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守る 5

逃げる襲撃を追って建物内に入り崩れた床から地下に降りていく襲撃者。

護祈が護国獣になるために必要なペンダントやロケットの形をしたのアースライトの変換器。

それを奪われれば当然ルツキは巨躯と戦えないし、高エネルギーの塊であるアースライトという貴重なものが奪われたということは穏やかな話ではない。


「地下水道……か」


地下へと逃げたことで一瞬ハクマはためらったが襲撃者は服が動きづらいのか、ただ体力が少なかったのかハクマたちと同じくルツキを探し回って体力を消耗していたのか防衛隊で自主トレで体力に自信があったハクマは次第に距離を詰めていた。

そのため腕を伸ばせばもう少しで手が届く距離。

地面に空いた穴から下に降りると外の光が届かない暗闇が広がる、しかし蛍光塗料で壁に道が書かれており襲撃者は懐中電灯をつけ走っている。


その後少し進んでついに襲撃者の肩に手が届き取り押さえようとするが、変換機をポケットにしまいハクマを振り払おうと拳を握り振りかざしてきた。

殴るけるの攻撃を耐え、ハクマは飛び掛かり襲撃者を転ばせる。


地面に倒してからの殴り合いを行うが、襲撃者の腕は義手の様で硬く重い一撃がハクマの頭と腹に打ち込まれ咳き込んで倒れてしまう。


距離をとった襲撃者は手にしたライトをハクマに当てハクマが起き上がってこのいことを確認し走り去ろうとするが数歩走ったのちに襲撃者が戻ってくる。


「お前、ハクマか、どうして防衛隊に」


襲撃者の声。

腹を強く殴られ咳き込み反応ができないが、どこかで聞いたことのある声にハクマは顔を上げて暗闇に溶け込む襲撃者を見上げた。


「その声……ラキさん、ですか」


目出し帽を脱ぎ襲撃者は姿を現す。

大怪我で片目を失い顔の半分に新しい皮膚をつけかつての面影が無くなった顔ではあったが、その声を聴いてハクマは本人であると確信する。


「ラキさん、なんで。無事だったんですか……どうして、無事だったなら今まで何の連絡も……姉さんは、姉さんも無事なんですか!?」


少しの沈黙ののち重々しい声でラキは答えた。


「いいや。あいつは落ちてきた天上が頭に当たって死んだよ。崩れる建物の中で手が届くところまで行けたのに、手を取ることができたのにその瞬間に……俺は彼女を助けられなかった。彼女の遺体は君と彼女と出会った観光地の近くに埋葬した、あそこも閉演し錆びれてしまったが静かでいい場所だ。今まで連絡がなかったこと、彼女の事、すべて自分勝手で済まない。今まで連絡しなかったのは、ハクマ君にはこんな影ではなく普通の生活を送ってほしくてな。……でも、こうして出会ったのも運命のめぐりあわせだろうな。なぁ、ハクマ君どうだ。一緒にあいつの仇を打たないか。他者の幸せを踏みにじり国の金で贅沢の限りを尽くす守護者気取りの護祈を殺して過去に決着をつけよう。俺たちはそういうものが集まってできた組織だ」


襲撃者はハクマにあてていたライトを降ろし手を差し伸べる。


「このまま一緒に来ないか、護祈や護国獣、防衛隊の情報と引き換えに海外の組織が援助してくれている。大怪我をした俺を生かしてくれたのものその組織だ。隠れ家も武器も情報もある、最近は年齢もあってが捕まるものも多く人手が不足してきている。防衛隊で働き体力もあるハクマ君ならすぐにでも戦力になってくれる」


腹を抑え壁に手をついて立ち上がるハクマ。


「俺は、行きません。少し前までの自分ならためらうこともなかったんでしょうけど。俺は今まで護祈と行動し巨躯との戦いを近くで見てきました。彼女も過去のことを気にし今も心に深い傷として残っています。彼女ができることは巨躯を倒すことだけ、ラキさんその変換器をこっちに渡して自首しませんか」

「勧誘はできなかったか、君は優しいからな。なら俺はいかせてもらう、もう会うこともないだろう」


じゃあなと一言つぶやくとラキはハクマに背を向けて走り出す。

アースライトの変換器を構えラキの進行方向に壁を張り狭い通路の先へと進めないようにする。


「ジャマをするんだな、ハクマ」

「すみません。俺だって護国防衛隊で護祈のサポートチームの一員。護祈を守り、国を守るのが使命なんで」


すぐに踵を返してハクマのもとへと帰ってくるラキの狙いは壁を作り出す白い銃。

ハクマは道を塞ぐように銃を構えたまま後ずさり逃げ道を塞ぎながらラキから逃げる。

レオは負傷しメノウもおそらく助けには来ない。


義手で強く殴りつけられるが白い銃を持たない空いた片腕でそれに耐えながら後ろに下がり続ける。

殴るだけではらちが明かないと判断しラキは手をかざす。

すると義手の中に内蔵されていた小さな弾丸が射出されハクマの腹を貫く。


「変換機を奪い仇を狙う気でいたんだが、使う機会がなかったものだ」


激痛に膝をつきすかさず顔に飛んでくる拳に殴られながらも白い銃を落とさないように耐えるハクマ。


「今の頭狙えましたよねラキさん」

「これ以上身内を失いたくはない、これで諦めてくれないかハクマ君」


最後に蹴りで白い銃が蹴飛ばされ手放してしまい、道が開けたことでラキは暗闇へと消えてしまう。


「くそ……」


白い集を拾いハクマは血の流れる腹を抑えながら残った力で地上へと戻る。


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