一人と一匹
■■■如月→→→久保■■■
「もしもし? 私、如月さん。今、モンスターすくいの屋台の前に居るの」
『──え? 先輩、いきなりどうし──ッ』
ブツリッ! と、久保の言葉を完全無視し通話をぶった切る。
そして、また……。
「もしもし? 私、如月さん。今、社長が掬ったモンスターに呑まれたわ。大変ね」
『いやあの先輩? ホントにどうし──』
ブツリッ!
「もしもし? 私、如月さん。今、皆んなが慌てて社長を助けようとしているわ。忙しそうね」
『うん……? どうしてメリーさん口調な──』
ブツリッ!
「もしもし? 私、如月さん。今、騒動の隣でハピーが般若にキレられてるわ。この口調にも飽きてきたわ」
『じゃあ普通に話せば良いじゃん!』
「うん。そうする」
『素直!!!』
・
・
・
「──それでさ、お前よくもやってくれたな? マジ絶許だわ」
そんなオレの言葉に、久保は飄々とした口調で返す。
『えぇ? でも、僕と先輩って今は敵同士じゃん。一番厄介だし先に潰そうとして何が悪いの??』
「お前──『夏の間は忙しいし、お互いに不可侵って事でどう?』とか言ってなかったか?」
『言ったけど、僕にとっての夏はもう終わったから良いかなって。ちゃんとした期間は決めてないしね?』
なるほど。確かに──
「──一理あるな。じゃあ、オレもオレの夏が終わったら仕掛けに行くけど問題無いよな?」
さぁ〜て、色々と準備しなきゃ♡
と、気合いを入れていると!
『あ〜、それがねぇ? 仕掛けておいて情けない話だけど待って欲しいんだよねぇ。文化祭が終わるまで……』
「おいおい、そいつぁ一体どういうこったい?」
オレの問いに、通話越しにウーンとかアーとか呻く声がする。
だがやがて、意を決したように──
『親父の容態がさ、あんま良く無いんだよ……』
声を絞り出すように、久保は告げる。
ふむ? 確かに久保の親父さんが病に掛かっている事は知っている。だが──
「──だが、それならどうして仕掛けて来たんだ? これはオレの見解だが、あのウィルスプログラムだってまだ『未完成』だったんだろ??」
そう訊くと、久保は驚いたような声を上げ……告げる。
『凄いなぁ……さすが先輩だ。うん、確かにあのプログラムはまだ未完成だったよ。でも、ソレでもイケると思っちゃったんだ──焦ってたのかな?』
確かに、久保にしては『らしく無い』ミスだ。
プログラムが完成してから攻めた方がずっと有利に動けるだろうし──
──そもそもとして、ハッキングされた後に誰も攻めて来なかったのは妙だ。
普通、そんな隙を見逃すか? う〜〜〜ん、どうするかなぁ…………。
『まぁでも、内心では先輩の事を軽く見てたのかも。未完成なプログラムでも勝てるって思うくらいには』
『──だから、いいよ……先輩に倒されるのなら僕も本望だし』
何処か、諦めた様に久保は言う。
このゲームは自分の負けでいい。と、暗に言っているかのように。
──はぁ〜〜〜〜〜ッッッ!!!!!
「分かった、待てば良いんだな? なら、待ってやるが──期間が終わったら容赦しないから、そのつもりで」
『──え? でも先ぱ──ッ』
ブツンッ! と、それ以上は何も聞かず……通話を切る。
……ゲームで手加減されて勝つほど、腹が立つ事は無いだろう。
文化祭が終われば本気を出せると言うのなら、待ってやる。その上で、今回の怒りを上乗せし叩き潰す。
……何を企んでいようとも、な。
■■■
「──いやぁ〜、先輩ってホント……懐に入れた相手には甘くなるよねぇ」
『我が元主を騙すとは随分な役者だな、主??』
ニヤリと三日月の様な笑みを浮かべ、一人の人間と、一匹の悪魔は嗤う。
「騙してないよ? 親父は病気だし、あのプログラムだってまだ未完成だ」
『カラドリウスの治療で病気は完治間近、プログラムだって完成の一歩手前だろう』
「──まぁね? でも、実験を兼ねてあわよくばって思ったけど……上手くはいかなかったなぁ」
人間は「未来に行けるなんて予想外だ」と、呟く。
『だが、アレが「奥の手」である事には違い無い。それが暴けただけでもやった甲斐はあったのだろう?』
「そりゃあね? あんなチート能力を知らずに挑んでいたらと思うと最早恐怖でしか無いよ」
その言葉に、悪魔はますます笑みを深くして問う。
『──対策は?』
「もう考えてあるよ」
不敵に嗤う人間に、悪魔は「流石だ」と称賛の声を贈った。
見てくれてありがとうございます!! 宜しければ是非ともブクマなどをお願いします( ´∀`)
■■■〜〜〜謝罪〜〜〜■■■
どうも──実は今まで、『プレビュー機能』ってなんぞな? と、なっていたオカメです。
いやぁ、アレって読者様の視点から自身の小説を見る為の機能だったんですね……知りませんでした。
ソコで改めて自身の小説をプレビュー機能で読んでみた所、めっちゃ読みにくい事に気が付きました。
本当に申し訳ございません!!!!! (土下座)
えと、期間はまだ未定ですし……恐らく、クソほど長くなるでしょうけども、少しずつ編集し、読みやすい様に変えていこうと思いますので──
──何卒、コレからも見ていただければ幸いです!