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休暇 4

屋内に作られた巨大プール。

上の階から滝のような水が流れていて、それが下からの風手植えに撒かれ人工的な雨を作り出している。


「おお~湿っぽい。なんか空気が澄んでない? あ、向こうに砂浜があるわね」

「そりゃこれだけ大きな施設だし空気清浄機だって高級品使ってるでしょ」

「さて、では私はこれから上の階で会議に出るが、お前たちは自由行動だこの機に羽を伸ばしておくように。ああ、基本護祈が優先でお付きのお前たちは一部区画以外は使用禁止だから気を付けエクレ。夕飯の時刻までここにいてもいいし、部屋に戻ってもいい。ただし護祈であるルツキは下の階に降りるのは禁止だ」


声は籠るように反響している。

施設の中にも鎮圧銃を持った警備員が巡回しており、ハクマが近くを通り過ぎていく警備員を目で追う。


「なんか物々しくて物騒だな、こんなあからさまな警備が必要なんですかね?」

「さぁ? そこは上の判断だし、さて着替えてくるかな。それじゃあハクマ君また後で、この辺でまた会おうか」


返事をしそれぞれ着替えのため更衣室へと向かう。

着替えを済ませ軽く準備体操をしてハクマが待っていると水着に着替えたルツキたちがやってくる。


「危うくカヅキに騙されるところだった。メノウが止めてくれなかったらあれ来てここにることに……」

「あれはあれでいいとは思うけどルツキちゃんにはなかなか過激な水着だったわね~」


「普段肌の露出を控えているから落ち着かないわね。ハクマ君はこっちを見ないで」

「ルツキちゃんほどでなくても護祈はかっちりとした私服が指定されているからね~。ずっと顔が真っ赤、水着なのにね~」


「みんな‥‥‥よくこれ着て平気ね。こんな裸みたいな恰好」

「服着て水の中には入れないからね~」


話ながらやってきた二人はハクマと合流した。


「さて、ハクマ君は思った通りしっかり筋肉ねぇ。ルツキちゃんには刺激強くなぁい~?」

「さすがに大丈夫よ、見る分にはみられるのは嫌だけど。男性の上半身を見て刺激が強いって、私はいくつだと思われているのかしらね」


「ユウスイちゃんと同い年」

「そういえばユウスイは?」


「他の護祈サポートチームの男性の体見てどぎまぎしてたわよ~鼻血でも出たんじゃない?」

「私以上に免疫がないのね、びっくりしたわ。で、どこ行ったのよ」


「カヅキがからかいながら水を買いに行ってる~、向こうにいたわよ~」

「自分のことでまったく気が付かなかった。‥‥‥水着も見せたしさて、それじゃあ私お姉さまに挨拶に行ってくるわね」


「行ってらっしゃ~い」


ルツキは他の護祈へとあいさつに向かいその場にメノウが残される。


「さて~、ハクマ君私たちは護祈サポートチームが集まる向こうでのんびりしますかねぇ。着替えたわけだしすぐに出ていったりはしないでしょ~」

「そうですね少し泳げればと思ったのですけど、サポートチームが集まる場所は人が多そうですね」


「向こうに泳ぐレーンが見えるわねぇ、あっちへと行ってみましょ~。ユウスイ~ほぼ裸の男性に抱きかかえられたくなかったら立ちなさ~い」


放っておいてというユウスイとアイスを食べているカヅキと合流しみんなで水の方へと向かった。


メノウとカヅキはビーチボールをどこからか持ってきて水の中で遊んでいる。

ハクマも別の水泳用のプールでいくらか泳ぎ回り、タオルを羽織りベンチで座っているユウスイのもとへと戻ってきた。


「ユウスイさんは泳がないのか?」

「別に、水嫌いだし」


「少し人が多いけど浅い所も向こうにあるけど」

「別にいいって。あとこっちよんな」


他の護祈サポートチームもそれぞれで固まって行動しているが特に身分証などをつけていないため誰がどの護祈のサポートチームの人間かはわからない。

広い施設内で遠目から見える護祈はおそらく8名ほど、彼女たちも特に身分証などは付けていないのがルツキと親しげに話している様子から何となく察した。

水の中を歩いて遊んでいたメロウたちが寄ってくる。


「ユウスイは身長と胸のサイズにコンプレックスがあるのよね~」

「あー、それは俺はどうも言えないことだな」

「恥ずかしがることないのに、僕のように堂々としてればいいのさ」


「引き締まった体のカヅキちゃんに言われてもねぇ」

「なんで俺を見るんです?」

「とはいえ太っているわけでもなく適度にむっちりしてるメロウの方が男性受けは良さそうだけど?」


「せっかく水着に着替えたんだし泳ぎましょうよ~」


メロウにビーチボールを投げられユウスイはそれを受け取ると立ち上がりタオルを脱いで水の中へと入る。


「コンプレックスって‥‥‥小さいわけじゃないんだな」

「びっくりしたでしょ。普段は猫背だから普段着からじゃあんまりわからないだろうけど、あの身長の割にはあるんだよユウスイ。流石にメノウには勝てないけどルツキちゃんより大きい、スタイルの良さなら僕が一番だよね?」


「なんでそんなこと聞くんですか」

「いや異性の意見を聞いておきたいなと。ハクマ君も泳ぎつかれたなら僕らと一緒に遊ぼうよ。見てるだけじゃつまらないでしょ、それとも見ていたい?」


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