐を遅らせるように要請してきた、困りましたレイサは長期間の戦闘は非常に精神的に負担がかかりますのに」


「巨躯発生……なら、あれを調べれば巨躯がどう発生するかわかるかもってことですか」

「かもしれませんね。ですが、護祈の心配するのが我々の仕事。攻撃し速やかに巨躯を倒すことにします」


眼下に広がる森も草原も建物も飲み込み成長していく。


「吞まれると、体に巻き付き成長した蔦が体を締め上げて……ほら建物が崩れてく」


廃墟に達した緑の波が建物を覆い握りつぶしていった。


「植物の成長は異常で戦車たちも砲撃カ所にたどり着けない。地上からの支援は受けられないと思ってくれ」


レイサはパラシュートを身に着け扉を開ける。


「では、行ってきます」


覚悟を決めて彼女は空へと飛び出した。

ティルトローターが飛び去るとアースライトのオレンジ色の光が輝く。

光が消えると今まで見てきた光景同様巨躯の姿があった。


形は巨大なエイやクラゲを思わせる中央が膨らみ端に行くほど薄くなっていく護国獣。

白い装甲のような体に識別用の蛍光色の黄色いラインが引かれている。

護国獣、龍装烈輝が空に浮かぶ。


「大きいですね」

「ええ大きさは海洋型、飛行型含めても一番大きくあります。護国獣の複数の目をもってしても、死角が多く距離をとらないと相手が見えないのです」


護国獣はどんどんと空高くへと上がっていく。


腹、魚のえらのような個所が大きく開いたかと思うと結晶のような発光器官が伸びてくる。


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