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休暇 5

泳いだり遊んだりして時間が過ぎ、部屋に帰っていく護祈たちと入れ替わりにほかの護祈とそのサポートチームの一団が現れプールには常に一定の数の人がいた。


「そろそろ帰るわよ~ルツキ~」


メロウが最後まで他の護祈との会話に夢中になっているルツキを探して声をかける。

話に夢中になっていたルツキは長い時間が過ぎたことに気が付き話していた他の護祈たちと別れて皆と合流する。


「みんなは楽しめたかしら?」

「というかテーマを宇宙にするなら部屋暗くすれば雰囲気あったのにとは思った」

「安全上それはできないわよ~、ここクラブじゃないんだから~。あっちも危ないけど」

「意外とメノウはあちこち行ってるんだよねぇ。都市で遊べるだなんてユウスイに負けずお金持ちだったりするのかい?」


「隊長は結局帰ってきたの?」

「帰っては来なかった」

「休みの日にも仕事が忙しいだなんてねぇ」

「ああ、そういや隊長も一緒に来てたっけ。忘れてた」


着替えてプールを後にし迷子になり動く壁の絵でなんとか自室に戻り、その後食堂で食事を済ませるとルツキの宿泊する部屋に集まった。


他の部屋よりさらに高そうな高級家具が配置されている一人で使うには広く大きな部屋。

部屋の一つに会議室が用意されておりルツキのサポートチームのメンバーは隊長を除きそこに集まっていた。


「ここの食事おいしかったわね、味付けも素材もこだわっていたレシピもらえれば基地でも作れるのかしらね。そういえばお風呂はいつ頃行けばいいのかしらね?」

「ルツキ、まだ水に浸かる気なの?」

「ユウスイは何を言っているのかしらね~、あなた髪キシキシになってるわよあとでちゃんとケアしなさいよ~。お風呂は食後でいいんじゃない? 部屋にシャワーついていたし、そういえばさっき見たけどここはジャグジーバスだったわね~」

「んじゃ、食後に僕ここを借りていいルツキ?」


メノウが備え付けのコーヒーサーバーから金縁のカップにコーヒーを汲み砂糖やミルクの乗った器をとって皆に渡していく。


「そういえばハクマ君はここ楽しめたのかしら。ユウスイはさておき、遠目からだと一人でいる時間が多かったように見えるけど」

「ああ、まぁ何というか。十分泳げました」


その答えを聞いて皆が笑う。


「泳ぎに来たわけじゃないのだけど、まぁ楽しみ方はそれぞれだしリラックスできているのならいいわ。スポーツ選手じゃないんだし泳ぐだけで満足ってのも、泳ぐのは好きなの得意なの?」

「体を動かすのは昔から好きでした、得意ってわけでもないですけどそれなりには泳げるはず。護祈は毎年こんなことを?」


ミルクを多めに入れるルツキとユウスイ、カヅキは何も入れずそのまま飲みため息をつく。


「いいえ、こんなのは今年が初めてよ、年一でもいいからまたやってほしいわね。流石にお金がかかりすぎるから、ここのシステムメンテナンスで一部施設が使用不可能な状態で貸し出しているとこを借りたみたい。メンテナンスはカヅキのいきたかったカジノだって。お姉さま方から聞いたわ」


ミルクを入れ終えたコーヒーをかき混ぜながらルツキが答える。

話しているとそこへ報告のためどこかに行っていたレオが返ってきた。


彼女が返ってきたことを認識すると反射的に皆が席を立ち、レオは座るように指示を出す。


「皆十分に休めただろうか。普段基地に籠りっきりで外に出ない護祈の息抜き。明日の予定を報告する。明日は昼前にここを出ていく。途中の店で昼食をとり基地へと帰還だ。その後はまた数日間はルツキの体をいたわり休みだ、いつもと同じ待機状態で巨躯出現の際の出撃の優先度は低いが各自備えておくように」


話し終えるとレオはメノウが差し出したコーヒーに砂糖を入れてかき混ぜる。


「明日には帰るのね。十分楽しめたわ、今度は動物園とか行ってみたいわね」

「そうなると都市の数は限られるわねぇ、珍獣や絶滅種が展示しているところはもっと少ないしぃ」


「やっぱビルの中?」

「そりゃ当然、動物も魚も植物もみんな都市のビルの中よ~。他にどこに置くっていうのよぉ」


不思議な顔をするメノウの隣でユウスイが頷いていた。


その後もゆったりとしたは続きルツキが就寝するとなると、皆が解散し各自自分の部屋に戻る。

ハクマの部屋には多くの荷物が届いていた。

張り紙には護祈ルツキ宛とかかれ、目録には高級ブランドの日用品が詰められているよう。


「いいもん使って、いいもの食べて‥‥‥行動に制限はあるものの護祈ってのは恵まれてるな」


ぽつりと静かな部屋で呟くとハクマは柔らかいベットに沈み込むように倒れそのまま眠りにつく。



次の日、ハクマはいつもと同じ時間に目が覚める。

特にすることも泣く部屋にいても仕方ないため、部屋をでて廊下を歩いていると外の景色が見れる展望室のような部屋へと入った。


下の道路がかすんで見える高所、上に行くほど細くなっていく建物が並び高所ほど道路の向かい側にあった隣の建物との距離が離れて見える。


「都市‥‥‥」


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