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休暇 3


案内に従ってエレベーターホールに到着する。

エレベーターの扉に拡張現実で奥行きのある各階の紹介広告の映像が流れ、ホログラムが天上から流れ星を映しだしていた。


「静かね」


落ちてくる星にハクマは当たらないように身を逸らして躱し、ルツキは手を伸ばすが映像はその体をすり抜けていく。


「高級層向けの建物だからね。もっと安い施設が入った建物だと企業広告がわちゃわちゃして五月蠅いよ。立体映像も鬱陶しいくらい飛び回るし、音楽も何十と重なって不協和音になるし」

「すごいな都市」


「そういえば都市に住んでるの私と隊長とカヅキだけか」


皆が乗り込み無音で上がるエレベーター。


「確かビルの壁登ったような気がしたけどまだ上に上がるんですね」

「このビル何階建てだと思ってるのさ、一度に上がれるのは50階まで。この建物はしたがレジャー施設になってて浮遊車で停車したこの辺は宿泊施設」


電子音が流れる静かなエレベーター内でハクマの問いにユウスイが答える。

到着までの時間が表示されカウントが無くなるとともに扉が開くとエレベーター待ちをしていた赤毛の護祈と出会う。

レオは彼女に気が付き頭を下げ道を開け、その横でルツキが駆け足でエレベーターから出るとその女性のもとへと向かった。


「あ、ルツキ!」

「エイアお姉さま! お久しぶりです、この間は共闘ありがとうございました!」


エイアと呼ばれた赤毛の女性もルツキを見た瞬間に笑顔を浮かべ彼女を抱きしめて喜ぶ。


「お姉さまはこれからどこへ?」

「私はこれから下にいるサポートチームのチーフに会いに、ゆっくり話したいからまた会おうね~」


「はい」


手を振り入れ替わりにエレベーターへと乗って赤毛の護祈は下の階へと降りていく。

壁の動く絵の案内を頼りにハクマたちは部屋にたどり着くと、それぞれの借りている部屋に荷物を置いていった。


「私とメノウ、カヅキとユウスイ、ハクマは一人部屋だ宿泊中は物置にする。荷物持ちでちょうどいいしな。で、ルツキの部屋はもう少し先だなとりあえずはここにいてくれ。メノウとカヅキが帰ってきたら皆で下に行く、それまで少し待っていろ。私は到着の連絡をしてくる、私は廊下に出るがここで待っていていいぞ」

「何か所も連絡する必要があるのは大変ですね」


待機を命じられひとまずレオとメノウの部屋で三人は待機する。

ハクマとルツキは椅子に座りユウスイはためらいなくベットへと歩いていき横になった。


「思ってたより普通の部屋だな、いや装飾とかじゃなくて広さ的な」

「サポートチームの私らは最低価格の部屋だからね、それでも都市の人間からすればなかなかするけど」


天上に着いたプロジェクターからプロジェクションマッピングの要領で壁紙に落ち着かないハクマに二人から離れたユウスイが答える。

普段基地にこもりっきりのルツキは見慣れない景色ばかりで天井を見上げ動く絵を目で追っていた。


「誰が来るんだそんな高い施設に」

「他の国や都市の人間。お金を持っている人は持っているから、こういうところには屋敷とか城の従者を家族ごと連れてきたりするよ」


「はぁ~……言葉が出ない」


それから20分ほどで両手に買い物袋を持ったカヅキとメロウが返ってくる。


「そんないっぱいどこで買い物したんですか?」

「下の階、ほら壁登ってきたでしょ。下にも店が入ってるんだよ、といってもここからはいけないかったからいったん車で下に降りたけどね」

「こんなにいっぱい買うつもりはなかったんだけどね~、お酒飲んでいいって言われてたらいろいろ買っちゃって~」


買い物袋の中身をテーブルに広げて買ってきた酒を設置してある冷蔵庫へと入れていく。


「基地では僕らはお酒飲めないからね。いつ巨躯が出現するかわからないから、それに僕は乗り物担当だし」

「ハクマ君は何飲む~?」

「なら、あんまりアルコール度数の高くないやつで。酔いやすくて」


部屋の置いてあったパンフレットを見ていたカヅキ、そこへちょうど電話を終えてレオが戻ってくる。


「そういえばカジノあるよねこの施設! 僕そこで‥‥‥」

「ああ、上の階のカジノは貸し切りの伴い営業は停止している。護祈がはまりでもしたら大変だからな」


「そっか……いやちょっと興味があっただけ」

「すごく顔が残念そうだが? さて皆そろったし着替えをもって再度集合、プールに行くぞ」


荷物を置いて皆が再度エレベーターに乗って下の階に降りる。

通路の湿度を下げる為か強めの換気扇が回っている階で通路の先の扉を開けると見えたのは複数回を貫いた巨大なプール。


奇怪な南国の巨大植物が生え、滝のように水が降る場所があり虹が出ている。

広い空間を飛び回るホログラム、建物を支える柱にそってスライダーが存在しておりアトラクションも多く、護祈のお付きが隅のプールで泳いでいる。


「ここも星なのね、プールなのに」

「たまたま今回のテーマが宇宙なんじゃないの? どうせホログラムと映像だけだし切り替えれば他の景色にだって変えられるはず」



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