憂さ晴らしじゃなくて八つ当たりです
■■■〜〜〜会社なぅ〜〜〜■■■
「──と、いうワケで『神』大平と『全知全能』田中は連合軍として体育祭に強襲んで来るそうです」
「え? あー、うん……? どゆこと??」
目をパチパチしながら訊いてくる千尋さんだが、訊かれてもオレが困る。
オレはただ、ありのままを説明しただけなのだから。
「さぁ? 今度の体育祭に、ナルシストと脳筋が協力して攻めて来るって事なのでは? オレの学校に」
「いやだからね? 何でアンタの学校に攻めて来るのよ? 会社じゃなくて!?」
ふむ、至極真っ当な質問だがスマンな?
「さぁ〜〜〜? ただ、オレが脳筋からアスパラで仕入れた情報なんで間違い無いっスよ? Σd(^ ^ )」
「アンタもしかしてアスパラを過剰評価してる? 所詮は葉っぱの茎みたいなモノでしょアレ!?」
──え? そうなの???
調べた事無いから知らんけど。
『主、もしかして──食べなかったんですか?』
「ウヒィッ!!? いや違うってただ田中のヤツが弁当を忘れたらしくてソレで仕方無く──」
『(──おい、シャドウゴーレム……どうなんだ?)』
『(嘘です! 主は自分がアスパラを食べたくなくて彼にやったんです! ベーコンは食べてました!)』
『(それと、もう一人のご友人に枝豆ご飯の枝豆も取ってもらってました!)』
『(そうか、報告ご苦労……)』
『主、今夜のカレーは主だけ野菜たっぷりのグリーンカレーです。アスパラと枝豆も入れます』
「──なんですと?」
え? ホントに何で?? 何でそんなコトするの?
「お前に人の心は無いのかキメラ?」
『──はい虫なので』
終わった……! なんか色々と終わった!!!
いや、待て。こうなったら外食で済ますか?
値は張るし、一人飯になるがあの病的な野菜尽くしよりはまだ救いがある!
『ほぅ? では、財布とスマホは預からせてもらいますね。カレーを食べ切ったらお返ししますので』
「泣いて良い? お前に男子高校生の本気の大号泣ってヤツを見せてやんよッッッ!!!!!」
『どうぞ。カメラはいつでもスタンバイです!』
ヤダもう、この仔知らない間にドSに育ってるわ! お母父さん悲しい!
そんなやり取りをしていると──。
「はいはい、痴話喧嘩は他所でやんなさい。話しを戻すけど、その情報が真として私にどうしろと?」
──このままでは話しが進まないと思ったのか、千尋さんがやや強引に話しを進める。
なのでオレも、キメラから千尋さんに視線を戻し言葉を紡ぐ。
「ぶっちゃけると、コレはチャンスです。一気に二つの組織を潰せるかもしれないメリットがある」
「そうね? でも、二つの組織を同時に相手取るデメリットもあるわよ。それはどうするの?」
「──体育祭というイベントそのものを利用すれば解決出来ますよ。はいコレ」
そう言って、オレは紙の束を千尋さんの机の上に置く。
「何よ、コレ?」
と、訝しげに訊かれたので、
「血判状です☆」
オレはそう、嬉々として答える。
「──は?」
当然の様に目を丸くする千尋さんに、オレは話しを続けた。
「ソレに名前を書いて、自分の血で印をして下さい。ソレを提出すれば体育祭には出られますんで」
「──はぁッ!!?? え、私が体育祭に出るの!? この歳で!!?」
ふッ、戦に歳は関係無いZe☆
「だ、大体! アンタが出てんだから私が参加する必要は無いでしょうが!?」
「……いやオレは魔王軍の総司令やるんで協力出来ませんよ? 我が勝利は魔王軍のモノ也!」
「──は?」
惚けた声を上げる千尋さんの肩をポンッと叩き、
「千尋さん──どうか自分の野望は自分の手で叶えて下さい。敵になっても見守ってますんで!」
「──は???」
偶には、人任せにするのでは無く自分でやってみるべきだろうフハーハッハッハッハッッッ!
え? 憂さ晴らし??
──違います、八つ当たりです♡
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